社労士/初級インプット講座/一般常識6-7 ~山川靖樹の社労士予備校~

社労士試験対策の決定版!山川靖樹プロデュースの社労士初級レベルのインプット講座!「一般常識6-7:パートタイム労働法」

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第3節  パートタイム労働法

正式名称:短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律

 

1  総則等 (法1条~法5条)                               重要度 ●   

 

条文

 

(1) 目的 (法1条)

 


この法律は、我が国における少子高齢化の進展、就業構造の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、短時間労働者の果たす役割の重要性が増大していることにかんがみ、短時間労働者について、その適正な労働条件の確保、雇用管理の改善、通常の労働者への転換の推進、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図ることを通じて短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

 

 

(2) 定義 (法2条)

 


この法律において「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。(平8択)

 

 

□「通常の労働者」のうち、当該事業所に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者をいう。

 

(3) 事業主等の責務 (法3条)

 


1) 事業主は、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態等を考慮して、適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換(短時間労働者が雇用される事業所において通常の労働者として雇い入れられることをいう)の推進(以下「雇用管理の改善等」という)に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図り、当該短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする。

 

2) 事業主の団体は、その構成員である事業主の雇用する短時間労働者の雇用管理の改善等に関し、必要な助言、協力その他の援助を行うように努めるものとする。

 

 

(4) 国及び地方公共団体の責務 (法4条)

 


1) は、短時間労働者の雇用管理の改善等について事業主その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつその実情に応じてこれらの者に対し必要な指導、援助等を行うとともに、短時間労働者の能力の有効な発揮を妨げている諸要因の解消を図るために必要な広報その他の啓発活動を行うほか、その職業能力の開発及び向上等を図る等、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進その他その福祉の増進を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めるものとする。

 

2) 地方公共団体は、前項の国の施策と相まって、短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するように努めるものとする。

 

 

(5) 短時間労働者対策基本方針 (法5条)

 


1) 厚生労働大臣は、短時間労働者の福祉の増進を図るため、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進、職業能力の開発及び向上等に関する施策の基本となるべき方針(以下「短時間労働者対策基本方針」という)を定めるものとする。

 

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2) 短時間労働者対策基本方針に定める事項は、次のとおりとする。

 


a) 短時間労働者の職業生活の動向に関する事項

 

b) 短時間労働者の雇用管理の改善等を促進し、並びにその職業能力の開発及び向上を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項

 

c) その他、短時間労働者の福祉の増進を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項

 

 

3) 短時間労働者対策基本方針は、短時間労働者の労働条件、意識及び就業の実態等を考慮して定められなければならない。

 

4) 厚生労働大臣は、短時間労働者対策基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

 

5) 厚生労働大臣は、短時間労働者対策基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 

 

2  雇用管理の改善等に関する措置 (法6条、法7条)         重要度 ●   

 

(1) 労働条件に関する文書の交付等 (法6条)

 

条文

 


1) 事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法第15条第1項(労働条件の明示)に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(「特定事項*1」という)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法*2(「文書の交付等」という)により明示しなければならない。

 

2) 事業主は、前項の規定に基づき特定事項を明示するときは、労働条件に関する事項のうち特定事項及び労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものについても、文書の交付等により明示するように努めるものとする。(平9択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する「特定事項」とは、次に掲げるものとする(則2条1項)。

 


a) 昇給の有無 b) 退職手当の有無 c) 賞与の有無

 

 

□*2「厚生労働省令で定める方法」は、前記a~cに掲げる事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを当該短時間労働者が希望した場合における当該方法とする(則2条2項)。

 


a) ファクシミリを利用してする送信の方法

 

b) 電子メールの送信の方法(当該短時間労働者が当該電子メールの記録を出力することによる書面を作成することができるものに限る)

 

 

(2) 就業規則の作成の手続 (法7条)

 

条文

 


事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。(平11択)