前のページへ | 次のページへ  | 目次へ

労働基準法(3)-17

仮画像

テキスト本文の開始

 

 

 

-----------------(98ページ目ここから)------------------

 

□休業手当に関する通達は、以下のとおりである。

 


該当する

 

□親工場の経営難から下請工場が資材、資金の獲得ができず休業した場合 (昭23.6.11基収1998号)(平22択)

 

□使用者が解雇の予告をすることなく労働者を解雇し、労働者がその解雇を有効であると誤信した場合において、その解雇の意思表示が解雇予告として有効と認められ、かつ、その解雇の意思表示があったために予告期間中労働者が休業した場合における解雇が有効に成立するまでの期間

(昭24.7.27基収1701号)

 

□事業場における一部労働者のストライキに対し、残りの労働者を就業させることが可能であるにもかかわらず、使用者がこれを拒否して休業させた場合(昭24.12.2基収3281号)

 

□新規学卒者のいわゆる採用内定により、当該企業の例年の入社時期を就労の始期とし、一定の事由による解約権を留保した労働契約が成立したとみられる場合において、企業の都合で就労の始期を繰り下げる、いわゆる自宅待機の措置をとる期間(昭63.3.14基発150号)

 

該当しない

 

□法33条2項に基づく代休付与命令による休業(昭23.6.16基収1935号)

 

□使用者の正当な争議行為としての作業所閉鎖による休業の場合(昭23.6.17基収1953号)

 

□労働組合が争議をしたことにより同一事業場における当該労働組合員以外の労働者の一部が労働を提供し得なくなった場合であって、その程度に応じて労働者を休業させる場合(昭24.12.2基収3281号)

 

□労働安全衛生法66条による健康診断の結果に基づいて使用者が休業ないし労働時間の短縮を行った場合(昭63.3.14基発150号)

 

 

advance

 

(1) 解雇無効の判断と賃金の請求権

 


労働基準法等により禁じられた解雇、解雇権の濫用と評価される解雇等によって、解雇が無効と判断された場合、解雇時から解雇無効判決確定時までの期間(解雇期間)中の賃金の取扱いについて、原則的には、使用者には、解雇による労働者の就労不能につき帰責事由があるから、労働者は解雇期間中の賃金請求権を失わない(民法536条2項本文 →判例・通説)。

 

↓ したがって…

 

被解雇者は、解雇期間につき平均賃金の60/100以上の休業手当相当額が保障される。

 

 

(2) 計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の休業手当の取扱い

(平23.3.15基監発0315第1号) 

前年改正

 


1) 計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないこと。

 

2) 計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として法26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すること。ただし、計画停電が実施される日において、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて休業とする場合であって、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないこと。

 

-----------------(99ページ目ここから)------------------

 

3) 計画停電が予定されていたため休業としたが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ、上記1)及び2)に基づき判断すること。

 

 

2  出来高払制の保障給 (法27条)                       重要度●●  

 

条文

 


出来高払制その他の請負制*1で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ*2一定額の賃金の保障をしなければならない*3。(平10記)

 

 

ここをチェック

 

□*1「出来高払制」とは、労働者がした仕事量によって報酬額が決まるものをいう。

 

↓ このとき…

 

長時間拘束されたにもかかわらず、仕事量が少なかったことを理由として不当に低額の賃金しか支払われないような事態が起こりかねない。

 

↓ そこで…

 

□*2 労働者が労働した場合には、出来高がなくても、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。(平3択)

 

↓ なお…

 


a) 労働者が就業しなかった場合には、本条の保障給を支払う義務はない。(平16択)

 

b) 使用者の責に帰すべき事由によって休業した場合は、就業していないため本条の保障給を支払う必要はないが、休業手当を支払う必要はある。(平13択)

 

 

□*3「一定額の賃金」とは、本条の趣旨が、労働者の最低生活を保障することにあることから、通常の実収賃金と余りへだたらない程度の収入が保障されるよう保障給の額を定めるべきである(昭63.3.14基発150号)。(平17択)

 

↓ そこで…

 

1時間当たり、過去3か月間に支払った賃金の総額をその期間の総労働時間数で除した金額の6O%程度を保障することとされている。(平17択)

 

advance

 

□賃金構成からみて固定給の部分が賃金総額中の大半(おおむね6割以上)を占めている場合には、本条の「請負制で使用する」場合に該当しないと解される(昭63.3.14基発150号)。

 

参考条文

 

◆最低賃金 (法28条)

 


賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる。

 

 

-----------------(100ページ目ここから)------------------

 

※テキスト100ページ~104ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません