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厚生年金保険法(4)-6

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テキスト本文の開始

 

 

 

(3) 事後精算による支給停止期間の解除 (3項)

 

条文

 


調整対象期間の各月のうち、老齢厚生年金の支給が停止された月(以下「年金停止月」という)の数から当該老齢厚生年金の受給権者が基本手当の支給を受けた日とみなされる日の数を30で除して得た数(1未満の端数が生じたときは、これを1に切り上げるものとする)を控除して得た数が1以上であるときは、年金停止月のうち、当該控除して得た数に相当する月数分の直近の各月については、老齢厚生年金の支給停止が行われなかったものとみなす。(平15択)

 

 

advance

 

□「支給繰上げの老齢厚生年金」の受給権を取得したときは、当該受給権を取得した月の翌月から調整対象期間の各月において、当該老齢厚生年金の支給を停止する(法附則7条の4第4項)。(平18択)


↓ なお…


障害又は死亡を支給事由とする年金給付支給繰上げの老齢基礎年金については、調整対象とならない。

 

9  高年齢雇用継続給付(雇用保険法)との調整
(法附則11条の6第1項、平6法附則26条14項ほか)          重要度 ●   

 

条文

 


60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である日が属する月について、その者が高年齢雇用継続給付の支給を受けることができるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、次に掲げる場合に応じ、それぞれ当該老齢厚生年金につき在職老齢年金の規定による支給停止基準額と当該定める額に12を乗じて得た額(「調整額」という)との合計額(以下「調整後の支給停止基準額」という)に相当する部分の支給を停止する。(平11択)(平13択)(平19択)

 

 

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ただし、調整後の支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする。

 


イ) 受給権者に係る標準報酬月額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額(「みなし賃金月額」という)の100分の61に相当する額未満であるとき

 

当該受給権者に係る標準報酬月額に100分の6を乗じて得た額(平22選)

 

ロ) 受給権者に係る標準報酬月額が、みなし賃金月額の100分の61に相当する額以上100分の75に相当する額未満であるとき

 

 

当該受給権者に係る標準報酬月額に、みなし賃金月額に対する当該受給権者に係る標準報酬月額の割合が逓増する程度に応じ、100分の6から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率を乗じて得た額

 

 

ハ) イ又はロの額に6分の15を乗じて得た額に受給権者に係る標準報酬月額を加えた額が支給限度額(344,209円)を超えるとき

 

支給限度額(344,209円)から当該標準報酬月額を減じて得た額に15分の6を乗じて得た額

 

ここで具体例!

 


 

a)「高年齢雇用継続給付の額」は、18万円×15%=27,000円(支給される額


b)「調整額」は、18万円×6%=10,800円(支給停止される額
*なお、年金の基本月額が10万円を超える場合(標準報酬月額+基本月額>28万円)は、在職老齢年金の規定による支給停止もあり得る。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□「被保険者である日が属する月」とは、被保険者(前月以前の月に属する月から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る)である日又はこれに相当するものとして政令で定める日が属する月をいう。

 

□平成10年4月1日前に老齢厚生年金の受給権を取得した者(昭和13年4月1日以前に生まれた者)については、調整は行われない(平成10年3月までは、こうした調整がなかったから)。

 

◆調整しない場合 (法附則11条の6第6項)


□次のいずれかに該当するときは、適用しない(支給停止しない)。(平16択)

 


a) 当該老齢厚生年金の受給権者に係る標準報酬月額がみなし賃金月額の100分の75に相当する額以上であるとき。


b) 当該老齢厚生年金の受給権者に係る標準報酬月額が支給限度額(344,209円)以上であるとき。