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厚生年金保険法(7)-5

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テキスト本文の開始

 

 

 

 

5  保険料の源泉控除 (法84条)                         重要度 ●   

 

条文

 


1) 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所又は船舶に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。
(平1択)(平3択)(平13択)(平15択)(平20択)(平22択)


2) 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。


3) 事業主は、前2項の規定によって保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。

(平4択)

 

 

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6  保険料の繰上徴収その他の徴収(法85条~法85条の3) 重要度 ●   

 

条文

 

(1) 保険料の繰上徴収 (法85条)

 


保険料は、次に掲げる場合においては、納期前であっても、すべて徴収することができる。(平16択)(平22択)(平2記)

 


イ) 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合

 


a) 国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき。


b) 強制執行を受けるとき。


c) 破産手続開始の決定を受けたとき。


d) 企業担保権の実行手続の開始があったとき。


e) 競売の開始があったとき。

 

 

ロ) 法人たる納付義務者が、解散をした場合(平1択)

 

 

ハ) 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

 

 

ニ) 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合

(平18択)

 

 

(2) 企業年金連合会の解散に伴う責任準備金相当額の徴収 (法85条の2)

 


政府は、企業年金連合会が解散したときは、その解散した日において当該企業年金連合会が年金たる給付の支給に関する義務を負っている者に係る政令の定めるところにより算出した責任準備金に相当する額を当該解散した企業年金連合会から徴収する。

 

 

(3) 第1号改定者等の標準報酬の改定に伴う現価相当額の徴収 (法85条の3)

 


政府は、標準報酬改定請求(合意分割請求)又は3号分割標準報酬改定請求(3号分割請求)の規定により第1号改定者又は特定被保険者の標準報酬の改定が行われたときは、当該第1号改定者又は特定被保険者の加入員であった期間に係る老齢年金給付の現価に相当する金額の一部であって当該改定に係るものとして政令で定める額を当該老齢年金給付の支給に関する義務を負っている厚生年金基金又は企業年金連合会から徴収する。

 

 

7  保険料等の督促及び滞納処分 (法86条)               重要度 ●   

 

条文

 


1) 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、第85条(保険料の繰上徴収)の規定により保険料を徴収するときは、督促する必要はない。 (平12択)(平16択)


2) 前項の規定によって督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。

 

 

 

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3) 前項の規定による督促状は、納付義務者が、健康保険法第180条の規定によって督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。


4) 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。ただし、保険料の繰上徴収の一に該当する場合は、この限りでない。(平12択)


5) 厚生労働大臣は、納付義務者が次の一に該当する場合においては、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法252条の19第1項の指定都市にあっては、区とする)に対して、その処分を請求することができる

 


イ) 督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないとき。(平9択)

 

 

ロ) 保険料の繰上徴収の一に該当したことにより納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。

 

 

6) 市町村は、前項の規定による処分の請求を受けたときは、市町村税の例によってこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。

(平12択)(平21択)

 

 

8  延滞金 (法87条)                                   重要度 ●● 

 

条文

 


1) 前条第2項の規定によって督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6%(当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3%(当分の間軽減措置あり*1))の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。 (平3択)(平12択)(平14択)(平21択)


6) 第40条の2(不正利得の徴収)、第85条の2(企業年金連合会の解散に伴う責任準備金相当額の徴収)及び第85条の3(第1号改定者等の標準報酬の改定に伴う現価相当額の徴収)の規定による徴収金は、前各項の規定の適用については、保険料とみなす。この場合において、「年14.6%(当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3%)」とあるのは、「年14.6%」とする。

 

 

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□*1 延滞金の割合の特例 (法附則17条の14)

 


延滞金の年7.3%の割合は、当分の間、各年の特例基準割合(各年の前年の11月30日を経過する時における日本銀行法の規定により定められる商業手形の基準割引率に年4%の割合を加算した割合をいう)が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、当該特例基準割合(当該特例基準割合に0.1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる)とする。

 

 

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ここをチェック

 

□延滞金の計算については、次のとおりとなる。

 


イ) 次のいずれかに該当する場合(1項ただし書き、4項)


a) 保険料額が1,000円未満であるとき


b) 納期を繰り上げて徴収するとき


c) 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によって督促したとき(平18択)


d) 滞納につきやむを得ない事情があると認められるとき


e) 督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき


f) 延滞金の額が100円未満であるとき

 

徴収しない

 

ロ) 保険料額の一部につき納付があったときであって、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる保険料について(2項)

 

その納付のあった保険料額を控除した金額を算定の基礎とする

 

ハ) 保険料額に1,000円未満の端数があるとき(3項)
(平16択)

 

その端数は、切り捨てる

 

ニ) 延滞金の金額に100円未満の端数があるとき(5項)
(平7択)(平12択)(平16択)(平21択)

 

その端数は、切り捨てる

 

9  先取特権の順位等 (法88条、法89条)                重要度 ●   

 

条文

 

(1) 先取特権の順位 (法88条)

 


保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。(平6択)(平22択)

 

 

(2) 徴収に関する通則 (法89条)

 


保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の規定があるものを除き、国税徴収の例により徴収する。(平22択)

 

 

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※テキスト260ページ~270ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません