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【目的 (法1条)】
この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 (平15択)(平19択)
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【定義 (法2条)】
1)「確定給付企業年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、この法律の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
2)「厚生年金適用事業所」とは、厚生年金保険法6条1項の適用事業所及び同条3項の認可を受けた適用事業所をいう。
3)「被用者年金被保険者等」とは、次に掲げる者をいう。(平23択)
a) 厚生年金保険の被保険者
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b) 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
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4)「企業年金基金」とは、前条の目的を達成するため、確定給付企業年金の加入者(以下「加入者」という)に必要な給付を行うことを目的として、後述の規定に基づき設立された社団をいう。
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2 確定給付企業年金の実施 (法3条ほか) 重要度 ●
1) 厚生年金適用事業所の事業主は、確定給付企業年金を実施しようとするとき(以下「実施事業所」という)は、確定給付企業年金を実施しようとする厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得て、確定給付企業年金に係る規約(以下「規約」という)を作成し、次のいずれかに掲げる手続を執らなければならない。(平17択)
イ) 規約型企業年金 |
当該規約について厚生労働大臣の承認を受けること。
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ロ) 基金型企業年金 |
企業年金基金(以下「基金」という)の設立について厚生労働大臣の認可を受けること。(平23択)
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2) 確定給付企業年金は、一の厚生年金適用事業所について一に限り実施することができる。ただし、政令で定める場合においては、この限りでない。
(平17択)
3) 2以上の厚生年金適用事業所について確定給付企業年金を実施しようとする場合においては、第1項の同意は、各厚生年金適用事業所について得なければならない。
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◆企業年金基金の組織 (法8条)
□基金は、実施事業所の事業主及びその実施事業所に使用される加入者の資格を取得した者をもって組織する。(平19択)
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第2節 給付
1 通則 (法29条~法34条) 重要度 ●●
【給付の種類 (法29条)】
1) 事業主(基金を設立して実施する確定給付企業年金(以下「基金型企業年金」という)を実施する場合にあっては基金、以下「事業主等」という)は、次に掲げる給付を行うものとする。(平15択)(平21択)
2) 事業主等は、規約で定めるところにより、a)及びb)に掲げる給付に加え、次に掲げる給付を行うことができる。(平15択)
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【裁定 (法30条)】
1) 給付を受ける権利(以下「受給権」という)は、その権利を有する者(以下「受給権者」という)の請求に基づいて、事業主等が裁定する。
2) 事業主は、前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理運用機関に通知しなければならない。
3) 資産管理運用機関又は基金(以下「資産管理運用機関等」という)は、裁定に基づき、その請求をした者に給付の支給を行う。(平15択)
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【受給要件 (法31条)】
1) 給付を受けるための要件は、規約で定めるところによる。
2) 前項に規定する要件は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反するものであってはならず、かつ、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。
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【給付の額 (法32条)】
1) 給付の額は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより算定した額とする。
2) 給付の額は、加入者期間又は当該加入者期間における給与の額その他これに類するものに照らし、適正かつ合理的なものとして政令で定める方法により算定されたものでなければならず、かつ、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。
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【年金給付の支給期間等 (法33条)】
年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身又は5年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。(平15択)(平17択)
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【受給権の譲渡等の禁止等 (法34条)】
1) 受給権は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金、脱退一時金及び遺族給付金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む)により差し押さえる場合は、この限りでない。
2) 租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
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2 老齢給付金 (法36条、令28条ほか) 重要度 ●
改正
【支給要件 (法36条)】
1) 老齢給付金は、加入者又は加入者であった者が、規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
2) 前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件(「老齢給付金支給開始要件」という)を満たすものでなければならない。
イ) 60歳以上65歳以下の規約で定める年齢に達したときに支給するものであること。
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ロ) 政令で定める年齢(50歳)以上イ)の規約で定める年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に実施事業所に使用されなくなったときに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに老齢給付金を支給する旨が定められている場合に限る)。
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3) 前項ロ)の政令で定める年齢は、50歳未満であってはならない。
4) 規約において、20年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めてはならない。
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【失権 (法40条)】
老齢給付金の受給権は、次のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。 (平21択)
a) 老齢給付金の受給権者が死亡したとき。
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b) 老齢給付金の支給期間が終了したとき。
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c) 老齢給付金の全部を一時金として支給されたとき。
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