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労働保険徴収法(2)-2

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テキスト本文の開始

 

 

 

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□「すべての労働者に支払う賃金の総額」とは、次の範囲である。

 


a) 雇用保険の日雇労働被保険者の賃金も含まれる。(平6択)(平8択)


b) 賃金総額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額とする(則11条2号かっこ書)。(平13択)(平17択)

 

 

□「賃金総額の算定対象期間」は、次のとおりである。

 


【継続事業】の場合(一括有期事業を含む)


a) 保険年度(平4択)


b) 保険年度の中途に保険関係が成立した場合:保険関係成立日から保険年度の末日まで


c) 保険年度の中途に保険関係が消滅した場合:保険年度の初日から保険関係消滅日の前日まで

 

 

【有期事業】の場合


事業の開始から終了までの全期間(平4択)

 

 

□*1「厚生労働省令で定める事業」は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち次に掲げる事業であって、「賃金総額を正確に算定することが困難なもの」とする(則12条、昭58.2.21労告14号)。(平1択)(平16択)

 


イ)【請負による建設の事業】(則13条1項)

 


その事業の種類に従い、請負金額*2×労務費率*3

 

(平4択)(平8択)(平12択)(平13択)(平16択)(平17択)(平21択)

 

 

ロ)【立木の伐採の事業】(則14条)

 


所轄都道府県労働局長が定める素材1立方メートルを生産するために必要な労務費の額×生産するすべての素材の材積

 

(平7択)(平13択)(平17択)

 

 

ハ)【造林の事業、木炭又は薪を生産する事業その他の林業の事業(ロの事業を除く)】


ニ)【水産動植物の採捕又は養殖の事業】(則15条)

 


その事業の労働者につき労働基準法12条8項の規定に基づき厚生労働大臣が定める平均賃金に相当する額×それぞれの労働者の使用期間の総日数の合算額

 

(平6択)(平13択)(平17択)(平21択)

 

 

advance

 

□*2 請負金額は、次に定めるところにより計算した額とする(則13条2項)。

 


【原則】事業主が注文者その他の者からその事業に使用する物の支給を受け、又は機械器具等の貸与を受けた場合には、支給された物の価額に相当する額又は機械器具等の損料に相当する額を請負代金の額に加算する。(平7択)


↓ 具体的には…

 

 

 

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一般的な請負契約の場合、建築資材代金や工事用機械のリース料は請負代金に含まれている。つまり、原則的な保険料には、その価額相当分も含めて算定し、徴収される。

 

 

  ↓ したがって…

 


施主が建築資材等を別途提供する代わりに、その請負代金に計上されていない請負契約であったとすれば、その価額相当分を加算して保険料は算定することとなる。

 

 

【例外】(昭58.2.21労告14号ほか)


a) 厚生労働大臣が定める事業の種類に該当する事業(「機械装置の組立て又は据付けの事業」)の事業主が注文者その他の者からその事業に使用する物で厚生労働大臣がその事業の種類ごとに定めるもの(機械装置)の支給を受けた場合には加算しない。


b) aの事業についての請負代金の額にその事業に使用する物(機械装置)の価額が含まれている場合には、その物の価額に相当する額をその請負代金の額から控除する。(平7択)


↓ 具体的には…

 

 

 

機械装置の組立て又は据付けの請負契約は、通常は、機械装置を組立てたり据付けたりする技術料そのものが請負代金となる。つまり、原則的な保険料には、機械装置価額相当分は含まれない。

 

      

  ↓ したがって…

 


a) 施主から機械装置本体の提供を受けたとしても、機械価額相当分は加算しない


b) 機械装置代金が含まれている請負契約である場合は、機械価額相当分は控除する

 

 

□*3 労務費率は、建設の事業の種類に応じて、次の範囲で定められている

(則別表第2)。

 


事業分類

 

事業の種類

 

 

労務費率

建設事業

 

水力発電施設、ずい道等新設事業

 

19%

 

道路新設事業

 

21%

 

塗装工事業

 

19%

 

鉄道又は軌道新設事業

 

24%

 

建築事業(既設建築物設備工事業を除く)

 

21%

 

既設建築物設備工事業

 

22%

 

機械装置の組立て又は据付けの事業

 

組立て又は取付けに関するもの

 

40%

 

その他のもの

 

22%

 

その他の建設事業

 

24%