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労災保険法(5)-6

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□支給制限は、受給者本人に対する稼得能力のてん補を目的とする保険給付の「全部又は一部」が制限される(昭52.3.30基発192号)。

 


制限事由

 

制限内容

 

イ) 故意の犯罪行為若しくは重大な過失によるもの

 

休業(補償)給付傷病(補償)年金障害(補償)給付について、保険給付の都度所定給付額の30%を減額

 


なお、傷病(補償)年金、障害(補償)年金については、療養開始の日から3年以内の期間において支給事由の存する期間に限られる。

 

ロ) 正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことによるもの

 

事案1件につき、a)休業(補償)給付については10日分相当を減額、b)傷病(補償)年金については365分の10相当を減額

 

 

2  不正受給者からの費用徴収 (法12条の3)             重要度 ●●
 

条文

 

 

1) 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者*1があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部*2をその者から徴収することができる。(平4択)(平9択)(平19択)

 

2) 前項の場合において、事業主が虚偽の報告又は証明をしたためその保険給付が行なわれたものであるときは、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。

(平7択)(平16択)(平19択)(平22択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「保険給付を受けた者」とは、直接的な受給権者に限られず、受給権を有しない者や事業主等偽りその他不正の手段により現実に保険給付を受けた者をいう。

 

□*2「全部又は一部」とは、受けた保険給付のうち、偽りその他不正の手段により給付を受けた部分のすべてであって、不当利得分に相当する価額の部分をいう(昭40.7.31基発906号)。


↓ なお…


偽りその他不正の手段により保険給付を受けたことに対する労災保険法上の罰則の規定はない。(平15択)