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労働基準法(7)-4

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3  深夜業 (法61条)                                   重要度 ●● 

 

条文

 


1) 使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない*1。ただし、交替制によって使用する満16歳以上の男性については、この限りでない。(平4記)(平8記)


2) 厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限って、午後11時及び午前6時とすることができる。


3) 交替制によって労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前5時30分から労働させることができる。


4) 前3項の規定は、第33条第1項(災害その他避けることのできない事由により臨時の必要がある場合の時間外・休日労働)の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第1第6号、第7号(農林、畜産、養蚕、水産)若しくは第13号(保健衛生)に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。


5) 第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項(最低年齢の例外)の規定によって使用する児童*2については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする。

 

 

ここをチェック

 

□*1【原則】年少者は、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認めた場合は、地域又は期間を限って午後11時から午前6時まで)の間において使用することができない。

 

↓ ただし…

 


【例外1】交替制で就労する場合

 

 

□交替制によって使用する満16歳以上の男性
*ここでいう「交替制」とは、同一労働者が一定期日ごとに、昼間勤務と夜間勤務とに交替で就く態様をいう(昭23.7.5基発971号)。


□交替制によって労働させる事業において、次の場合であって、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の許可を受けたとき(平5択)
*ここでいう「交替制によって労働させる事業」とは、事業全体として、実働8時間、休憩45分の2交替制(早出勤務と遅出勤務)を採用している場合をいう。


a)「午後10時~午前5時」が深夜となる場合
午後10時からの30分間(午後10時30分まで使用可)

 

 

b)「午後11時~午前6時」が深夜となる場合
午前6時までの30分間(午前5時30分から使用可)

 

 

 

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【例外2】特定の業務に就く場合

 

 

災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合(法33条1項)において、時間外・休日労働をさせる場合(平5択)

 

↓ なお…


公務のために臨時の必要がある場合(法33条3項)において、時間外・休日労働をさせた場合には、年少者の深夜業は認められない(平11.3.31基発168号)。
(平7択)(平12択)(平13択)


□農林、畜産、養蚕、水産(法別表第1第6号・第7号)若しくは保健衛生(法別表第1第13号)の事業又は電話交換の業務(平6択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*2「第56条第2項(最低年齢の例外)の規定によって使用する児童」とは、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の許可を受けて使用する満15歳到達年度末までの間にある者である。

 

↓ この場合…


午後8時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合は、地域又は期間を限って午後9時から午前6時まで)の間は、使用できない。(平16択)

 

↓ なお…


「厚生労働大臣が必要であると認める場合」として、当分の間、「演劇の事業に使用される児童が演技を行う業務に従事する場合」とされている(平16.11.22厚労告407号)。

 

4  危険有害業務の就業制限 (法62条)                   重要度●    

 

条文

 


1) 使用者は、満18歳に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。

 

2) 使用者は、満18歳に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。

 

 

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5  坑内労動の禁止 (法63条)                           重要度●    

 

条文

 


使用者は、満18歳に満たない者を坑内で労働させてはならない。
(平10択)(平15択)

 

 

6  帰郷旅費 (法64条)                                 重要度 ●   

 

条文

 


満18歳に満たない者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない*1。ただし、満18歳に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁の認定を受けたとき*2は、この限りでない。

(平1択)(平5択)(平11択)(平19択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 この場合の「必要な旅費の負担」は、法15条3項(明示された労働条件が事実と相違した場合の労働契約の解除)に伴う「帰郷旅費の負担」と異なり、懲戒解雇に該当しない限り、広く解雇全般について対象となる。

 

↓ なお…

 

□*2 年少者の責めに帰すべき事由による解雇(懲戒解雇)の場合は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けることにより、当該負担は不要となる。

 

↓ また…

 

使用者が、解雇予告の除外認定(法20条3項)を受けたときは、帰郷旅費を負担しないことについて、あらためて帰郷旅費支給の除外認定を受ける必要はない(年少則10条2項)。(平8択)

 

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※テキスト223ページ~226ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません