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第7節 年金額の改定等
1 改定率の改定等-1 (原則・法27条の2) 重要度 ●
年金受給者が安心した生活を送ることができるだけの年金額を保障することは必要であるが、一方で、急速な少子高齢化の進行により、現役世代の保険料負担は今後ますます過重なものとなることは避けられない。
↓ 当然のことながら…
年金制度の仕組みとして「世代間扶養」を原則とするのであれば、現役世代の保険料負担能力を無視して給付水準を保障し続けることはできない!
↓ そこで…
◆平成16年度改正において…
イ) 従来5年ごとに行われていた法定額改定(従来型の政策改定)は廃止された(改正前は、年金給付水準も保険料水準も5年を区切りとして流動的に改正されていた)。
ロ) いわゆる完全自動物価スライド制の仕組みは廃止された(改正前は、現役世代の名目賃金(真の生活水準)が上昇していない場合であっても、年平均の物価指数が上昇すると、毎年度の年金給付水準が上方改定されていた)。
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↓ そして…
これに代わる年金額の見直し方法として、現役世代の生活水準を重点的に評価し、年金受給者の支給水準もこれに併せて決定される仕組みが導入された(「改定率の改定」という)。
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(1) 原則的な改定率の改定基準
1) 平成16年度における改定率は、1とする。
2) 改定率については、毎年度、物価変動率に3年前の年度の実質賃金変動率及び
3年前の年度の可処分所得割合変化率を乗じて得た率(以下「名目手取り賃金変動率」という)を基準として改定し、当該年度の4月以降の年金たる給付について適用する。
【改定率の改定基準】=名目手取り賃金変動率(前年の物価変動率×3年前の年度の実質賃金変動率×3年前の年度の可処分所得割合変化率)
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□「物価変動率」とは、当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数(総務省において作成する年平均の「全国消費者物価指数」をいう)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率をいう。