社労士/初級インプット講座/一般常識5-8 ~山川靖樹の社労士予備校~

社労士試験対策の決定版!山川靖樹プロデュースの社労士初級レベルのインプット講座!「一般常識5-8:憲法第14条第1項」

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第 2 章

均等待遇及び育児支援等に関する法令

第1節  男女雇用機会均等法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・222
第2節  育児介護休業法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・229
第3節  パートタイム労働法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・243
第4節  次世代育成支援対策推進法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・248

 

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第1節  男女雇用機会均等法

正式名称:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

 

1  総則 (法1条~法4条)                                 重要度 ●   

 

条文

 

(1) 目的 (法1条)

 


この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

 

 

【法の下の平等】(憲法第14条第1項)
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
*「門地」とは、家柄ないしは血統を意味するものである。

 

 

(2) 基本的理念 (法2条)

 


1) この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。

 

2) 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従って、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。

 

 

(3) 啓発活動 (法3条)

 


国及び地方公共団体は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について国民の関心と理解を深めるとともに、特に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うものとする。

 

 

(4) 男女雇用機会均等対策基本方針 (法4条)

 


1) 厚生労働大臣は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する施策の基本となるべき方針(以下「男女雇用機会均等対策基本方針」という)を定めるものとする。

 

2) 男女雇用機会均等対策基本方針に定める事項は、次のとおりとする。

 


a) 男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活の動向に関する事項

 

b) 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について講じようとする施策の基本となるべき事項

 

 

3) 男女雇用機会均等対策基本方針は、男性労働者及び女性労働者のそれぞれの労働条件、意識及び就業の実態等を考慮して定められなければならない。

 

4) 厚生労働大臣は、男女雇用機会均等対策基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くほか、都道府県知事の意見を求めるものとする。

 

5) 厚生労働大臣は、男女雇用機会均等対策基本方針を定めたときは、遅滞なく、その概要を公表するものとする。

 

 

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ちょっとアドバイス

 

◆男女雇用機会均等対策基本方針 (平19.11.30厚労告394号)

 


我が国は、急速な少子化と高齢化の進行により人口減少社会の到来という事態に直面している。そうした中にあって、以前にも増して、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、その能力を十分発揮することができる雇用環境を整備することが重要な課題となっている。このような状況の中、平成18年6月に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律(以下「改正均等法」という)が成立し、平成19年4月から施行された。これにより、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(「均等法」という)においては、あらゆる雇用管理の段階における性別による差別的取扱い、間接差別、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等が禁止されるとともに、セクシュアルハラスメント防止対策の義務が強化され、併せて報告徴収に係る報告義務違反に対する過料が創設される等、法の整備・強化が一段と図られたところである。
(平22選)
こうした中、この男女雇用機会均等対策基本方針は、均等法第4条の規定に基づき策定される2度目の方針であり、本方針においては、男女労働者のそれぞれの職業生活の動向に関する事項を明らかにするとともに、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について講じようとする施策の基本となるべき事項を示すこととする。