前のページへ | 次のページへ | 目次へ

一般常識(5)-13

仮画像

テキスト本文の開始

 

 

 

-----------------(241ページ目ここから)------------------

 

(2) 時間外労働の制限 (法17条1項、法18条の2)

 

条文

 


【時間外労働の制限請求 (法17条1項、則31条の3)】

 

前年改正

 

事業主は、労働基準法第36条第1項本文の規定により労働時間を延長することができる場合において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(日々雇用される者を除く)であって次のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求したときは、制限時間(1月について24時間、1年について150時間をいう、次項及び第18条の2において同じ)を超えて労働時間を延長してはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。

 


a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

 

 

b) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

 

【不利益取扱いの禁止 (法18条の2)】

 

前年新設

 

事業主は、労働者が時間外労働の制限の規定による請求をし、又は当該事業主が当該請求をした労働者について制限時間を超えて労働時間を延長してはならない場合に当該労働者が制限時間を超えて労働しなかったことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□期間を定めて雇用される者についても適用される。

 

□制限期間(1月以上1年以内の期間に限る)の請求について回数の制限はないが、この制限期間は、「所定外労働の制限期間」と重複しないようにしなければならない

 

(3) 深夜業の制限 (法19条1項、法20条の2)

 

条文

 


【深夜業の制限請求 (法19条1項、則31条の12)】
事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(日々雇用される者を除く)であって次のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合においては、午後10時から午前5時までの間(以下「深夜」という)において労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。

 


a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

 

 

b) 当該請求に係る深夜において、常態として当該子を保育することができる当該子の同居の家族その他の厚生労働省令で定める者がいる場合における当該労働者

 

 

c) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

 

d) 所定労働時間の全部が深夜にある労働者

 

 

【不利益取扱いの禁止 (法20条の2)】

 

前年新設

 

事業主は、労働者が深夜業の制限の規定による請求をし、又は当該事業主が当該請求をした労働者について深夜において労働させてはならない場合に当該労働者が深夜において労働しなかったことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

-----------------(242ページ目ここから)------------------

 

ちょっとアドバイス

 

□期間を定めて雇用される者についても適用される。

 

(4) 労働者の配置に関する配慮 (法26条)

 

条文

 


事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。(平16択)

 

 

9  紛争の解決の援助及び調停 (法52条の2~法52条の6) 重要度 ●   

 

条文

 


【苦情の自主的解決 (法52条の2)】

 

前年改正

 

事業主は、育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置等、労働者の配置に関する配慮に定める事項に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関に対し当該苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない

 


□「苦情処理機関」とは、事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者を構成員とする当該事業所の労働者の苦情を処理するための機関をいう。

 

 

【紛争の解決の促進に関する特例 (法52条の3)】
前条(苦情の自主的解決)の事項についての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第4条、第5条及び第12条から第19条までの規定は適用せず、次条から第52条の6までに定めるところによる。

 

 

【紛争の解決の援助 (法52条の4)】

 

前年改正

 

1) 都道府県労働局長は、次に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

 


a) 育児休業      b) 介護休業      c) 子の看護休暇      d) 介護休暇
e) 所定外労働の制限      f) 時間外労働の制限      g) 深夜業の制限
h) 所定労働時間の短縮措置等      i) 労働者の配置に関する配慮

 

 

2) 事業主は、労働者が前項の援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

【調停の委任 (法52条の5)】
1) 都道府県労働局長は、第52条の3に規定する紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の紛争調整委員会に調停を行わせるものとする。


2) 事業主は、労働者が調停の申請をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

-----------------(243ページ目ここから)------------------

 

 

【調停 (法52条の6)】
男女雇用機会均等法の調停の手続に関する規定は、育児介護休業法の調停の手続について準用する。(*具体的には、男女雇用機会均等法を参照のこと)

 

 

advance

 

□育児・介護休業法に定める事項についての紛争の当事者である労働者、事業主の双方又は一方から申請があった場合で、都道府県労働局長がその紛争の解決に必要と認めた場合、学識経験者などの専門家で構成される第三者機関である「両立支援調停会議」に調停を行わせることとされている(則60条の2)。


↓ なお…


「両立支援調停会議」は、必要に応じ当事者や参考人から意見を聴いた上で、調停案を作成し、当事者に対して受諾勧告を行うことができる。

 

10  公表 (法56条の2)                               重要度 ●   

 

条文

 

前年改正

 


厚生労働大臣は、次の規定に違反している事業主に対し、前条の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。

 


a) 第6条第1項(育児休業申出があった場合における事業主の義務等)

 

 

b) 第10条(育児休業申出に係る不利益取扱いの禁止(介護休業申出・子の看護休暇・介護休暇も同様))

 

 

c) 第12条第1項(介護休業申出があった場合における事業主の義務等)

 

 

d) 第16条の3第1項(子の看護休暇の申出があった場合における事業主の義務等)

 

 

e) 第16条の6第1項(介護休暇の申出があった場合における事業主の義務等)

 

 

f) 第16条の8第1項(所定外労働の制限)

 

 

g) 第16条の9(所定外労働の制限に係る不利益な取扱いの禁止)

 

 

h) 第17条第1項(時間外労働の制限)

 

 

i) 第18条の2(時間外労働の制限に係る不利益な取扱いの禁止)

 

 

j) 第19条第1項(深夜業の制限)

 

 

k) 第20条の2(深夜業の制限に係る不利益な取扱いの禁止)

 

 

l) 第23条(所定労働時間の短縮措置等)

 

 

m) 第23条の2(所定労働時間の短縮措置等に係る不利益な取扱いの禁止)

 

 

n) 第26条(労働者の配置に関する配慮)

 

 

o) 第52条の4第2項(紛争解決援助の申出・調停の申請に係る不利益取扱いの禁止)