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労働基準法(3)-3

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ちょっとアドバイス

 

(1) 解雇予告の効力

 

□使用者が行った解雇の予告は、一般的には取り消すことができないが、労働者が具体的事情の下に自由な判断によって同意を与えた場合には、取り消すことができる(昭33.2.13基発90号)。(平12択)

 

↓ なお…

 

解雇の予告の取消しに対して、労働者の同意がない場合であっても、自己退職の問題は生じない(昭33.2.13基発90号)。(平16択)

 

↓ つまり…

 

この場合の退職事由は、あくまでも「解雇」となる。

 

労働契約が労働基準法に違反して無効である場合であっても、事実上の労働関係が成立していると認められる限り、本条は適用される。

 

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↓ したがって…

 

法56条の最低年齢の規定に違反する労働契約の下に就労している児童については解雇の予告による違法状態の継続を認めない建前から、使用者は、当該児童に対し解雇予告手当を支払い当該児童を即時に解雇しなければならない。(平17択)

 

 

(2) 解雇予告の例外

 

□解雇予告の除外事由に該当するときは、使用者は、労働者を解雇するにあたり、解雇予告及び予告手当の支払が不要となる(第1項但し書)。

 


天災事変

 

労働者の責

 

 

天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合

 

労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合(平7択)

 

 

行政官庁の認定が必要(3項)

 

       

↓ なお…

 

□天災事変等についての認定事由及び認定基準は、解雇制限の解除の場合と同様である。

(平4択)(平8択)(平21択)

 

□法19条の解雇制限期間中の労働者については、たとえ労働者の責に帰すべき事由と判定されるものがあったとしても、その解雇制限期間中に解雇してはならない(昭24.11.11基収3806号)。(平5択)

 

□「労働者の責に帰すべき事由」は、就業規則等に規定されている懲戒解雇事由に拘束されることはない(昭31.3.1基発111号)。

 


(例)労働者の責に帰すべき事由に該当する場合

 

a) 原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為のあった場合

 

b) 賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合

 

c) 雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合

 

d) 他の事業場へ転職した場合

 

e) 原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合

 

f) 出勤不良又は出欠常ならず、数回にわたって注意を受けても改めない場合