雇用保険法の概要
次は、「雇用保険法」やな。 | |
雇用保険って、失業したらハローワークに行って、失業保険をもらう、ことですよね。 | |
そういえばうちの父さんが言ってたな。「長年サラリーマンで定年まで辞めるつもりもないのに雇用保険だけ無駄に払っているな」って。 | |
なるほどね。失業するはずがないから、雇用保険は入っているだけ無駄、という考えなんだね。 | |
そうですね、会社が倒産したりしないかぎり失業しなければ、払うだけ無駄になりませんか? | |
そうか。みんな、「保険」という言葉の意味を履き違えているのかな。そもそも、「保険」というのは「もしものことがあったらに備えて」入るものなんだ。会社が倒産だけではなく、突然「解雇」ってことでクビにされるかもしれない。そういった「もしものこと」に備えて雇用保険はあるんだよ。生命保険だってそうじゃないかな? | |
なるほど。たしかに保険に入ることは大切ですね。 | |
でも生命保険とかって、中には保険料を返してもらえるものだってあるやんか。結局、失業しなかったら失業保険はもらえへんのに、保険料が掛け捨てになってしまうやんか。 | |
ははは。たしかに従業員さんの中には、「私には必要ありません!保険料が掛け捨てになるだけでしょ」なんて人もいるけどね。たしかに一理あるけど、保険ってのは損得で考えるのではなく、生活が出来なくなったときのリスクに備えて入っておくべきだと思うよ。ただ、「雇用保険=失業保険」ってわけではないから、よく知っておいてね。 | |
えっ、どういうことですか?失業保険だけではないんですか? | |
うん。雇用保険には労働者の「失業」に対して保険をするだけではなく、育児休業や介護休業をとった場合、定年を迎えてもそのまま会社で雇用してもらう場合にも保険をする制度があるんだ。詳しくは雇用保険法の科目の中で勉強してもらうんだけど、ちょっと一例を紹介しようかな。 | |
はい。お願いします。 | |
例えば、育児休業をとった場合、給料は出ると思う? | |
うーん。実際、お休みを頂いて、全く働いていないから給料は出ないと思います・・・ | |
会社にもよるけど、基本的にはそのとおりだろうね。でも育児休業の間、収入がないと生活に困るよね。そんなとき、雇用保険から補助として給付を受けることが出来る制度があるんだ。「雇用継続給付」なんていうんだけど、失業していなくても、働いている状態で給料が出なくなったり下がったりした場合を国が助けてあげるんだ。 | |
へー、そんな場合にも保険が受けられるんなら、掛け捨て、って感じじゃないんやな~ | |
そうだね。みんな「雇用保険=失業保険」って思い込みがちだけど、失業しなくても使うことの出来る保険制度なんだ。だからしっかり勉強して、もっと雇用保険の良さを理解してね。 | |
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