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労災保険法(5)-4

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テキスト本文の開始

 

 

 

2  二次健康診断等給付の範囲 (法26条2項・3項)       重要度 ● 
   

条文

 


2) 二次健康診断等給付の範囲は、次のとおりとする。

 


イ) 脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査(前項に規定する検査を除く)であって厚生労働省令で定めるもの*1を行う医師による健康診断(1年度につき1回に限る、「二次健康診断」という)(平14選)


ロ) 二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師又は保健師による保健指導(二次健康診断ごとに1回に限る、「特定保健指導」*2という)(平14選)

 

 

3) 政府は、二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導を行わないものとする。

 

 

ここをチェック

 

◆支給される範囲のまとめ

 


【二次健康診断】


1年度につき1回に限って、「医師」の健康診断により行われる。

 

 

【特定保健指導】


二次健康診断ごとに1回に限って、「医師又は保健師」の面接により行われる。

 

 

□同一年度内に1人の労働者に対して2回以上の定期健康診断等を実施している事業場であっても、当該年度内において行われる二次健康診断等給付の支給回数は、1回に限られる(平13.3.30基発233号)。

 

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advance

 

□*1「厚生労働省令で定める検査」は、次のとおりとする(則18条の16第2項)。

 


a) 空腹時の低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査


b) 空腹時の血中グルコースの量の検査


c) ヘモグロビンA1c検査(一次健康診断において当該検査を行った場合を除く)


d) 負荷心電図検査又は胸部超音波検査


e) 頸部超音波検査


f) 微量アルブミン尿検査(一次健康診断における尿中の蛋白の有無の検査において疑陽性(±)又は弱陽性(+)の所見があると診断された場合に限る)

 

 

□*2「特定保健指導」では、次のすべての指導を行う(平13.3.30基発233号)。

 


a) 栄養指導(適切なカロリ一の摂取等食生活上の指針を示す指導)


b) 運動指導(必要な運動の指針を示す指導)


c) 生活指導(飲酒、喫煙、睡眠等の生活習慣に関する指導)

 

 

3  請求手続その他 (則18条の19ほか)                  重要度 ● 

 

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◆医師からの意見聴取の流れ

 

 

条文

 

 

1) 二次健康診断等給付を受けようとする者は、必要事項を記載した請求書を、当該二次健康診断等給付を受けようとする健診給付病院等を経由して所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。(平19択)

 

2) 前項の請求書には、一次健康診断において検査のいずれの項目にも異常の所見があると診断されたことを証明することができる書類を添えなければならない。

 

3) 一次健康診断を受けた年月日及び前項の書類が一次健康診断に係るものであることについては、事業主の証明を受けなければならない。

 

4) 二次健康診断等給付の請求は、一次健康診断を受けた日から3箇月以内に行わなければならない。ただし、天災その他請求をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、この限りでない。(平21択)

 

 

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□二次健康診断を受けた労働者から当該二次健康診断の実施の日から3箇月を超えない期間内に、当該二次健康診断の結果を証明する書面の提出を受けた事業者(労働安全衛生法に規定する事業者をいう)は、二次健康診断の結果(当該二次健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない(法27条、則18条の17、労働安全衛生法66条の4)。

 

↓ なお…

 

□「二次健康診断の結果についての医師からの意見聴取」は、労働者から二次健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から2箇月以内に行わなければならない(則18条の18、労働安全衛生規則51条の2第2項)。

 

※テキスト146ページ~148ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません