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労働安全衛生法(1)-7

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テキスト本文の開始

 

 


【専属義務】(1項2号)
衛生管理者は、その事業場に専属の者を選任しなければならない。ただし、2人以上選任する場合において、その中に労働衛生コンサルタントがいるときは、当該労働衛生コンサルタントのうち1人については、専属不要である。

(平9択)(平12択)

 

 

【専任義務】(1項5号)
次の規模の事業場においては、少なくとも1人を専任としなければならない。

 


イ) 常時1,000人を超える労働者を使用する事業場

(平1択)(平6択)(平9択)


ロ) 常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働基準法施行規則18条に掲げる健康上特に有害な業務に常時30人以上の労働者を従事させるもの(平17択)

 

 

□ロ)の事業場のうち、坑内労働、多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務又は有害放射線にさらされる業務等一定の業務に常時30人以上の労働者を従事させるものにあっては、衛生管理者のうち1人は衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない

(1項6号)。(平9択)


*健康上特に有害な業務に、深夜業含まれていない。(平17択)

 

 

【衛生管理者の選任の特例】(則8条)
事業者は、衛生管理者を選任することができないやむを得ない事由がある場合で、所轄都道府県労働局長の許可を受けたときは、所定の選任及び専任の規定によらないことができる。

 

 

【共同の衛生管理者の選任】(則9条)
都道府県労働局長は、必要であると認めるときは、地方労働審議会の議を経て、衛生管理者を選任することを要しない2以上の事業場で、同一の地域にあるものについて、共同して衛生管理者を選任すべきことを勧告することができる。

(平7択)

 

       

↓ なお…

 


a) 事業者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、遅滞なく、所轄労働基準監督署長へ報告書を提出しなければならない(1項1号・2項)。

(平5択)


b) 事業者は、衛生管理者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によって職務を行うことができないときは、代理者を選任しなければならない(2項)。

 

 

□「衛生に係る技術的事項の管理」とは、必ずしも衛生に関する専門技術的事項に限る趣旨ではなく、総括安全衛生管理者が統括管理すべき業務のうち衛生に関する具体的事項をいう(昭47.9.18基発601号の1)。(平9択)

 


【衛生管理者の定期巡視及び権限の付与】(則11条)
1) 衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

(平2択)(平6択)(平16択)(平23択)


2) 事業者は、衛生管理者に対し、衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければならない。

 

 

 

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advance

 

□事業主は、次のすべての要件に該当する場合には、自社の労働者以外の者を衛生管理者として選任できる(平18.3.31基発0331004号)。

 


a) 事業場について、安衛則7条3号のロに掲げる業種(第2種衛生管理者免許を有する者を選任できる業種)の事業場であること。


b) 衛生管理者として選任する者について、第1種衛生管理者免許、第2種衛生管理者免許若しくは衛生工学管理者免許を有する者又は安衛則10条各号に掲げる者(医師又は歯科医師等)であること。


c) 衛生管理者として選任する者に係る労働者派遣契約又は委任契約において、衛生管理者が職務を遂行しようとする事業場に専ら常駐し、かつ、その者が一定期間継続して職務に当たることが明らかにされていること。

 

      

  ↓ なお…


安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者等、元方安全衛生管理者及び一定の規模の又は一定の業務を含む事業場の産業医については、原則として、その事業場に「専属の者」を選任しなければならないが、当該事業場の危険有害要因につき知悉(ちしつ)した上で、安全衛生管理に関して適切な措置を講じることができる者を充てるべきであるとの趣旨から、派遣中の労働者はその事業場に「専属の者」には該当しない。ただし、則7条3号のロに掲げる業種(第2種衛生管理者免許を有する者を選任できる業種)の事業場の衛生管理者及び衛生推進者については、危険有害要因が少なく、派遣中の労働者であっても衛生管理に関して適切な措置を講じることができる場合は、派遣中の労働者であってもその事業場に「専属の者」に該当する

 

 

5  安全衛生推進者・衛生推進者 (法12条の2)           重要度 ●● 

 

条文

 


事業者は、第11条第1項の事業場及び前条第1項の事業場以外の事業場で、厚生労働省令で定める規模のものごとに*1、厚生労働省令で定めるところにより*2、安全衛生推進者(第11条第1項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあっては、衛生推進者)を選任し、その者に第10条第1項各号の業務(第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第1項各号の措置に該当するものを除くものとし、第11条第1項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあっては、衛生に係る業務に限る)を担当させなければならない。

 

 

ここをチェック

 

□*1「厚生労働省令で定める規模」とは、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場であって、次の区分による(則12条の2)。(平1択)(平12択)

 


a) 安全衛生推進者を選任すべき事業場

 

 

安全管理者を選任すべき業種(屋外・屋内の工業的業種)の事業場

 

 

b) 衛生推進者を選任すべき事業場

 

 

安全管理者を選任すべき業種以外の業種(屋内の非工業的業種)の事業場

 

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advance

 

□*2「その他厚生労働省令で定めること」は、次の事項である。

 


【選任要件】(則12条の3)
1) 安全衛生推進者又は衛生推進者(以下「安全衛生推進者等」という)の選任は、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者その他法10条1項各号の業務(衛生推進者にあっては、衛生に係る業務に限る)を担当するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、次に定めるところにより行わなければならない。(平3択)

 


a) 安全衛生推進者等を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任すること。


b) その事業場に専属の者を選任すること。

 

 

ただし、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントその他厚生労働大臣が定める者のうちから選任するときは、この限りでない。(平15択)

 

 

2) 次に掲げる者は、前項の講習の講習科目(安全衛生推進者に係るものに限る)のうち厚生労働大臣が定めるものの免除を受けることができる

 


a) 安全管理者となる資格を有する者     b) 衛生管理者となる資格を有する者

 

 

【資格要件】(平21.3.30労告132号)
a) 大学又は高等専門学校を卒業した者で、その後1年以上安全衛生の実務(衛生推進者にあっては、衛生の実務)に従事した経験を有するもの

 

b) 高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、その後3年以上安全衛生の実務に従事した経験を有するもの


c) 5年以上安全衛生の実務に従事した経験を有する者


d) 厚生労働省労働基準局長がa)~c)に掲げる者と同等以上の能力を有すると認める者

 

 

【安全衛生推進者等の氏名の周知】(則12条の4)
事業者は、安全衛生推進者等を選任したときは、当該安全衛生推進者等の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。(平20択)


↓ なお…

 


安全衛生推進者等の業務について、作業場等の巡視義務は課されない
(平8択)(平23択)