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厚生年金保険法(2)-14

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テキスト本文の開始

 

 

 

ちょっとアドバイス

 


平成15年4月から導入された「総報酬制」(賞与を含めたすべての報酬から保険料を徴収する制度)により、標準賞与額を年金額の算定基礎額に算入することとなったため、標準報酬等の平均額と給付乗率に関し、制度導入の前後の期間について区別して計算することとされた。


↓ そこで…


a) 平成15年3月までの期間に適用される「7.125/1,000」と


b) 平成15年4月以降の期間に適用される「5.481/1,000」との関係は?


↓ そもそも…


このとき、「総報酬制」は導入されたが、年金額の給付水準の見直し(年金額の引上げや引下げ)が行われたわけではなかったため、年金額の算定基礎額が増加する分だけ給付乗率を引き下げることによる「給付水準の現状維持」の措置が必要となった。

 


例えば、標準報酬月額100賞与平均25が加算されて平均標準報酬額125とした場合
(導入前)算定基礎額100×給付乗率10=1,000のところ、
(導入後)算定基礎額125×給付乗率「8」=1,000となるような調整措置が必要となった。
*報酬月額平均100(1)に対して賞与平均30(0.3)と試算され、7.125÷1.3=「5.481」と設定された。

 

 

↓ さらに…


改正前の年金額を保障するため、後述する「従前額保障」や「物価スライド特例措置」の制度が設けられている。これは、年金額計算に用いられる給付乗率の変更改定等によって既に受給を始めている者の急激な年金額の低下を防ぎ、また、支給開始時期によって受給額に大きな損得が生じないようにこれまで適用されていた給付乗率に基づいた支給額との比較の措置がとられている。

 

 

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4  報酬比例部分の年金額-2 (退職時改定・法43条2項・3項)   重要度 ●●  

 

条文

 


2) 老齢厚生年金の額については、受給権者がその権利を取得した月以後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としない。


3) 被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過したときは、前項の規定にかかわらず、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日から起算して1月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する。

<退職時改定>(平3択)(平5択) (平6択)(平8択)(平11択)

(平16択)(平20択)(平23択)

 

 

ここで具体例!

 

◆計算の基礎となる期間と退職時改定の時期