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労災保険法(2)-10

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ちょっとアドバイス

 

□障害(補償)年金差額一時金は、労働者の「死亡」が要件となり支給されるものであるから、死亡の推定の規定が適用される

(法附則58条4項、法附則61条2項)。

 

advance

 

□*1「推定する」とは、反証がなされた場合には、その明らかとなった事実に基づいて、改めて法律関係が処理されることとなる。
(一般法である民法の「失踪宣告(死亡したものとみなす)」とは異なる)


↓ なお…


「失踪宣告」の場合(民法30条、31条)は、家庭裁判所が決定する。

 


a) 不在者の生死が7年間明らかでないとき

 

 

7年間が満了したとき

 

 

b) 沈没した船舶の中にあった者など死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死がその危難が去った後1年間明らかでないとき

 

その危難が去ったとき

 

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3  未支給の保険給付 (法11条)                          重要度 ●●●    


条文

 


1) この法律に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族(補償)年金については当該遺族(補償)年金を受けることができる他の遺族)は、自己の名で、その未支給の保険給付*1の支給を請求することができる*2。

(平2択)(平12択)(平15択)(平22択)


2) 前項の場合において、死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときは、同項に規定する者は、自己の名で、その保険給付を請求することができる。(平5択)(平9択)


3) 未支給の保険給付を受けるべき者の順位*3は、第1項に規定する順序(遺族(補償)年金については当該遺族の範囲に規定する順序)による。(平22択)


4) 未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。(平15択)(平19択)

 

 

ここをチェック

 

□*1「未支給の保険給付(以下「未支給給付」という)」とは、次のものである。

 


a) 支給決定はあったが、まだ支払のないもの(支給請求したが支給決定がないものも含む)


b) 死亡前にその保険給付を請求していなかったもの(平15択)

 

      

  ↓ なお…

 

被災労働者にのみ行い得る保険給付(療養(補償)給付たる療養の給付又は二次健康診断等給付)は、未支給給付には含まない。

 

□*2「請求」の手続は、自己の名で、所轄労働基準監督署長に対して行う(則10条2項)。