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健康保険法(2)-12

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テキスト本文の開始

 

 

 

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第3節  標準賞与額

 

1  標準賞与額の決定 (法45条)                         重要度 ●   

 

条文

 


1) 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに1,000円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。(平20択)
ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう)における標準賞与額の累計額が540万円(第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。(平19択)


2) 第40条第3項(社会保障審議会の意見聴取)の規定は前項の政令の制定又は改正について、前条(保険者算定)の規定は標準賞与額の算定について準用する。

 

 

ここで具体例!

 

◆標準賞与額の決定方法

 

 

 

賞与額

 

標準賞与額

 

ちょっと解説欄

 

 

夏季

 

 

3,000,950円

 

3,000,000円

 

1,000円未満の端数は切り捨てる。

 

冬季

 

2,500,000円

 

2,400,000円

 

年度累計額は540万円となるよう調整する。

 

 

期末

 

 

500,000円

       

0円

 

540万円を超える部分は0とする。

 

合計

 

6,000,950円

 

5,400,000円

 

年度の累計額が540万円を超えることはない。

 

 

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※テキスト79ページ~88ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません

 

 

第 4 章

届出等
及び
保険医療機関等

第1節  届出・申出及び被保険者証    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90
第2節  保険医等及び保険医療機関等    ・・・・・・・・・・・・・・・・・106

 

 

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第1節  届出・申出及び被保険者証

 

1  事業主の届出等 (法48条ほか)                       重要度 ●●●

 

条文

 


【届出等 (法48条)】
適用事業所の事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者等*1(厚生労働大臣又は健康保険組合)に届け出なければならない。

 

 

【通知 (法49条)】
1) 厚生労働大臣は、第33条第1項(適用取消)の規定による認可を行ったときは、その旨を当該事業主に通知するものとし、保険者等は、第39条第1項(資格の得喪の確認)の規定による確認又は標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう)の決定若しくは改定を行ったときは、その旨を当該事業主に通知しなければならない。(平23択)


2) 事業主は、前項の通知があったときは、速やかに、これを被保険者又は被保険者であった者に通知しなければならない。

 

 

【事業主の報告等 (法197条1項)】
保険者(厚生労働大臣が行う第5条第2項(協会管掌健康保険に係る厚生労働大臣が行う業務)及び第123条第2項(日雇特例被保険者に係る厚生労働大臣が行う業務)に規定する業務に関しては、厚生労働大臣)は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者を使用する事業主に、第48条(届出)に規定する事項以外の事項に関し報告をさせ、又は文書を提示させ、その他この法律の施行に必要な事務を行わせることができる。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 本節における「保険者等」のうち、「厚生労働大臣の権限に係る事務」については、日本年金機構(以下「機構」とする)への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任(法204条1項)の規定により機構に行わせるものとされるため、原則的な提出先は、協会管掌健康保険にあっては「機構」と、組合管掌健康保険にあっては「組合」となる。

 

ここをチェック

 

(1) 事業主の行う届出

(原則の提出先は保険者等(日本年金機構又は健康保険組合))

 


名称

提出期限

 

 

【新規適用事業所の届出】 (則19条)

 

 

当該事実があった日から5日以内に、日本年金機構に提出 (平7択)(平22択)

 

 

初めて適用事業所となった事業所の事業主は、事業主の氏名又は名称及び住所、事業所の名称、所在地及び事業の種類を記載した届書を提出する。


□初めて適用事業所となったと同時に当該適用事業所を健康保険組合の設立に係る適用事業所としようとするときは、健康保険組合に提出しなければならない。


□厚生労働大臣に提出する事業所が同時に厚生年金保険法の規定により初めて適用事業所となったときは、当該届書にその旨を付記しなければならない。

 

 

 

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【適用事業所に該当しなくなった場合の届出(全喪届)】(則20条)

 

当該事実があった日から5日以内
(平17択)

 

 

□廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったとき(任意包括脱退の申請の場合を除く)。


□事業主の氏名又は名称及び住所、事業所の名称及び所在地、適用事業所に該当しなくなった年月日及びその理由を記載した届書を提出する。


□適用事業所に該当しなくなったことを証する書類を添付しなければならない。


□協会が管掌する健康保険の被保険者の事業主が同時に厚生年金保険の被保険者の適用事業所であるときは、当該届書にその旨を付記しなければならない。

 

 

【健康保険被保険者資格取得届】
(則24条)

 

当該事実があった日から5日以内

<D提出可>

(平3択) (平5択)(平7択)

(平16択)(平22択)

 

□被保険者(任意継続被保険者を除く)の資格の取得に関する届出である。


□被保険者が被扶養者を有するときは、健康保険被保険者資格取得届に「被扶養者届」を添付しなければならない。


□協会管掌健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者の資格を取得したときは、基礎年金番号、第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の被保険者であったことの有無を付記しなければならない。

 

 

【健康保険被保険者賞与支払届】
(則27条)

 

賞与を支払った日から5日以内

<D提出可> (平13択)

 

 

□被保険者の賞与額に関する届出である。


□同一月に2回以上に分けて賞与の支払を行った場合は、それぞれの支払額を合算して、最後の支払を行った日から5日以内に提出することとして差し支えない(平15.2.25保発0225004号・庁保険発2号)。(平16択)

 

 

【健康保険被保険者資格喪失届】
(則29条)

 

当該事実があった日から5日以内

<D提出可>
(平3択)(平5択)(平14択)

 

 

□被保険者(任意継続被保険者を除く)の資格の喪失に関する届出である。


□協会管掌健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したときは、基礎年金番号、第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない。

 

 

【事業主の氏名等の変更届出】
(則30条)

 

 

5日以内 (平7択)(平16択)

 

 

□その氏名若しくは名称若しくは住所又は事業所の名称若しくは所在地に変更があったとき。


□事業所の名称及び所在地、変更前の事項及び変更後の事項並びに変更の年月日の事項を記載した届書を提出する。


□協会管掌健康保険の被保険者の事業主が同時に厚生年金保険の被保険者の事業主であるときは、当該届書にその旨を付記しなければならない。

 

 

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【事業主の変更の届出】(則31条)

 

連署をもって、5日以内(平7択)

 

 

□事業主に変更があったとき。


□変更前の事業主及び変更後の事業主は、事業所の名称及び所在地、変更前の事業主及び変更後の事業主の氏名又は名称及び住所、変更の年月日、変更前の事業主の死亡その他のやむを得ない理由によって連署することができないときは、その理由の事項を記載した届書を提出する。


□協会管掌健康保険の被保険者の事業主と同時に厚生年金保険の被保険者の事業主の変更をするときは、当該届書にその旨を付記しなければならない。

 

 

【給付制限事由該当等の届出】
(則32条)

 

5日以内(第2項の提出先は、全国健康保険協会又は健康保険組合)(平18択)

 

 

□被保険者又はその被扶養者が法118条1項各号(少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき等)のいずれかに該当し、又は該当しなくなったとき(1項)。


□任意継続被保険者又は被保険者の資格を喪失した後に保険給付を受ける者は、その者若しくはその被扶養者が法118条1項各号のいずれかに該当し、又は該当しなくなったとき(2項)。

 

 

【健康保険被保険者報酬月額算定基礎届】(則25条)

 

 

7月10日まで <D提出可>
(平5択)

 

□毎年7月1日現に使用する被保険者の報酬月額に関する届出である。


□協会管掌健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届に第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない。


□次の者は、届出の対象となる被保険者から除かれる。(平3択)

 


a) その年の6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者

(平4択)

 

 

b) 随時改定又は育児休業等を終了した際の改定によりその年の7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額が改定され、又は改定されるべき者

 

 

【健康保険被保険者報酬月額変更届】(則26条・則26条の2)

 

速やかに <D提出可>
(平11択)(平16択)(平21択)

(平22択)

 

□法43条1項(随時改定)に該当する場合の被保険者の報酬月額に関する届出。


□法43条の2第1項(育児休業等を終了した際の報酬月額変更の届出)に該当する被保険者の報酬月額に関する届出(則38条の2に規定する申出書に一定事項を記載)。


□協会管掌健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない。

 

