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一般常識(1)-6

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テキスト本文の開始

 

 

 

(2) 保険料の徴収方法 (法76条の3)

 

条文

 


1) 市町村による保険料の徴収については、次のいずれかの方法によらなければならない。

 


【特別徴収】<源泉徴収>

 

 

市町村が老齢等年金給付*1を受ける被保険者である世帯主(政令で定めるものを除く*2)から、老齢等年金給付の支払をする者(「年金保険者」という)に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させる方法をいう。

 


特別徴収の対象となる年金額は、年額18万円以上とする(令29条の12)。

 

 

【普通徴収】<直接徴収>

 

 

市町村が世帯主に対し、地方自治法の規定により納入の通知をすることによって保険料を徴収する方法をいう。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「老齢等年金給付」は、国民年金法による老齢基礎年金その他の同法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法に基づく老齢若しくは退職障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの及びこれらの年金たる給付に類する老齢若しくは退職、障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものをいう(2項)。

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□*2「特別徴収の対象とならない被保険者である世帯主」は、次のいずれかに該当する被保険者である世帯主とする(令29条の13)。

 


イ) 同一の月に徴収されると見込まれる当該被保険者である世帯主に係るa)及びb)に掲げる額の合計額が当該月に支払われる当該徴収に係る老齢等年金給付の額の2分の1に相当する額として厚生労働省令で定める額を超える者

 


a) 特別徴収の方法によって保険料を徴収しようとする場合において、当該徴収に係る老齢等年金給付の支払の際徴収させるべき額として算定した額

 

 

b) 介護保険法の規定により特別徴収の方法によって介護保険の保険料を徴収しようとする場合において、当該徴収に係る老齢等年金給付の支払の際徴収させるべき額として算定した額

 

 

ロ) 当該市町村から介護保険法の規定による特別徴収の方法によって介護保険の保険料を徴収されない者

 

 

ハ) 65歳未満の被保険者が属する世帯に属する者

 

 

ニ) イ~ハに掲げる者のほか、当該被保険者である世帯主から口座振替の方法により保険料を納付する旨の申出があったことその他の事情を考慮した上で、特別徴収の方法によって徴収するよりも普通徴収の方法によって徴収することが保険料の徴収を円滑に行うことができると市町村が認める者

 

 

advance

 

□市町村による保険料の賦課期日は、当該年度の初日とする(法76条の2)。

 

□保険料の特別徴収の方法は、介護保険法の規定が準用される(法76条の4)。

 

(3) 市町村の保険料の賦課基準

 

ちょっとアドバイス

 

前年改正

 

◆市町村国民健康保険の保険料賦課限度額 (令29条の7)

 


賦課項目

 

限度額

 

 

保険料(国民健康保険税を含む)の基礎賦課額

 

51万円

 

 

後期高齢者支援金等賦課額

 

14万円

 

 

介護納付金賦課額

 

12万円

 

 

◆特例対象被保険者等に係る特例 (令29条の7の2)

 


倒産等のやむを得ない理由により離職した者であって、特例対象被保険者等(市町村が行う国民健康保険の被保険者のうち、雇用保険法に規定する特定受給資格者又は特定理由離職者であって受給資格を有するもの(離職の日の翌日の属する年度の翌年度の末日までの間にある者に限る)をいう)に該当した者に係る保険料の額の算定に当たっては、離職したときからその翌年度末までの間、前年所得に給与所得が含まれる場合にあっては、当該給与所得を100分の30として算定する。

 

 

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第5節 その他の事業等

 

1  保健事業 (法82条)                                 重要度 ●   

 

条文

 


1) 保険者は、特定健康診査等を行うものとするほか、これらの事業以外の事業であって、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。


2) 保険者は、被保険者の療養のために必要な用具の貸付けその他の被保険者の療養環境の向上のために必要な事業保険給付のために必要な事業被保険者の療養又は出産のための費用に係る資金の貸付けその他の必要な事業を行うことができる。


3) 組合は、前2項の事業に支障がない場合に限り、被保険者でない者に当該事業を利用させることができる。


4) 厚生労働大臣は、第1項の規定により保険者が行う健康の保持増進のために必要な事業に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。


5) 前項の指針は、健康増進法に規定する健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない。

 

 

2  国民健康保険団体連合会 (法83条~法85条)          重要度 ●   

 

条文

 


【設立、人格及び名称 (法83条)】
1) 保険者は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という)を設立することができる。(平6択)


2) 連合会は、法人とする。

 

 

【設立の認可等 (法84条)】
1) 連合会を設立しようとするときは、当該連合会の区域をその区域に含む都道府県を統轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。

(平6択)(平21択)


2) 連合会は、設立の認可を受けた時に成立する。


3) 都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の3分の2以上の保険者が加入したときは、当該区域内のその他の保険者は、すべて当該連合会の会員となる。

 

 

【規約の記載事項 (法85条)】
連合会の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

 


a) 事業      b) 名称      c) 事務所の所在地      d) 連合会の区域
e) 会員の加入及び脱退に関する事項      f) 経費の分担に関する事項
g) 業務の執行及び会計に関する事項      h) 役員に関する事項
i) 総会又は代議員会に関する事項        j) 準備金その他の財産に関する事項
k) 公告の方法      l) 前各号に掲げる事項のほか厚生労働省令で定める事項

 

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3  診療報酬審査委員会 (法87条~法89条)              重要度 ●   

 

条文

 


【審査委員会 (法87条)】
1) 第45条第5項の規定*1による委託を受けて診療報酬請求書の審査を行うため、都道府県の区域を区域とする連合会(加入している保険者の数がその区域内の保険者の総数の3分の2に達しないものを除く)に、国民健康保険診療報酬審査委員会(以下「審査委員会」という)を置く。(平7択)


2) 連合会は、前項の規定による事務の遂行に支障のない範囲内で、健康保険法76条5項の規定による委託を受けて行う診療報酬請求書の審査を審査委員会に行わせることができる。

 


□*1 保険者は、診療報酬請求の審査及び支払に関する事務を都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会又は社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。

 

 

【審査委員会の組織 (法88条)】
1) 審査委員会は、都道府県知事が定めるそれぞれ同数の保険医及び保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する委員をもって組織する。 (平21択)


2) 委員は、都道府県知事が委嘱する。


3) 前項の委嘱は、保険医及び保険薬剤師を代表する委員並びに保険者を代表する委員については、それぞれ関係団体の推薦によって行わなければならない。

 

 

【審査委員会の権限 (法89条)】
1) 審査委員会は、診療報酬請求書の審査を行うため必要があると認めるときは、都道府県知事の承認を得て、当該保険医療機関等若しくは指定訪問看護の事業を行う事業所に対して、報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を求め、又は当該保険医療機関等の開設者若しくは管理者、指定訪問看護事業者若しくは当該保険医療機関等において療養を担当する保険医若しくは保険薬剤師に対して、出頭若しくは説明を求めることができる。


2) 連合会は、前項の規定により審査委員会に出頭した者に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給しなければならない。ただし、当該保険医療機関等又は指定訪問看護の事業を行う事業所が提出した診療報酬請求書又は診療録その他の帳簿書類の記載が不備又は不当であったため出頭を求められて出頭した者に対しては、この限りでない。