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労災保険法(6)-8

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(3) 海外派遣者 (6号・7号(「第3種特別加入者」という))

 

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労災保険法は、海外の事業所を適用事業所とはしない(これを「保険法の属地主義」という)。


↓ しかし…

 

本来、国内の適用事業所において就労していたならば当然適用されるであろう労働者が、海外で就労するがゆえに適用されないのは不合理である。

 

↓ そこで…

 

たとえ、海外であっても、事業主の申請により、適用労働者としての地位を認めておくことができる制度を設けた。

 


つまり、「海外就労者の労働災害」に関し事業主責任が問われないわけではないから、国内就労者と同様の補償が受けられるような立場に留めおく制度であると理解しよう!

 

 

↓ 特徴としては…

 

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a) 他の特別加入制度のように包括加入の必要はない。(平9択)


b) 労働保険事務組合への労働保険事務の処理の委託は必要ない。(平7択)

 

c) 国内の事業が一般的な継続事業ならば、業種を問わず加入の申請ができる。

 

d) 海外の派遣先事業所が労災保険法の適用事業所となるのではない。(つまり、そこで働くすべての者に適用されるのではない)

 

e)「留学」や一時的な「出張」は加入対象とならない

 

f) 新たに派遣する場合に限られず、既に派遣されている労働者の中途適用も認められる。 (平3択)

 

g) 同一事由(事故)につき、派遣先事業の所在する国において労災保険相当の補償が受けられる場合であっても、保険給付額の調整は行われない


h) 国内において同種の業務に就く労働者に比べて賃金が高くなっている場合(海外赴任手当等の支給)があるため、給付基礎日額は、労働者であるにもかかわらず、他の特別加入者と同様に「選択制」となる。