テキスト本文の開始
-----------------(174ページ目ここから)------------------
第3節 死亡・出産に関する保険給付
1 埋葬料 (法100条、令35条) 重要度 ●●●
(1) 埋葬料 (1項)
被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額(5万円)を支給する。
(平2択)(平4択)(平9択)(平18択)(平19択)(平23択)
|
◆通達による判断基準
「生計を維持していた者」とは、被保険者により生計の全部又は大部分を維持していた者に限らず、生計の一部分を維持していた者も含む(昭8.8.7保発502号)。(平21択)
|
「生計を維持していた者」とは、被保険者の死亡の当時その者の収入により生計を維持していた者をいい、死亡者の収入により生計を維持していた事実をもって足り、必ずしも民法上の親族又は遺族であることを要しない。また、被保険者が世帯主であることも、被保険者と同一世帯にあったか否かも問われない(昭7.4.25保規129号)。(平11択)
|
「埋葬を行うもの」とは、埋葬の事実のいかんに関わらず、埋葬を行うべきものをいい、現実に埋葬を行うもの又は行ったものではない(昭2.7.14保理2788号)。
|
(2) 埋葬費 (2項)
埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、埋葬料の金額(5万円)の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。 (平5択)(平14択)(平15択)(平16択)(平23択)
|
◆通達による判断基準
「埋葬を行った者」の中には、その被保険者により全然生計を維持していなかった子、父母又は兄弟姉妹等であって現に埋葬を行ったものが、当然含まれることとなる(昭26.6.28保文発162号)。(平15択)
|
「埋葬に要した費用」には、霊柩代、霊柩車代、火葬料、僧侶への謝礼、祭壇一式料などが含まれるが、葬式の際の飲食代、香典返しなどの費用は含まれない(昭2.2.28保理765号、昭2.4.18保発925号)。(平11択)
|
-----------------(175ページ目ここから)------------------
2 出産育児一時金 (法101条、令36条) 重要度 ●●●
(1) 支給要件
前年改正
被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額(39万円)を支給する。
(平5択)(平7択)(平8択)(平9択)(平21択)(平1記)(平10記)
|
◆通達による判断基準
妊娠4か月以上の出産については、生産、死産、流産(人工流産を含む)又は早産を問わず、出産に関する保険給付が支給される(昭27.6.16保文発2427号)。
(平4択)(平7択)(平9択)(平11択)(平15択)(平17択)(平21択)
|
双児等の出産の場合は、胎盤数にかかわらず1産児排出を1出産と認め、胎児数に応じて出産育児一時金を支給する(昭16.7.23社発991号)。
(平2択)(平9択)(平11択)(平15択)(平19択)(平21択)
|
出産に関する給付の目的は、主として母体を保護することにあるので、父の不明な子(いわゆる私生児)の出産の場合でも給付する(昭2.3.17保理792号)。
(平21択)
|
「妊娠4か月以上」とは、1月を28日とし、4か月目に入った日以降のことであり、妊娠85日以上のことをいう(昭3.4.10保理644号)。
|
(2) 加算金 (令36条ただし書き)
病院、診療所、助産所その他の者であって、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものによる医学的管理の下における出産であると保険者が認めるときは、39万円に、イ)に規定する保険契約に関し被保険者が追加的に必要となる費用の額を基準として、3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額(3万円)を加算した金額とする。
イ) 当該病院、診療所、助産所その他の者による医学的管理の下における出産について、特定出産事故(出産(厚生労働省令で定める基準に該当する出産に限る)に係る事故(厚生労働省令で定める事由により発生したものを除く)のうち、出生した者が当該事故により脳性麻痺にかかり、厚生労働省令で定める程度の障害の状態となったものをいう、ロにおいて同じ)が発生した場合において、当該出生した者の養育に係る経済的負担の軽減を図るための補償金の支払に要する費用の支出に備えるための保険契約であって厚生労働省令で定める要件に該当するものが締結されていること。
|
ロ) 出産に係る医療の安全を確保し、当該医療の質の向上を図るため、厚生労働省令で定めるところにより、特定出産事故に関する情報の収集、整理、分析及び提供の適正かつ確実な実施のための措置を講じていること。
|
|