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健康保険法(6)-7

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テキスト本文の開始

 

 

 

条文

 


【国庫負担 (法151条)】
国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに介護納付金の納付に関する事務を含む)の執行に要する費用を負担する。

(平18択)(平20択)(平6記)(平23選)

 

 

【健康保険組合に対する国庫負担金 (法152条)】


1) 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する*1。
(平11択)(平13択)(平18択)(平20択)(平23選)


2) 前項の国庫負担金については、概算払をすることができる。(平23選)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「被扶養者数」は、国庫負担金の算定の基準には入らない。(平6択)

 

2  国庫補助 (法153条~法154条の2)                  重要度 ●●●


(1) 保険給付費に係る国庫補助の原則 (法153条1項)

 

条文

 


国庫は、第151条(国庫負担)に規定する費用のほか、協会が管掌する健康保険の事業の執行に要する費用のうち、被保険者に係る療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、出産手当金、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用(療養の給付については、一部負担金に相当する額を控除するものとする)の額並びに高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金(以下「前期高齢者納付金」という)の納付に要する費用の額に給付費割合(同法第34条第1項第1号及び第2号に掲げる額の合計額に対する同項第1号に掲げる額の割合をいう、以下この条及び次条において同じ)を乗じて得た額の合算額(同法の規定による前期高齢者交付金(以下「前期高齢者交付金」という)がある場合には、当該合算額から当該前期高齢者交付金の額に給付費割合を乗じて得た額を控除した額)に1,000分の164から1,000分の200までの範囲内において政令で定める割合を乗じて得た額を補助する。(平6択)(平18択)

 


【イ)とロ)の合算額】


イ) 死亡・出産に係る一時金給付を除く主要な保険給付費


ロ) 前期高齢者納付金に要する費用の額×給付費割合
*「前期高齢者交付金」がある場合には、(当該交付金の額×給付費割合)を控除した場合の前期高齢者納付金となる。

 

 

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ここをチェック

 

□「政令で定める割合」は、国庫補助の経過措置により当分の間、1,000分の130(国庫補助の特例により、平成22年度から平成24年度までの間は、1,000分の164)とされている(法附則5条、法附則5条の2)。

前年改正

(平8択)(平11択)(平14択)(平16択)(平19択)(平20択)(平6記)

 

□「健康保険事業の執行に要する費用」のうち、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料、埋葬に要した費用及び家族埋葬料の支給に要する費用(死亡・出産に係る一時金給付)については、国庫補助の対象とならない。(平18択)

 

ちょっとアドバイス

 

◆前期高齢者納付金と前期高齢者交付金

 


医療保険者間において前期高齢者(65歳以上75歳未満)に係る医療費に不均衡が生じていることから、これを調整するため平成20年度から実施されている。
前期高齢者医療費に関する財政調整(保険者間の費用負担の調整)の仕組みは、次のとおりである。

 


a) いずれの保険者も同じ前期高齢者加入率と仮定した上で、前期高齢者医療給付費を調整するものであり、全国平均の前期高齢者加入率(12%)を基準とし、前期高齢者加入率が全保険者平均を下回る場合は、「前期高齢者納付金」を納付することとなる(協会けんぽ、健康保険組合及び共済組合)。

 

 

b) 前期高齢者加入率が全保険者平均を上回る場合は、「前期高齢者交付金」が交付されることとなる(市町村国保)。

 


(2) 納付金、支援金、拠出金等に係る国庫補助 (法153条2項)

 

条文

 


国庫は、第151条及び前項に規定する費用のほか、協会が拠出すべき前期高齢者納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く)及び高齢者の医療の確保に関する法律の規定による後期高齢者支援金(日雇特例被保険者に係るものを除く)並びに介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く)の納付に要する費用の額の合算額(当該前期高齢者納付金の額に給付費割合を乗じて得た額を除き、前期高齢者交付金がある場合には、当該前期高齢者交付金の額から当該額に給付費割合を乗じて得た額を控除して得た額を当該合算額から控除した額)に同項の政令で定める割合を乗じて得た額を補助する。
(平11択)(平14択)(平18択)(平6記)

 


【イ)~ハ)の合算額】


イ) 前期高齢者納付金(前期高齢者納付金×給付費割合の部分を除く)
*「前期高齢者交付金」がある場合には、「当該交付金の額-(当該交付金の額×給付費割合)」を控除した場合の前期高齢者納付金となる。


ロ) 後期高齢者支援金


ハ) 介護納付金

 

 

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ここをチェック

 

□「政令で定める割合」は、国庫補助の経過措置により、当分の間、1,000分の164とされている(法附則5条)。(平16択)(平20択)(平6記)

 

advance

 

□高齢者の医療の確保に関する法律附則第2条に規定する政令で定める日までの間、高齢者医療確保法による病床転換支援金(日雇特例被保険者に係るものを除く)についても国庫負担や国庫補助が行われている(法附則4条の4)。

 


*経過的な措置として、日雇特例被保険者に係るもの、国民健康保険法に係る退職者給付拠出金についても同様である。