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労災保険法(3)-10

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3  障害補償給付-3 (加重・則14条5項)                  重要度 ●    

   

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□既存障害を有する労働者がアクシデントに巻き込まれ、それが原因となって「同一の部位」について、その障害状態を悪化させてしまうことがある(「加重」という)。


↓ そこで…


悪化した障害状態に基づく補償額の決定方法を規定しておく必要があることから、今回のアクシデントによる支給部分について、既存障害に係る従前額との差額部分を支給することとされている。


↓ しかし、なぜそんなことを?

 


a) 事故ごとの障害の程度に応じた事業主責任部分を明確にするため。


b) 事故ごとの給付基礎日額の水準を適正に保つため。

 

 

 

 

□前発障害が業務上以外を理由とするもの(私傷病による障害等)であるときは、既存障害に係る部分は労災保険法の補償対象とはならない

 

 

条文

 

 

既に身体障害のあった者が、負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事由に係る障害補償給付は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付とし、その額は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付の額から、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付の額(現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付が障害補償年金であって、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付が障害補償一時金である場合には、その障害補償一時金の額を25で除して得た額*1)を差し引いた額による。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「25で除して得た額」とは、障害補償年金の平均受給期間を参考にして定められたものである。

 

□既存の身体障害は、業務上、業務外、先天性等に関係なく、労災保険法の障害等級表に照らして、障害補償給付の対象となる程度の身体障害であるか否かを判断する。