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厚生年金保険法(7)-16

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3  連合会の行う業務 (法159条~法163条)              重要度 ●   

 

条文

 

(1) 連合会の業務 (法159条)

 


1) 連合会は、老齢年金給付の支給に関する義務を承継している中途脱退者及び解散基金加入員に対し老齢年金給付の支給を行うほか、一時金たる給付の支給を行うものとする。


2) 連合会は、前項に規定する業務のほか、残余財産の交付を受け、解散基金加入員について、死亡又は障害を支給理由とする年金たる給付又は一時金たる給付を行うことができる。


3) 連合会は、第165条第1項(連合会から基金への権利義務の移転)、第165条の2第1項(連合会から確定給付企業年金への年金給付等積立金の移換)又は第165条の3第1項(連合会から確定拠出年金への年金給付等積立金の移換)の規定による申出に基づき、基金、確定給付企業年金の資産管理運用機関等(確定給付企業年金法に規定する資産管理運用機関等をいう)又は企業型年金の資産管理機関若しくは国民年金基金連合会に年金給付等積立金を移換することができる。


4) 連合会は、次の事業を行うことができる。ただし、a)に掲げる事業を行う場合には、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 

 

 

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a) 解散基金加入員に支給する老齢年金給付につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、老齢年金給付の額を付加する事業

 

 

b) 会員の行う事業の健全な発展を図るために必要な事業であって政令で定めるもの

 

 

5) 連合会は、基金の加入員及び加入員であった者並びに年金制度の加入者及び加入者であった者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。


6) 連合会は、第130条第5項(基金の業務)の規定による委託を受けて、基金の業務の一部を行うことができる


7) 連合会は、その業務の一部を、政令で定めるところにより、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会その他の法人に委託することができる。

 

 

(2) 年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関する契約 (法159条の2)

 


1) 連合会は、年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関して、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社若しくは農業協同組合連合会と信託、保険若しくは共済の契約を締結し、又は金融商品取引業者と投資一任契約を締結するときは、政令で定めるところによらなければならない。


2) 連合会は、前項に規定する投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る年金給付等積立金について、政令の定めるところにより、信託会社又は信託業務を営む金融機関と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない。


3) 信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、前2項に規定する契約の締結を拒絶してはならない。

 

 

(3) 中途脱退者に係る措置 (法160条)

 


1) 基金は、政令で定めるところにより、連合会に申し出て、中途脱退者の当該基金の加入員であった期間に係る老齢年金給付の支給に関する義務を移転することができる。(平5択)(平8択)(平12択)(平14択)


2) 連合会は、前項の規定により義務の移転の申出があったときは、これを拒絶してはならない。(平12択)


3) 第1項の規定により義務の移転を行なう場合には、基金は、連合会に対し、当該中途脱退者の加入員であった期間に係る老齢年金給付の現価に相当する金額(以下「現価相当額」という)を交付しなければならない。(平14択)


4) 前項の規定により交付すべき現価相当額の計算については、政令で定める。


5) 連合会は、第3項の規定により現価相当額の交付を受けたときは、当該老齢年金給付の支給に関する義務を承継するものとする。


6) 連合会は、前項の規定により中途脱退者に係る老齢年金給付の支給に関する義務を承継したときは、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。


7) 連合会は、中途脱退者の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、同項の通知に代えて、その通知すべき事項を公告しなければならない。

 

 

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(4) 解散基金加入員に係る措置 (法161条)

 


1) 連合会は、基金が解散したときは、解散基金加入員に係る責任準備金に相当する額を当該解散した基金から徴収する。


2) 解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を取得したとき又は基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を有していたときは、連合会は、当該解散基金加入員に老齢年金給付を支給するものとする。

 

 

(5) 裁定 (法163条)

 


連合会が支給する年金たる給付及び一時金たる給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、連合会が裁定する。

 

 

4  連合会の解散 (法166条~法168条)                  重要度 ●   

 

条文

 

(1) 解散 (法166条)

 


1) 連合会は、次に掲げる理由により解散する。

 


a) 評議員の定数の4分の3以上の多数による評議員会の議決

 

 

b) 厚生労働大臣による解散の命令

 

 

2) 連合会は、a)に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 

 

↓ なお…


(2) 清算人(法168条)

 


1) 上記a)の規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、評議員会において他人を選任したときは、この限りでない。


2) 上記b)の規定により解散したときは、厚生労働大臣が清算人を選任する。

 

 

(3) 連合会の解散による年金たる給付等の支給に関する義務等の消滅 (法167条)

 


