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健康保険法(3)-7

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テキスト本文の開始

 

 

 

(3) 一部負担金の額の特例 (法75条の2)

 

条文

 


1) 保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。(平19択)(平23択)

 


イ) 一部負担金を減額すること。

 

 

ロ) 一部負担金の支払を免除すること。

 

 

ハ) 保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。(平20択)

 

 

2) 前項の措置を受けた被保険者は、法74条1項の規定にかかわらず、前項イの措置を受けた被保険者にあってはその減額された一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うをもって足り、同項ロ又はハの措置を受けた被保険者にあっては一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うことを要しない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□「厚生労働省令で定める特別の事情」は、被保険者が、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこととする(則56条の2)。

 

(4) 療養の給付に関する費用 (法76条)

 

条文

 


1) 保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関又は保険薬局に支払うものとし、保険医療機関又は保険薬局が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用(「診療報酬」という)の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者が当該保険医療機関又は保険薬局に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。

 

 

 

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2) 療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。


3) 保険者は、厚生労働大臣の認可を受けて、保険医療機関又は保険薬局との契約により、当該保険医療機関又は保険薬局において行われる療養の給付に関する療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。


4) 保険者は、保険医療機関又は保険薬局から療養の給付に関する費用の請求があったときは、法70条1項(保険医療機関又は保険薬局の責務)等の定めに照らして審査の上、支払うものとする。


5) 保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金(以下「基金」という)又は国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という)に委託することができる。(平19択)(平22択)

 

 

advance

 

□保険者は、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、家族療養費、家族訪問看護療養費等に係る審査及び支払に関する事務についても、基金又は国保連合会に委託することができる(法85条9項ほか)。

 

□社会保険診療報酬支払基金は、健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者医療確保法、共済組合に関する法律等の規定に基づいて行われる療養の給付等に係る診療報酬の審査及び支払に関する事務を行うことを目的とする(診療報酬支払基金法1条)。 (平7択)

 

(5) 保険者が指定する病院等における療養の給付 (法84条)

 


事業主医療機関
(2項)

 

【原則】 療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、法74条(一部負担金)の規定の例により算定した額を、一部負担金として当該病院若しくは診療所又は薬局に支払わなければならない。

 

 

【例外】 保険者が健康保険組合である場合においては、規約で定めるところにより、当該一部負担金を減額し、又はその支払を要しないものとすることができる。

(平2択)(平12択)(平19択)

 

健康保険組合直営
医療機関(3項)

 

健康保険組合は、規約で定めるところにより、療養の給付を受ける者に、法74条(一部負担金)の規定の例により算定した額の範囲内において一部負担金を支払わせることができる。(平12択)