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一般常識(3)-5

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テキスト本文の開始

 

 

 

条文

 


【目的 (法1条)】
この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。(平14択)(平18択)

 

 

【定義 (法2条)】
1)「確定拠出年金」とは、企業型年金及び個人型年金をいう。

(平14択)(平17択)

 

 

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2)「企業型年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、この法律に基づいて実施する年金制度をいう。(平18択)


3)「個人型年金」とは、連合会が、この法律に基づいて実施する年金制度をいう。 (平21択)


4)「厚生年金適用事業所」とは、厚生年金保険法の適用事業所及び任意適用の認可を受けた適用事業所をいう。


5)「連合会」とは、国民年金基金連合会であって、個人型年金を実施する者として厚生労働大臣が全国を通じて1個に限り指定したものをいう。


6)「被用者年金被保険者等」とは、次に掲げる者であって、60歳未満のものをいう。

 


a) 厚生年金保険の被保険者

 

 

b) 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者

 

 

8)「企業型年金加入者」とは、企業型年金において、その者について企業型年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主により掛金が拠出され、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。


9)「企業型年金運用指図者」とは、企業型年金において、その個人別管理資産について運用の指図を行う者(企業型年金加入者を除く)をいう。


10)「個人型年金加入者」とは、個人型年金において、掛金を拠出し、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。


11)「個人型年金運用指図者」とは、個人型年金において、その個人別管理資産について運用の指図を行う者(個人型年金加入者を除く)をいう。

 

 

【企業型年金加入者期間 (法14条)】
1) 企業型年金加入者である期間(「企業型年金加入者期間」という)を計算する場合には、月によるものとし、企業型年金加入者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。(平18択)


2) 企業型年金加入者の資格を喪失した後、再びもとの企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した者については、当該企業型年金における前後の企業型年金加入者期間を合算する。

 

 

ちょっとアドバイス

 

国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合の組合員は、企業型年金の対象とならない。 (平20択)

 

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第2節  企業型年金

 

1  運営管理業務の委託等 (法7条、法8条)           重要度 ●   


(1) 運営管理業務の委託 (法7条)

 

条文

 


1) 事業主は、政令で定めるところにより、運営管理業務*1の全部又は一部を確定拠出年金運営管理機関に委託することができる。(平18択)


2) 確定拠出年金運営管理機関は、政令で定めるところにより、前項の規定により委託を受けた運営管理業務の一部を他の確定拠出年金運営管理機関に再委託することができる。


3) 運営管理業務の全部又は一部を行う確定拠出年金運営管理機関が欠けることとなるときは、事業主は、当該全部若しくは一部の運営管理業務を自ら行い、又は当該運営管理業務を承継すべき確定拠出年金運営管理機関を定めて当該運営管理業務を委託しなければならない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「運営管理業務」とは、次に掲げる業務をいう。

 


イ) 確定拠出年金における次のa)からc)までに掲げる業務(連合会が行う個人型年金加入者の資格の確認に係る業務その他の厚生労働省令で定める業務を除く、以下「記録関連業務」という)

 


a) 企業型年金加入者及び企業型年金運用指図者並びに個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者(以下「加入者等」と総称する)の氏名、住所、個人別管理資産額その他の加入者等に関する事項の記録、保存及び通知(平17択)

 

 

b) 加入者等が行った運用の指図の取りまとめ及びその内容の資産管理機関(企業型年金を実施する事業主が法8条1項の規定により締結した契約の相手方をいう)又は連合会への通知

 

 

c) 給付を受ける権利の裁定

 

 

ロ) 確定拠出年金における運用の方法の選定及び加入者等に対する提示並びに当該運用の方法に係る情報の提供(以下「運用関連業務」という)

 

 

(2) 資産管理契約の締結 (法8条1項)

 

条文

 


1) 事業主は、政令で定めるところにより、給付に充てるべき積立金(以下「積立金」という)について、次のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。

 


a) 信託会社(信託業法の免許を受けたものに限る)、信託業務を営む金融機関、厚生年金基金又は企業年金基金を相手方とする運用の方法を特定する信託の契約

 

 

b) 生命保険会社(保険業法に規定する生命保険会社及び外国生命保険会社等をいう)を相手方とする生命保険の契約

 

 

c) 農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る)を相手方とする生命共済の契約

 

 

d) 損害保険会社(保険業法に規定する損害保険会社及び外国損害保険会社等をいう)を相手方とする損害保険の契約

 

 

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2  掛金 (法19条~法21条)                        重要度 ●   

 
(1) 事業主掛金及び企業型年金加入者掛金 (法19条)

 

条文

 

改正

 


1) 事業主は、企業型年金加入者期間の計算の基礎となる各月につき、掛金を拠出する。


2) 事業主掛金の額は、企業型年金規約で定めるところにより算定した額とする。


3) 企業型年金加入者は、企業型年金加入者期間の計算の基礎となる各月につき、企業型年金規約で定めるところにより、自ら掛金を拠出することができる

(平20択)


4) 企業型年金加入者掛金の額は、企業型年金規約で定めるところにより、企業型年金加入者が決定し、又は変更する

 

 

ちょっとアドバイス

 

新設

 

□企業型年金に係る規約において、企業型年金加入者が掛金を拠出する場合にあっては、当該掛金(「企業型年金加入者掛金」という)の額の決定又は変更の方法その他その拠出に関する事項を定めなければならない(法3条3項7号の2)。

 


企業型年金加入者掛金の額は、事業主掛金の額を超えない範囲内とされている。

 

 

(2) 拠出限度額 (法20条)

 

条文

 

改正

 


