前のページへ | 次のページへ | 目次へ

労働基準法(6)-14

仮画像

テキスト本文の開始

 

 

 

-----------------(203ページ目ここから)------------------

 

 

8  不利益取扱いの禁止 (法附則136条)                  重要度●    

 

条文

 


使用者は、第39条第1項から第4項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない*1。 (平11択)(平20択)

 

 

ここをチェック

 

□*1「しないようにしなければならない」は、努力義務規定であり、罰則の適用はない。 (平8択)

 

判例チェック

 

◇不利益取扱vs年休権の行使◇

 


□タクシー会社において、「月ごとの勤務割(乗車勤務シフト表)の作成後に年休を取得した場合には皆勤手当を支給しない」旨の就業規則の妥当性について、使用者は、年次休暇を取得した労働者に対し、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないと定める「法附則136条」の効力

 

↓ 具体的には…

 


a) その取得制限に対する規則上の趣旨及び目的の適切さ

 

b) 労働者が失う経済的利益の程度(「皆勤手当」不支給に対する不利益の大きさ)

 

c) 年休取得に対する事実上の抑止力の強弱(その制度の存在による年休が取りづらい環境)等の諸般事情を総合して判断すべき

 

       

↓ 判旨…

 

右手当の支給が代替要員の手配が困難となり自動車の実働率が低下する事態を避ける配慮をした乗務員に対する報奨としてされ、右手当の額も相対的に大きいものではないなどの判示の事情の下においては、年次有給休暇取得の権利の行使を抑制して労働基準法が労働者に右権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものとは認められず、公序に反する無効なものとはいえない(沼津交通事件・平5.6.25最高裁第2小)。

 

 

-----------------(204ページ目ここから)------------------

 

※テキスト204ページ~214ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません