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一般常識(3)-9

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第3節 社会保険労務士の権利及び義務

 

1  禁止規定 (法15条、法16条)                        重要度 ●   

 

条文

 


【不正行為の指示等の禁止 (法15条)】
社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。

 

 

【信用失墜行為の禁止 (法16条)】
社会保険労務士は、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。(平10記)

 

 

2  努力規定 (法16条の2、法16条の3)                 重要度 ●   

 

条文

 


【勤務社会保険労務士の責務 (法16条の2)】
勤務社会保険労務士は、その勤務する事業所において従事する第2条(社会保険労務士の業務)に規定する事務の適正かつ円滑な処理に努めなければならない。

 

 

【研修 (法16条の3)】
1) 社会保険労務士は、社会保険労務士会及び連合会が行う研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。(平3択)(平13択)


2) 事業主は、前項に規定する研修について、勤務社会保険労務士から受講の申出があったときは、その事業の運営に支障のない範囲内で受講の機会を与えるように努めなければならない。

 

 

3  義務規定 (法18条~法23条の2ほか)                重要度 ●●●

 

条文

 


【事務所 (法18条)】
1) 他人の求めに応じ報酬を得て、第2条に規定する事務を業として行う社会保険労務士(社会保険労務士法人の社員を除く、以下「開業社会保険労務士」という)は、その業務を行うための事務所を2以上設けてはならない
ただし、特に必要がある場合において厚生労働大臣の許可を受けたときは、この限りでない。(平2択)(平13択)(平17択)


2) 社会保険労務士法人の社員は、第2条に規定する事務を業として行うための事務所を設けてはならない。

 

 

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【帳簿の備付け及び保存 (法19条)】
1) 開業社会保険労務士は、その業務に関する帳簿を備え、これに事件の名称、依頼を受けた年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所及び氏名又は名称その他厚生労働大臣が定める事項を記載しなければならない。 (平2択)
2) 開業社会保険労務士は、帳簿をその関係書類とともに、帳簿閉鎖の時から2年間保存しなければならない。開業社会保険労務士でなくなったときも、同様とする。 (平4択)(平7択)(平15択)

 

 

【依頼に応ずる義務 (法20条)】
開業社会保険労務士は、正当な理由がある場合でなければ、依頼(紛争解決手続代理業務に関するものを除く)を拒んではならない。

(平4択)(平11択)(平17択)

 

 

【秘密を守る義務 (法21条)】
開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員でなくなった後においても、また同様とする。 (平11択)

 

 

【非社会保険労務士との提携の禁止 (法23条の2)】
社会保険労務士は、第26条(名称の使用制限)*1又は第27条(業務の制限)*2の規定に違反する者から事件のあっせんを受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない

 

 

【*1 名称の使用制限 (法26条)】
1) 社会保険労務士でない者は、社会保険労務士又はこれに類似する名称を用いてはならない。(平1択)


2) 社会保険労務士法人でない者は、社会保険労務士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。


3) 社会保険労務士会又は連合会でない団体は、社会保険労務士会若しくは全国社会保険労務士会連合会又はこれらに類似する名称を用いてはならない。

 

 

【*2 業務の制限 (法27条)】
社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第2条第1項第1号から第2号までに掲げる事務を業として行ってはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。

 


□「第3号業務」は、業務の制限の対象とならない。(平2択)(平13択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

◆開業社会保険労務士の使用人等の秘密を守る義務 (法27条の2)

 


開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人その他の従業者でなくなった後においても、また同様とする。(平2択)(平20択)

 

 

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第4節 監督

 

1  報告及び検査 (法24条1項)                         重要度 ●   

 

条文

 


厚生労働大臣は、開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該開業社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人に対し、その業務に関し必要な報告を求め、又はその職員をして当該開業社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の事務所に立ち入り、当該開業社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人に質問し、若しくはその業務に関係のある帳簿書類(その作成、備付け又は保存に代えて電磁的記録の作成、備付け又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む)を検査させることができる。(平2択)

 

 

2  懲戒等 (法25条~法25条の5)                      重要度 ●●●

 

条文

 


【懲戒の種類 (法25条)】
社会保険労務士に対する懲戒処分は、次の3種とする。
(平7択)(平11択)(平17択)

 


イ) 戒告

 

 

ロ) 1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止

 

 

ハ) 失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分をいう)(平10記)

 

 

【不正行為の指示等を行った場合の懲戒 (法25条の2)】
1) 厚生労働大臣は、社会保険労務士が、故意に、真正の事実に反して申請書等の作成、事務代理若しくは紛争解決手続代理業務を行ったとき、又は第15条(不正行為の指示等の禁止)の規定に違反する行為をしたときは、1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止又は失格処分の処分をすることができる。(平7択)


2) 厚生労働大臣は、社会保険労務士が、相当の注意を怠り、前項に規定する行為をしたときは、戒告又は1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止の処分をすることができる。

 

 

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【一般の懲戒 (法25条の3)】
厚生労働大臣は、前条の規定に該当する場合を除くほか、社会保険労務士が、申請書等に添付する書面若しくは当該申請書等の付記に虚偽の記載をしたとき、この法律及びこれに基づく命令若しくは労働社会保険諸法令の規定に違反したとき、又は社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、第25条に規定する懲戒処分をすることができる。(平3択)(平20択)

 

 

【懲戒事由の通知等 (法25条の3の2)】
1) 社会保険労務士会又は連合会は、社会保険労務士会の会員について、懲戒事由に規定する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該会員の氏名及び事業所の所在地並びにその行為又は事実を通知しなければならない。 (平3択)(平15択)


2) 何人も、社会保険労務士について、懲戒事由に規定する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該社会保険労務士の氏名及びその行為又は事実を通知し、適当な措置をとるべきことを求めることができる

 

 

【聴聞の特例 (法25条の4)】
1) 厚生労働大臣は、戒告又は業務の停止の懲戒処分をしようとするときは、行政手続法の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない


2) 厚生労働大臣は、懲戒処分に係る聴聞を行うに当たっては、その期日の1週間前までに、行政手続法の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない


3) 聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
(平4択)(平13択)

 

 

【登録抹消の制限 (法25条の4の2)】
連合会は、社会保険労務士が懲戒の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは、当該社会保険労務士の登録の抹消をすることができない。

 

 

【懲戒処分の通知及び公告 (法25条の5)】
厚生労働大臣は、懲戒処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、その理由を付記した書面により当該社会保険労務士に通知するとともに、官報をもって公告しなければならない。