テキスト本文の開始
5 受給権の保護 (法12条の5) 重要度 ●●●
1) 保険給付を受ける権利*1は、労働者の退職によって変更されることはない。 (平2択)(平6択)(平12択)(平16択)
2) 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、年金たる保険給付を受ける権利を独立行政法人福祉医療機構法の定めるところにより独立行政法人福祉医療機構に担保に供する場合*2は、この限りでない。 (平10択)(平12択)(平15択)(平16択)(平20択)
|
□*1「保険給付を受ける権利」には、現に発生している権利のみならず、退職後に発症した職業性疾病等将来において発生し得る権利も含まれる。
↓ また…
任意退職、労働契約の期間満了、定年退職、使用者による解雇、事業の廃止に伴う労働関係の終了等退職の理由にかかわらず、受給権が変更されることはない。 (平8択)(平16択)(平21択)
□*2「担保に供する場合」とは、具体的には、独立行政法人福祉医療機構法12条1項13号の規定により、年金たる保険給付の受給権を担保として小口資金の貸付が行われる場合である。(平16択)
6 非課税 (法12条の6) 重要度 ●
租税その他の公課*1は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。(平10択)(平16択)
|
-----------------(155ページ目ここから)------------------
□*1「租税」とは、所得税、市町村民税など、「その他の公課」とは、例えば、国民健康保険料などをいう。
◆印紙税 (法44条)
労働者災害補償保険に関する書類には、印紙税を課さない。(平20択)
|
7 受給権者の届出等 (法12条の7) 重要度 ●●
保険給付を受ける権利を有する者は、厚生労働省令で定めるところにより、政府に対して、保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める事項*1を届け出、又は保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める書類*2その他の物件を提出しなければならない。
|
□*1「厚生労働省令で定める事項」の届出は、次のとおりである。
(届出先は、すべて所轄労働基準監督署長となる)
名称 |
必要となる場面
|
提出期限 |
□傷病の状態等の届書 |
負傷又は疾病が療養の開始後1年6箇月を経過した日において治っていないとき |
同日以後1箇月以内 (平7記)
|
□年金たる保険給付の受給権者の届出 |
a) 受給権者の氏名及び住所に変更があったとき
b) 同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等が支給されることとなったとき等
c) 障害の程度に変更があったとき
d) 負傷又は疾病が治ったとき
e) 死亡したとき etc.
|
遅滞なく |
□年金たる保険給付の払渡希望金融機関等の変更の届出
|
年金たる保険給付の払渡しを受ける金融機関又は郵便貯金銀行を所属銀行とする銀行代理業を営む郵便局を変更しようとするとき |
変更を希望するとき |
□第三者行為災害届 |
保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じたとき (平6択)(平9択)(平11択)
|
遅滞なく |
-----------------(156ページ目ここから)------------------
□*2「厚生労働省令で定める書類」の提出は、次のとおりである。
(提出先は、すべて所轄労働基準監督署長となる)
名称 |
必要となる場面
|
提出時期 |
□傷病の状態等の報告書 |
毎年1月1日から同月末日までの間の日について休業(補償)給付の支給を請求しようとする場合であって、同月1日において療養の開始後1年6箇月を経過しているとき(平7記)
|
当該請求しようとするとき |
□年金たる保険給付の受給権者の定期報告 (則21条) |
年金たる保険給付の受給権者であるとき、毎年、厚生労働大臣が指定する日*3 |
a) 1月~6月生まれ:6月30日まで
|
□*3 遺族(補償)年金の受給権者にあっては、当該遺族(補償)年金を支給すべき事由に係る死亡した労働者の生年月日とする。
8 保険給付の一時差止め (法47条の3) 重要度 ●
|
□「支払を一時差し止める」とは、受給権者に対する金銭給付の支払を一時的に行わないことである。支給制限や支給停止の処分と異なり、差し止め事由がなくなれば、差し止められた当時にさかのぼって、留保した金銭給付の支払が行われる。
※テキスト157ページ~163ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません