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労働基準法(3)-10

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原則

 

賃金は、「直接」労働者に支払わなければならない。

 

例外

 

イ) 通貨払の例外ハ)の場合(平5択)(平6択)

 

ロ) 使者に対して支払う場合*4

 


□労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは、いずれも法24条違反となり、労働者が第三者に賃金受領権限を与えようとする委任、代理等の法律行為は無効である(昭63.3.14基発150号)。
(平9択)(平20択)(平21択)

 

 

ハ) 国税徴収法又は民事執行法に基づいて差し押さえられた場合、法律の範囲内(賃金債権の1/4が限度とされる)で労働者以外の者に支払うことは禁止されていない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*4 派遣中の労働者の賃金を派遣先の使用者を通じて支払うことについては、派遣先の使用者が派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、直接払の原則には違反しない(昭61.6.6基発333号)。(平3択)

 

判例チェック

 

◇直接払の原則vs債権譲渡◇

 


□労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても、その支払についてはなお法24条が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならない。

 

↓ したがって…

 

賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されない(小倉電話局事件・昭43.3.12最高裁第3小ほか)。(平21択)