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一般常識(2)-7

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2  目的と責務 (法1条~法6条)                        重要度 ●   

 

条文

 


【目的 (法1条)】
この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もって国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。(平10択)

 

 

【基本的理念 (法2条)】
1) 国民は、自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、高齢者の医療に要する費用を公平に負担するものとする。(平8記)


2) 国民は、年齢、心身の状況等に応じ、職域若しくは地域又は家庭において、高齢期における健康の保持を図るための適切な保健サービスを受ける機会を与えられるものとする。(平8記)

 

 

【国の責務 (法3条)】
国は、国民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組が円滑に実施され、高齢者医療制度(前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整及び後期高齢者医療制度をいう)の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講ずるとともに、第1条に規定する目的の達成に資するため、医療、公衆衛生、社会福祉その他の関連施策を積極的に推進しなければならない。(平22択)

 

 

【地方公共団体の責務 (法4条)】
地方公共団体は、この法律の趣旨を尊重し、住民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組及び高齢者医療制度の運営が適切かつ円滑に行われるよう所要の施策を実施しなければならない。

 

 

【保険者の責務 (法5条)】
保険者は、加入者の高齢期における健康の保持のために必要な事業を積極的に推進するよう努めるとともに、高齢者医療制度の運営が健全かつ円滑に実施されるよう協力しなければならない

 

 

【医療の担い手等の責務 (法6条)】
医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手並びに医療法に規定する医療提供施設の開設者及び管理者は、前3条に規定する各般の措置、施策及び事業に協力しなければならない

 

 

 

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3  定義 (法7条)                                      重要度 ●   

 

条文

 


1) この法律において「医療保険各法」とは、次に掲げる法律をいう。

 


a) 健康保険法    

 

b) 船員保険法    

 

c) 国民健康保険法    

 

d) 国家公務員共済組合法

 

e) 地方公務員等共済組合法          

 

f) 私立学校教職員共済法

 

 

2) この法律において「保険者」とは、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、市町村(特別区を含む)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。(平14択)


3) この法律において「加入者」とは、次に掲げる者をいう。(平18択)

 


a) 健康保険法の規定による被保険者(ただし、日雇特例被保険者を除く)


b) 船員保険法の規定による被保険者


c) 国民健康保険法の規定による被保険者


d) 国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組合法に基づく共済組合の組合員


e) 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者


f) 健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者(ただし、日雇特例被保険者の被扶養者を除く)


g) 健康保険法の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及びその者の被扶養者(ただし、承認を受けて日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び日雇特例被保険者手帳を返納した者並びにその者の被扶養者を除く)

 

 

 

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第2節  医療費適正化の推進

 

1  医療費適正化計画等 (法8条~法12条)               重要度 ●● 

 

条文

 


【医療費適正化基本方針及び全国医療費適正化計画 (法8条)】
1) 厚生労働大臣は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から、医療に要する費用の適正化(以下「医療費適正化」という)を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化に関する施策についての基本的な方針(以下「医療費適正化基本方針」という)を定めるとともに、5年ごとに、5年を1期として、医療費適正化を推進するための計画(以下「全国医療費適正化計画」という)を定めるものとする。 (平21択)


2) 医療費適正化基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 


イ) 次条第1項に規定する都道府県医療費適正化計画において定めるべき目標に係る参酌すべき標準その他の当該計画の作成に当たって指針となるべき基本的な事項

 

 

ロ) 次条第1項に規定する都道府県医療費適正化計画の達成状況の評価に関する基本的な事項

 

 

ハ) 医療に要する費用の調査及び分析に関する基本的な事項

 

 

ニ) イ)~ハ)に掲げるもののほか、医療費適正化の推進に関する重要事項

 

 

3) 医療費適正化基本方針は、医療法に規定する基本方針、介護保険法に規定する基本指針及び健康増進法に規定する基本方針と調和が保たれたものでなければならない。

 

 

【都道府県医療費適正化計画 (法9条)】
1) 都道府県は、医療費適正化基本方針に即して、5年ごとに、5年を1期として、当該都道府県における医療費適正化を推進するための計画(以下「都道府県医療費適正化計画」という)を定めるものとする。(平21択)


2) 都道府県医療費適正化計画においては、医療費適正化を推進することによる計画期間における医療に要する費用の見通しに関する事項を定めるものとする。


3) 都道府県医療費適正化計画においては、前項に規定する事項のほか、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。

 


イ) 住民の健康の保持の推進に関し、当該都道府県において達成すべき目標に関する事項

 

 

ロ) 医療の効率的な提供の推進に関し、当該都道府県において達成すべき目標に関する事項

 

 

ハ) イ、ロに掲げる目標を達成するために都道府県が取り組むべき施策に関する事項

 

 

ニ) イ及びロに掲げる目標を達成するための保険者、医療機関その他の関係者の連携及び協力に関する事項 etc.

 

 

4) 都道府県医療費適正化計画は、医療法に規定する医療計画、介護保険法に規定する都道府県介護保険事業支援計画及び健康増進法に規定する都道府県健康増進計画と調和が保たれたものでなければならない。

 

 

【厚生労働大臣の助言 (法10条)】
厚生労働大臣は、都道府県に対し、都道府県医療費適正化計画の作成の手法その他都道府県医療費適正化計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言をすることができる。

 

 

 

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【計画の進捗状況に関する評価 (法11条)】
1) 都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県医療費適正化計画を作成した年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう)の翌々年度において、当該計画の進捗状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表するものとする。 (平21択)


2) 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、全国医療費適正化計画の作成年度の翌々年度において、当該計画の進捗状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表するものとする。(平21択)

 

 

【計画の実績に関する評価 (法12条)】
1) 都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県医療費適正化計画の期間の終了の日の属する年度の翌年度において、当該計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、当該計画の実績に関する評価を行うものとする。(平21択)


2) 都道府県は、前項の評価を行ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、その内容を厚生労働大臣に報告するとともに、これを公表するものとする。


3) 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、全国医療費適正化計画の期間の終了の日の属する年度の翌年度において、当該計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、全国医療費適正化計画の実績に関する評価を行うとともに、前項の報告を踏まえ、関係都道府県の意見を聴いて、各都道府県における都道府県医療費適正化計画の実績に関する評価を行うものとする。


4) 厚生労働大臣は、前項の評価を行ったときは、これを公表するものとする。

 

 

2  特定健康診査等基本指針等 (法18条、法19条)        重要度 ●   


(1) 特定健康診査等基本指針 (法18条)

 

条文

 


1) 厚生労働大臣は、特定健康診査及び特定保健指導の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針(以下「特定健康診査等基本指針」という)を定めるものとする。 (平20選)


2) 特定健康診査等基本指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 


イ) 特定健康診査及び特定保健指導(以下「特定健康診査等」という)の実施方法に関する基本的な事項

 

 

ロ) 特定健康診査等の実施及びその成果に係る目標に関する基本的な事項

 

 

ハ) イ、ロに掲げるもののほか、次条第1項に規定する特定健康診査等実施計画の作成に関する重要事項

 

 

3) 特定健康診査等基本指針は、健康増進法に規定する健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない。

 

 

 

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ちょっとアドバイス

 


特定健康診査

 

特定保健指導

 

 

特定健康診査とは、糖尿病その他の政令で定める生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病その他の生活習慣病であって、内臓脂肪の蓄積に起因するもの)に関する健康診査をいう。

 

 

特定保健指導とは、特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者として厚生労働省令で定めるものに対し、保健指導に関する専門的知識及び技術を有する者として厚生労働省令で定めるものが行う保健指導をいう。

 

 

(2) 特定健康診査等実施計画 (法19条)

 

条文

 


1) 保険者は、特定健康診査等基本指針に即して、5年ごとに、5年を1期として、特定健康診査等の実施に関する計画(以下「特定健康診査等実施計画」という)を定めるものとする。(平20選)


2) 特定健康診査等実施計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 


イ) 特定健康診査等の具体的な実施方法に関する事項

 

 

ロ) 特定健康診査等の実施及びその成果に関する具体的な目標

 

 

ハ) イ、ロに掲げるもののほか、特定健康診査等の適切かつ有効な実施のために必要な事項

 

 

3  特定健康診査等 (法20条、法24条)                  重要度 ●   

 

条文

 


【特定健康診査 (法20条)】
保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、40歳以上の加入者に対し、特定健康診査を行うものとする。ただし、加入者が特定健康診査に相当する健康診査を受け、その結果を証明する書面の提出を受けたとき、又は第26条第2項(他の保険者の加入者への特定健康診査等)の規定により特定健康診査に関する記録の送付を受けたときは、この限りでない。

(平20選)

 

 

【特定保健指導 (法24条)】
保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、特定保健指導を行うものとする。