各企業型年金加入者に係る事業主掛金の額(企業型年金加入者が企業型年金加入者掛金を拠出する場合にあっては、事業主掛金の額と企業型年金加入者掛金の額との合計額、以下この条において同じ)は、拠出限度額(1月につき拠出することができる事業主掛金の額の上限として、企業型年金加入者の厚生年金基金の加入員の資格の有無、厚生年金保険法第132条第3項(基金の代行部分の額)に規定する相当する水準等を勘案して政令で定める額をいう)を超えてはならない。

 

 

ここをチェック

 

□拠出限度額は、次の区分に応じ、それぞれ次のとおりである(令11条)。

(平14択)

 


企業年金加入者(厚生年金基金、確定給付企業年金等に加入している従業員)

 

企業年金未加入者

 

年額306,000円(月額25,500円)

 

 

年額612,000円

(月額51,000円)

 

 

(3) 事業主掛金の納付 (法21条)

 

条文

 


1) 事業主は、毎月の事業主掛金を翌月末日までに資産管理機関に納付するものとする。 (平21択)


2) 事業主は、事業主掛金を納付する場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、各企業型年金加入者に係る事業主掛金の額を企業型記録関連運営管理機関に通知しなければならない。ただし、当該事業主が記録関連業務の全部を行う場合にあっては、この限りでない。

 

 

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3  運用 (法22条~法27条)                         重要度 ●   

 

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◆企業型年金の運用の流れ

 

 

条文

 


【事業主の責務 (法22条)】

 

新設

 

1) 事業主は、その実施する企業型年金の企業型年金加入者等に対し、これらの者が行う運用の指図に資するため、資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。


2) 事業主は、前項の措置を講ずるに当たっては、継続的に実施するとともに、企業型年金加入者等の資産の運用に関する知識を向上させ、かつ、これを運用の指図に有効に活用することができるよう配慮するものとする

 

 

【運用の方法の選定及び提示 (法23条)】
1) 企業型年金加入者等に係る運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(運用関連業務を行う事業主を含む、以下「企業型運用関連運営管理機関等」という)は、政令で定めるところにより、次に掲げる運用の方法のうち政令で定めるものを企業型年金規約で定めるところに従って少なくとも3以上選定し、企業型年金加入者等に提示しなければならない。この場合において、その提示する運用の方法(「提示運用方法」という)のうちいずれか1以上のものは、元本が確保される運用の方法として政令で定めるものでなければならない。(平14択)

 


a) 銀行その他の金融機関を相手方とする預金又は貯金の預入

 

 

b) 信託会社又は信託業務を営む金融機関への信託

 

 

c) 有価証券の売買

 

 

d) 生命保険会社又は農業協同組合(農業協同組合法の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る)その他政令で定める生命共済の事業を行う者への生命保険の保険料又は生命共済の共済掛金の払込み

 

 

e) 損害保険会社への損害保険の保険料の払込み

 

 

f) 前各号に掲げるもののほか、投資者の保護が図られていることその他の政令で定める要件に適合する契約の締結

 

 

2) 企業型運用関連運営管理機関等は、前項の運用の方法の選定を行うに際しては、資産の運用に関する専門的な知見に基づいて、これを行わなければならない。

 

 

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【運用の方法に係る情報の提供 (法24条)】
企業型運用関連運営管理機関等は、厚生労働省令で定めるところにより、提示した運用の方法について、これに関する利益の見込み及び損失の可能性その他の企業型年金加入者等が運用の指図を行うために必要な情報を、当該企業型年金加入者等に提供しなければならない。

 

 

【運用の指図 (法25条)】
1) 企業型年金加入者等は、企業型年金規約で定めるところにより、積立金のうち当該企業型年金加入者等の個人別管理資産について運用の指図を行う。


2) 前項の運用の指図は、提示運用方法の中から1又は2以上の方法を選択し、かつ、それぞれの運用の方法に充てる額を決定して、これらの事項を企業型記録関連運営管理機関等に示すことによって行うものとする。


3) 企業型記録関連運営管理機関等は、運用の指図を受けたときは、政令で定めるところにより、同時に行われた運用の指図を提示された運用の方法ごとに取りまとめ、その内容を資産管理機関に通知するものとする。


4) 資産管理機関は、前項の通知があったときは、速やかに、当該通知に従って、それぞれの運用の方法について、契約の締結、変更又は解除その他の必要な措置を行わなければならない。

 

 

【運用の方法の除外に係る同意 (法26条)】
企業型運用関連運営管理機関等は、提示運用方法から運用の方法を除外しようとするときは、当該除外しようとする運用の方法を選択して運用の指図を行っている企業型年金加入者等の同意を得なければならない。ただし、当該運用の方法に係る契約の相手方が欠けたことその他厚生労働省令で定める事由により当該運用の方法を除外しようとするときは、この限りでない。

 

 

【個人別管理資産額の通知 (法27条)】
企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも1回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を当該企業型年金加入者等に通知しなければならない。(平17択)

 

 

4  通則 (法28条~法30条)                          重要度 ●   

 

条文

 


【給付の種類 (法28条、法附則2条の2)】
企業型年金の給付は、次のとおりとする。(平14択)(平20択)

 


a) 老齢給付金      b) 障害給付金      c) 死亡一時金      d) 脱退一時金

 

 

【裁定 (法29条)】
1) 給付を受ける権利は、その権利を有する者(「受給権者」という)の請求に基づいて、企業型記録関連運営管理機関等が裁定する。


2) 企業型記録関連運営管理機関等は、裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理機関に通知しなければならない。

 

 

【給付の額 (法30条)】
給付の額は、企業型年金規約で定めるところにより算定した額とする。