連合会は、解散したときは、中途脱退者及び第147条第4項(解散基金の残余財産)に規定する者に係る年金たる給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を免れる。ただし、解散した日までに支給すべきであった年金たる給付若しくは一時金たる給付でまだ支給していないものの支給又は解散した日までに移換すべきであった年金給付等積立金でまだ移換していないものの移換に関する義務については、この限りでない。

 

 

 

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第9節 雑則

 

1  雑則 (法169条~法179条)                          重要度 ●   

 

条文

 

(1) 不服申立て等

 


【不服申立て】(法169条)

 

 

標準給与若しくは年金たる給付若しくは一時金たる給付に関する処分又は掛金その他この章の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分若しくは保険料等の督促及び滞納処分に不服がある者については、第7章(不服申立て)の規定を準用する。

 

 

【時効】(法170条)

 

 

1) 掛金その他この章の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、2年を経過したとき、年金たる給付及び一時金たる給付を受ける権利は、5年を経過したときは、時効によって、消滅する。


2) 年金たる給付を受ける権利の時効は、当該年金がその全額につき支給を停止されている間は、進行しない。


3) 掛金その他この章の規定による徴収金の納入の告知又は保険料等の督促は、民法第153条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。

 

 

【戸籍事項の無料証明】(法172条)

 

 

市町村長は、基金、連合会又は年金たる給付若しくは一時金たる給付の受給権を有する者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、加入員、加入員であった者又は年金たる給付若しくは一時金たる給付の受給権を有する者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

 

 

【書類等の提出】(法173条)

 

 

基金又は連合会は、必要があると認めるときは、年金たる給付又は一時金たる給付の受給権を有する者に対して、障害の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。

 

 

【情報の提供】(法173条の2)

 

 

厚生労働大臣は、基金又は連合会に対し、老齢年金給付に関して必要な情報の提供を行うものとする。

 

 

【報告の徴収等】(法178条1項)

 

 

厚生労働大臣は、基金又は連合会について、必要があると認めるときは、その事業の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして基金若しくは連合会の事務所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。

 

 

(2) 指定基金による健全化計画の作成 (法178条の2)

 


1) 年金給付等積立金の額が政令で定める額を著しく下回る基金であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(以下この条において「指定基金」という)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下この条において「健全化計画」という)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない*1。これを変更しようとするときも、同様とする。

 

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2) 前項の承認を受けた指定基金は、当該承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならない。


3) 厚生労働大臣は、第1項の承認を受けた指定基金の事業及び年金給付等積立金の状況により、その健全化計画を変更する必要があると認めるときは、当該指定基金に対し、期限を定めて、当該健全化計画の変更を求めることができる。

 

 

(3)*1 指定基金の要件 (基金令55条の5) 

 

改正

 


1) 法第178条の2第1項の政令で定める額は、第39条の3第1項の最低積立基準額とする。
2) 法第178条の2第1項の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。

 


a) 直近3年間に終了した各事業年度の末日において、年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の9を乗じて得た額を下回っていること。(平17択)(平22択)

 

 

b) 直近に終了した事業年度の末日における年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の8を乗じて得た額を下回っていること。

 


(4) 基金等に対する監督 (法179条)

 


1) 厚生労働大臣は、第178条の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、基金若しくは連合会の事業の管理若しくは執行が法令、規約、若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、基金若しくは連合会の事業の管理若しくは執行が著しく適正を欠くと認めるとき、又は基金若しくは連合会の役員がその事業の管理若しくは執行を明らかに怠っていると認めるときは、期間を定めて、基金若しくは連合会又はその役員に対し、その事業の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。


2) 厚生労働大臣は、基金又は連合会の事業の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、期間を定めて、当該基金又は連合会に対し、その規約の変更を命ずることができる。


3) 基金若しくは連合会若しくはその役員が第1項の命令に違反したとき、又は基金若しくは連合会が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、当該基金又は連合会に対し、期間を定めて、当該違反に係る役員の全部又は一部の改任を命ずることができる。


4) 基金又は連合会が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、同項の命令に係る役員を改任することができる。


5) 厚生労働大臣は、基金が次のいずれかに該当するときは当該基金の解散を命ずることができる。

 


a) 第1項の規定による命令に違反したとき。

 

 

b) 前条第2項(健全化計画に従った事業運営)の規定に違反したとき。

 

 

c) 前条第3項(健全化計画の変更)の求めに応じないとき。

 

 

d) その事業の状況によりその事業の継続が困難であると認めるとき。

 

 

6) 連合会が第1項の規定による命令に違反したとき、又はその事業の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、連合会の解散を命ずることができる。 (平13択)

 

 

 

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※テキスト322ページ~335ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません