社労士/初級インプット講座/一般常識6-11 ~山川靖樹の社労士予備校~

社労士試験対策の決定版!山川靖樹プロデュースの社労士初級レベルのインプット講座!「一般常識6-11:地域別最低賃金の改正」

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(4) 地域別最低賃金の改正等 (法12条)

 


厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金について、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止の決定をしなければならない。

 

 

(5) 派遣中の労働者の地域別最低賃金 (法13条)

 


労働者派遣法に規定する派遣中の労働者については、その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額により最低賃金額の規定を適用する。(平21択)

 

 

(6) 地域別最低賃金の公示及び発効 (法14条、則9条)

 


1) 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金に関する決定をしたときは、官報に掲載することによって、決定した事項を公示しなければならない。

 

2) 地域別最低賃金の決定及び地域別最低賃金の改正の決定は、前項の規定による公示の日から起算して30日を経過した日(公示の日から起算して30日を経過した日後の日であって当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、地域別最低賃金の廃止の決定は、同項の規定による公示の日(公示の日後の日であって当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、その効力を生ずる。

 

 

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第2節  賃金の支払の確保等に関する法律

1  総則 (法1条、法2条)                                 重要度 ●   

 

条文

 

(1) 目的 (法1条)

 


この法律は、景気の変動産業構造の変化その他の事情により企業経営が安定を欠くに至った場合及び労働者が事業を退職する場合における賃金の支払等の適正化を図るため、貯蓄金の保全措置及び事業活動に著しい支障を生じたことにより賃金の支払を受けることが困難となった労働者に対する保護措置その他賃金の支払の確保に関する措置を講じ、もって労働者の生活の安定に資することを目的とする。

 

 

(2) 定義 (法2条)

 


1) この法律において「賃金」とは、労働基準法第11条に規定する賃金をいう。

 

2) この法律において「労働者」とは、労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)をいう。

 

 

2  貯蓄金及び賃金に係る保全措置等 (法3条~法6条)       重要度 ●●●

 

(1) 貯蓄金の保全措置 (法3条)

 

条文

 


事業主(国及び地方公共団体を除く)は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるときは、厚生労働省令で定める場合を除き、毎年3月31日における受入預金額(当該事業主が受け入れている預金の額をいう)について、同日後1年間を通ずる貯蓄金の保全措置*1を講じなければならない。(平4択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「貯蓄金の保全措置」とは、労働者ごとの同日における受入預金額につき、その払戻しに係る債務を銀行その他の金融機関において保証することを約する契約の締結その他の当該受入預金額の払戻しの確保に関する措置であって、次に定めるものをいう(則2条)。

 


a) 事業主(国及び地方公共団体を除く)の労働者に対する預金の払戻しに係る債務を銀行その他の金融機関において保証することを約する契約(当該債務を、一般社団法人又は一般財団法人であって、債務の保証を業とするもののうち厚生労働大臣が指定する法人において保証することを約する契約を含む)を締結すること。

 

b) 事業主の労働者に対する預金の払戻しに係る債務の額に相当する額につき、預金を行う労働者を受益者とする信託契約を信託会社又は信託業務を営む金融機関(「信託会社等」という)と締結すること。

 

c) 労働者の事業主に対する預金の払戻しに係る債権を被担保債権とする質権又は抵当権を設定すること。

 

d) 預金保全委員会を設置し、かつ、労働者の預金を貯蓄金管理勘定として経理することその他適当な措置を講ずること。

 

 

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(2) 貯蓄金の保全措置に係る命令 (法4条)

 

条文

 


労働基準監督署長は、前条の規定に違反して事業主が貯蓄金の保全措置を講じていないときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に対して、期限を指定して、その是正を命ずることができる。(平9択)

 

 

 

(3) 退職手当の保全措置 (法5条)

 

条文

 


事業主(中小企業退職金共済法に規定する退職金共済契約を締結した事業主その他の厚生労働省令で定める事業主を除く*2)は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにおいて労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、当該退職手当の支払に充てるべき額として厚生労働省令で定める額*3について、第3条の厚生労働省令で定める措置に準ずる措置を講ずるように努めなければならない。(平3択)(平17択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*2「退職手当の保全措置を講ずることを要しない事業主」は、次に掲げる事業主とする(則4条)。(平13択)

 


イ) 次に掲げるいずれかの契約を締結した事業主

 


a) 中小企業退職金共済法に規定する退職金共済契約

 

b) 社会福祉施設職員等退職手当共済法に規定する退職手当共済契約

 

c) 法人税法に規定する適格退職年金契約

 

d) 所得税法施行令に規定する退職金共済契約(その相手
が特定退職金共済団体であるものに限る)

 

 

ロ) その使用する労働者が厚生年金保険法に規定する厚生年金基金の加入員である事業主

 

ハ) その使用する労働者が確定給付企業年金法に規定する加入者である事業主

 

ニ) 法律により直接に設立された法人又は特殊法人等である事業主であって、退職手当の保全措置を講ずることを要しない旨の厚生労働大臣の指定を受けたもの

 

ホ) 労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者と退職手当の保全措置について第5条の2で定める措置によらない旨の書面による協定をした事業主

 

 

↓ なお…

 

□前項ハ)に掲げる事業主であって、確定給付企業年金法に規定する一定の資格を定めたものは、加入者としないこととされた労働者に関しては、前項の規定にかかわらず、法5条の厚生労働省令で定める事業主に該当しないものとする(2項)。

 

□*3「退職手当の保全措置を講ずべき額」は、労働者の全員が自己の都合により退職するものと仮定して計算した場合に退職手当として支払うべき金額の見積り額の4分の1に相当する額等とされている(則5条)。

 

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(4) 退職労働者の賃金に係る遅延利息 (法6条、令1条)

 

条文

 


1) 事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあっては、当該支払期日)までに支払わなかった場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6%を超えない範囲内で政令で定める率(年14.6%)を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。(平2択)(平4択)(平8択)

 

2) 前項の規定は、賃金の支払の遅滞が天災地変その他のやむを得ない事由で厚生労働省令で定めるものによるものである場合には、その事由の存する期間について適用しない。