 

【健康保険被保険者氏名変更届】
(則28条)

 

 

遅滞なく
(平6択)(平7択)(平9択)

 

□被保険者から法36条(氏名変更の申出)の規定による申出を受けたとき。

 

□協会管掌健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、基礎年金番号及び第3種被保険者に該当することの有無を付記しなければならない。

 

 

 

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【協会管掌健康保険の被保険者の住所変更の届出】(則28条の2)

 

遅滞なく、日本年金機構に提出 <D提出可>

 

□法36条の2(協会管掌健康保険の被保険者の住所変更の申出)の規定による申出を受けたとき。


□被保険者の氏名、生年月日及び住所、変更前の被保険者の住所、住所の変更年月日、事業所の名称及び所在地並びに事業主の氏名又は名称等所定の事項を記載した届書を提出する。


□当該被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、基礎年金番号及び第3種被保険者に該当することの有無を付記しなければならない。

 

 

【事業主の代理人選任の届出】
(則35条)

 

 

その旨を文書で、あらかじめ
(平3択)(平23択)

 

□健康保険法の規定に基づいて事業主がしなければならない事項につき代理人をして処理させようとするとき、又は代理人を解任したとき


□事業主が厚生年金保険の被保険者を使用する事業主であるときは、当該届書にその旨を付記。

 

 

*<D提出可>とは、保険者等が支障がないと認めた場合に限り、届書に記載すべき事項を記録した磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む)及び所定の事項を記載した書類を提出することによって行うことができる(則24条3項他)。


↓ なお… 

 

改正

 

現在、健康保険・厚生年金保険の適用関係の手続きに関し6種類について認められており、FD・MOに加え、平成23年12月から新たにCD・DVDによる提出が可能となっている。

 


(2) 事業主の義務

 


【証明書の発行等 (則33条)】
事業主は、保険給付を受けようとする者からこの省令の規定による証明書を求められたとき、又は第110条(証明書の省略)の規定による証明の記載を求められたときは、正当な理由がなければ拒むことができない。(平3択)(平4択)

 

 

【事業主による書類の保存 (則34条)】
事業主は、健康保険に関する書類を、その完結の日より2年間、保存しなければならない。(平3択)(平5択)(平9択)(平16択)(平22択)

 

 

2  被保険者の届出等 (法197条2項ほか)                重要度 ●●●

 

条文

 


保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む)又は保険給付を受けるべき者に、保険者又は事業主に対して、この法律の施行に必要な申出若しくは届出をさせ、又は文書を提出させることができる。

 

 

 

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ここをチェック

 

◆被保険者の行う申出・届出

 


名称

 

提出期限

 

【保険者の選択の届出】
(則1条、則2条)

 

同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、協会を選択しようとするときは日本年金機構に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出。(平23択)

 

 

□被保険者(日雇特例被保険者を除く、以下同じ)は、同時に2以上の事業所又は事務所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。(平2択)(平13択)


□当該2以上の事業所に係る機構の業務が2以上の年金事務所に分掌されているときは、被保険者は、その被保険者に関する機構の業務を分掌する年金事務所を選択しなければならない。ただし、健康保険組合を選択しようとする場合はこの限りでない。


□届出を受けたときは、厚生労働大臣にあっては関係する健康保険組合及び事業主に、健康保険組合にあっては厚生労働大臣又は関係する健康保険組合及び事業主に、その旨を通知しなければならない。

 

 

【2以上の事業所勤務の届出】
(則37条)

 

機構又は組合に、10日以内
(平22択)

 

 

□同時に2以上の事業所に使用されるに至ったとき、各事業主の氏名又は名称及び住所、各事業所の名称及び所在地を記載した届書を提出しなければならない。


□則2条1項(保険者の選択)の届書を提出するときは、この限りでない。

 

 

【被扶養者(異動)届】
(則38条)

 

事業主を経由して、機構又は組合に、5日以内

(平3択)(平6択)(平13択)(平17択)

(平22択)

 

 

