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労災保険法(1)-5

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第 2 章

業務災害と通勤災害

第1節  業務災害    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

第2節  通勤災害    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

 

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第1節  業務災害

 

1  業務上の事由とは?                                  重要度 ●    

   

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◆「2要件主義」による認定

 


「業務災害」が認められるためには、労働者の仕事と発生事故との関係において「業務遂行性」と「業務起因性」がなければならない。

 

 

(1) 業務遂行性

 

 

労働者が、労働契約を根拠とする事業主の指揮命令に基づき行動していた間に起こったできごと(アクシデント)であったかということ。

 

↓ 例えば…

 

現に就労している間はもちろん、「休憩時間」も労働契約上の拘束時間であることから、原則的には業務遂行性が認められる

 

↓ だとすれば…
休憩時間中のアクシデントについても労災認定が受けられるのであろうか?

 

↓ それは…

 

原則的にはNG
*休憩中は自由利用の原則(労基法34条3項)により、その行動は「私的行為」と判断されるからである(事業場の施設管理上の不備から生じた事故である場合には認められることがある)。

 

 

(2) 業務起因性

 

 

「業務遂行性」があることを前提として、その業務に就いていたならば起こり得るであろう傷病が、現実に起こってしまったということ。

 

↓ 例えば…

 

「ビルの屋上等からの墜落事故」というアクシデントは、職種(職業の種類)や職務(指揮命令により生ずる仕事の内容)によって起こり得る者もいれば、起こり得ない者もいる。

 

↓ そこで…

 

実務上の判断が必要となってくる(なお、2要件の定義は明文化されていない)

 

 

(3) 判断の組み合わせ

 

 

 

支配下

 

施設管理下

 

業務従事中

 

具体例

 

作業中、作業に伴う合理的行為中、作業の中断中、準備後始末行為中、緊急業務中

 

 

 

 

×

 

休憩中、施設利用中

 

 

 

×

 

 

出張中、通勤途上、(天災地変)

 

 

 

×

 

×

 

運動競技会、宴会、療養中