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健康保険法(2)-9

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テキスト本文の開始

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

◆通達による判断基準

 


「昇給があった月」とは、現実に昇給額が支払われた月であるため、例えば、さかのぼって5月に昇給決定の辞令を受け、差額が6月に支払われたときは、6月から4箇月目にあたる「9月」から標準報酬月額は改定される(昭36.1.26保発4号)。(平19択)


↓ ただし…


この場合、昇給差額分については控除して平均額を算出する。

 



a) 定時決定:(20万+20万+30万)÷3≒23.3万円(標準報酬240,000円(第19級))


b) 随時改定:{(30万-5万)+25万+25万}÷3=25万円(標準報酬260,000円(第20級))

 

 

一時帰休に伴い、就労していたならば受けられたであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合は、これを固定的賃金の変動とみなし、随時改定の対象となる。ただし、この場合、当該報酬のうち固定的賃金が減額されて支給される場合であって、かつ、その状態が継続して3月を超える場合に限られる。(平18択)


↓ また…


休業手当等をもって改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象となる(昭50.3.29保険発25号・庁保険発8号)。(平18択)

 


*休業開始から4箇月目にしか標準報酬月額は下降改定されないが、一時帰休の解消から4箇月目にしか上昇改定されないため、保険料額に不利益は生じない。

 

 

労働協約等に基づき固定的賃金について賃金カットが行われた場合は、上記の一時帰休の場合に準じて取り扱う(昭50.3.29保険発25号・庁保険発8号)。

 

 

自宅待機に係る者の休業手当等に基づく資格取得時決定による標準報酬月額は、自宅待機の状況が解消したときに、随時改定の対象となる(昭50.3.29保険発25号・庁保険発8号)。

 

 

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advance

 

◆退職後嘱託社員等として再雇用した場合 (平22.6.10保保発0610第1号)

 

前年改正

 


【原則】 資格の得喪がなく継続しているため、退職月の翌月を報酬変動とする「随時改定」の対象となる。
したがって、賃金体系が変更された月から4か月目に標準報酬月額が改定される。


↓ ところが…


【例外】 特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者であって、退職後継続して再雇用される者については、使用関係が一旦中断したものとみなし、事業主から被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出させる取扱いとして差し支えない。


↓ つまり…


退職日の翌日に資格の再取得(同日得喪の取扱いとする「資格取得時決定」による新たな標準報酬月額が適用される。

 


「定年」による退職後継続して再雇用された場合のほか、a)定年制の定めのある事業所において、定年によらず退職し継続して再雇用された場合、b)定年制の定めのない事業所において退職し継続して再雇用された場合にも適用される。