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国民年金法(4)-4

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3  基準障害による障害基礎年金 (法30条の3)           重要度 ●   

 

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◆原則的な考え方

 


前発の傷病Aについては、障害基礎年金の支給要件を満たさなかった。


↓ また…


後発の軽度な傷病Bについても、障害等級は認められなかった。


↓ しかし…


発症時期の異なる複数の障害状態aとbを総合的に判断したとき、障害等級に該当する程度の障害状態が認められる場合がある。

 

 

↓ 受給権発生の条件として…


□後発傷病B(基準傷病)について、支給3要件(初診日要件、障害認定日要件、保険料納付要件)を満たすことが必要である(前発傷病Aについては問われない)。

 


a) 受給権は、3要件を満たせば法律上当然に発生する(事後重症の障害基礎年金と異なる

 

b) 65歳到達日以後に裁定請求することもできるが、支給開始は、あくまでも「請求月の翌月分」からとなる(遡及して受給できない点で法30条1項の規定による障害基礎年金(以下、本書において「本来支給の障害基礎年金」という)と異なる)。

 

 

条文

 


1) 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下「基準傷病」という)に係る初診日において第30条第1項イ、ロのいずれかに該当した者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下「基準障害」という)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する*1。(平18択)


2) 第30条第1項ただし書(保険料納付要件)の規定は、前項の基準傷病に準用する。(平18択)


3) 第1項の障害基礎年金の支給は、当該障害基礎年金の請求があった月の翌月から始めるものとする。(平1択)(平20択)

 

 

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ちょっとアドバイス

 

□*1「基準障害と他の障害とを併合した障害の程度」の判断は、基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限り認められる。

 

□支給繰上げの老齢基礎年金の受給権者には、基準障害による障害基礎年金は支給されない(法附則9条の2の3)。