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一般常識(6)-6

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第3節  中小企業退職金共済法

 

1  総則 (法1条、法2条)                              重要度 ●   

 

条文

 


【目的 (法1条)】
この法律は、中小企業の従業員について、中小企業者の相互扶助の精神に基き、その拠出による退職金共済制度を確立し、もってこれらの従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与することを目的とする。

 

 

【定義 (法2条)】
1) この法律で「中小企業者」とは、次のいずれかに該当する事業主(国、地方公共団体その他厚生労働省令で定めるこれらに準ずる者を除く)をいう。

 


イ)
ロ)からニ)までに掲げる業種以外の事業主

 

常時雇用する従業員の数が300人以下の事業主及び資本金の額又は出資総額が3億円以下の法人である事業主

ロ) 卸売業

 

常時雇用する従業員の数が100人以下のもの及び資本金の額又は出資の総額が1億円以下の法人であるもの

 

ハ) サービス業

 

常時雇用する従業員の数が100人以下のもの及び資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の法人であるもの

 

ニ) 小売業

 

常時雇用する従業員の数が50人以下のもの及び資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の法人であるもの

 

 

2) この法律で、次の用語は、以下のとおりとする。

 


退職

 

従業員について、事業主との雇用関係が終了することをいう。

 

退職金共済契約

 

事業主が独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下「機構」という)に掛金を納付することを約し、機構がその事業主の雇用する従業員の退職について、この法律の定めるところにより、退職金を支給することを約する契約であって、特定業種退職金共済契約以外のものをいう。

 

特定業種

 

建設業その他従業員の相当数が、通常、当該業種に属する多数の事業の間を移動してこれらの事業の事業主に雇用される業種であって、厚生労働大臣が指定するものをいう。

 

特定業種退職金
共済契約

 

特定業種に属する事業の事業主が機構に掛金を納付することを約し、機構が、期間を定めて雇用される者としてその事業主に雇用され、かつ、当該特定業種に属する事業に従事することを常態とする者の退職について、この法律の定めるところにより、退職金を支給することを約する契約をいう。

 

共済契約者

 

退職金共済契約又は特定業種退職金共済契約の当事者である事業主をいう。

 

被共済者

 

退職金共済契約又は特定業種退職金共済契約により機構がその者の退職について退職金を支給すべき者をいう。

 

 

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2  退職金共済契約の締結等 (法3条~法5条)            重要度 ●    


(1) 契約の締結 (法3条)

 

条文

 


1) 中小企業者でなければ、退職金共済契約を締結することができない。


2) 現に退職金共済契約の被共済者である者については、その者を被共済者とする新たな退職金共済契約を締結することができない。(平3択)


3) 中小企業者は、次に掲げる者を除き、すべての従業員について退職金共済契約を締結するようにしなければならない。(平8択)(平13択)

 


a) 期間を定めて雇用される者

 

 

b) 季節的業務に雇用される者

 

 

c) 試みの雇用期間中の者

 

 

d) 現に退職金共済契約の被共済者である者

 

 

e) 不正受給の規定により解除された退職金共済契約の被共済者であって、その解除の日から1年を経過しないもの

 

 

f) a)からe)に掲げる者のほか、厚生労働省令で定める者 *1

 

 

4) 機構は、次に掲げる場合を除いては、退職金共済契約の締結を拒絶してはならない

 


a) 契約の申込者が掛金の納付を怠ったことを理由として退職金共済契約を解除され、その解除の日から6月を経過しない者であるとき。

 

 

b) 当該申込みに係る被共済者が不正受給の規定により解除された退職金共済契約の被共済者であって、その解除の日から1年を経過しないものであるとき。

 

 

c) a)、b)に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める正当な理由があるとき。*2

 

 

ちょっとアドバイス

 

前年改正

 

□*1「厚生労働省令で定める者(包括加入の適用除外者)」は、次のとおりとする(則2条)。

 


a) 短時間労働者(1週間の所定労働時間が、同一の事業主に雇用される通常の従業員の1週間の所定労働時間に比し短く、かつ、厚生労働大臣の定める時間数(30時間)未満である者をいう、則4条2項cにおいて同じ)

 

 

b) 休職期間中の者その他これに準ずる者

 

 

c) 相当の期間内に雇用関係の終了することが明らかな者

 

 

d) 社会福祉施設職員等退職手当共済法に規定する被共済職員

 

 

e) 小規模企業共済法に規定する共済契約者

 

 

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f) 被共済者となることに反対する意思を表明した者

 

 

g) 偽りその他不正行為(以下「不正行為」という)によって特定業種退職金共済契約(以下「特定業種共済契約」という)による退職金の支給を受け、又は受けようとした被共済者であって、その退職金の支給を受け、又は受けようとした日から1年を経過していないもの

 

 

□*2「厚生労働省令で定める正当な理由(契約締結の拒絶理由)」は、次のとおりとする(則3条)。

 


a) 退職金共済契約(以下「共済契約」という)の申込者がその雇用する従業員の賃金の支払を怠っていること。

 

 

b) 共済契約の申込者が、不正行為によって共済契約による退職金若しくは解約手当金(以下「退職金等」という)又は特定業種共済契約による退職金の支給を受け、又は受けようとし、その退職金等又は特定業種共済契約による退職金の支給を受け、又は受けようとした日から1年を経過していない者であること。

 

 

c) 当該申込みに係る被共済者が則2条e又はgに該当する者であること。