□被扶養者を有するとき、又は被扶養者を有するに至ったとき。

 

□被扶養者の職業、収入、住所、氏名、性別、生年月日及び被保険者との続柄、一定の親族の場合は同一の世帯に属した年月日及び扶養するに至った理由等所定の事項を記載した届書を提出する。


□届出事項に変更があったときは、その都度、事業主を経由して届け出る。


□任意継続被保険者であるときは、事業主を経由しない

 

 

【任意継続被保険者の氏名又は住所の変更の届出】(則44条)

 

 

保険者(協会又は組合)に、5日以内
(平9択)(平16択)(平18択)(平22択)

 

□任意継続被保険者が、氏名又は住所を変更したとき。


□変更前及び変更後の氏名又は住所を届け出る。

 

 

【任意継続被保険者が適用事業所に使用されるに至ったとき等の申出】(則43条)

 

 

次のa)~c)のいずれかに該当するに至ったときは、保険者に、遅滞なく (平22択)

 

 

a) 適用事業所に使用されるに至ったとき。


b) 船員保険の被保険者となったとき。


c) 高齢者医療確保法による後期高齢者医療広域連合の障害の認定を受けたとき。

 

 

 

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【介護保険第2号被保険者に該当しなくなった場合の届出】(則40条)

 

 

事業主を経由して、保険者等に、遅滞なく (平21択)

 

 

□被保険者又はその被扶養者が介護保険第2号被保険者に該当しなくなったとき。


□被保険者又はその被扶養者が65歳に達したときは、届出は必要ない


□任意継続被保険者であるときは、事業主を経由しない


□事業主の命により被保険者が外国に勤務することとなったため、いずれの市町村又は特別区の区域内にも住所を有しなくなったときは、当該事業主は、被保険者に代わって届け出ることができる。

 

 

【介護保険第2号被保険者に該当するに至った場合の届出】(則41条)

 

事業主を経由して、保険者等に、遅滞なく

 

□介護保険第2号被保険者に該当しない被保険者又はその被扶養者が介護保険第2号被保険者に該当するに至ったとき。


□被保険者又はその被扶養者が40歳に達したときは、届出は必要ない


□任意継続被保険者であるときは、事業主を経由しない


□事業主の命により被保険者が外国に勤務しないこととなったため、いずれかの市町村又は特別区の区域内に住所を有するに至ったときは、当該事業主は、被保険者に代わって届け出ることができる。

 

 

【第三者の行為による被害の届出】
(則65条、則73条)

 

保険者に、遅滞なく
(平6択)(平15択)

 

 

療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費若しくは訪問看護療養費の支給に係る事由が第三者の行為によって生じたとき。


□届出に係る事実、第三者の氏名及び住所等、被害の状況を記載した届書を提出する。


家族療養費又は家族訪問看護療養費の支給に係る事由が第三者の行為によって生じたものである場合も同様である(則90条、則94条)。

 

 

【氏名変更の申出】(則36条)

 

 

事業主に、速やかに(平22択)

 

□被保険者(任意継続被保険者を除く)が、氏名を変更したとき。


□変更後の氏名を申し出るとともに、被保険者証を事業主に提出する。

 

 

【協会管掌健康保険の被保険者の住所変更の申出】(則36条の2)

 

事業主に、速やかに
(平22択)

 

協会管掌健康保険の被保険者(任意継続被保険者を除く)が、住所を変更したとき。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□次に掲げる事項のうち、任意継続被保険者に関する規定は、特例退職被保険者について準用する(則170条)。

 


a) 則32条(給付制限事由該当等の届出)


b) 則38条から則41条まで(被扶養者の届出、介護保険第2号被保険者に該当しなくなった場合又は該当するに至った場合の届出)


c) 則43条から則45条まで(任意継続被保険者が適用事業所に使用されるに至ったとき等の申出、任意継続被保険者の氏名又は住所の変更の届出、任意継続被保険者の標準報酬月額に係る通知) etc.

 

 

 

-----------------(96ページ目ここから)------------------

 

□被保険者の行う届出に関しては、磁気ディスクによる提出はできない。

(平16択)