社労士/初級インプット講座/一般常識3-16 ~山川靖樹の社労士予備校~

社労士試験対策の決定版!山川靖樹プロデュースの社労士初級レベルのインプット講座!「一般常識3-16:社会保険労務士法人」

テキスト本文の開始

 

 

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第5節 社会保険労務士法人

1  設立等 (法25条の6~法25条の9)                      重要度 ●   

 

条文

 

(1) 設立及び名称 (法25条の6、法25条の7)

 


社会保険労務士は、社会保険労務士法人(第2条第1項に掲げる業務(紛争解決手続代理業務を除く)を組織的に行うことを目的として、社会保険労務士が共同して設立した法人をいう)を設立することができる。

 

 

社会保険労務士法人は、その名称中に社会保険労務士法人という文字を使用しなければならない。

 

 

(2) 社員の資格 (法25条の8)

 


1) 社会保険労務士法人の社員は、社会保険労務士でなければならない。(平15択)(平22択)

 

2) 次に掲げる者は、社員となることができない。

 


a) 社会保険労務士の業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者

 

b) 社会保険労務士法人が解散又は業務の停止を命ぜられた場合において、その処分の日以前30日内にその社員であった者でその処分の日から3年(業務の停止を命ぜられた場合にあっては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

 

 

(3) 業務の範囲 (法25条の9)

 


1) 社会保険労務士法人は、第2条第1項に掲げる業務(紛争解決手続代理業務を除く)を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。

 


a) 第2条に規定する業務に準ずるものとして厚生労働省令で定める業務*1の全部又は一部

 

b) 紛争解決手続代理業務

 

 

2) 紛争解決手続代理業務は、社員のうちに特定社会保険労務士がある社会保険労務士法人に限り、行うことができる。

 

 

advance

 

□*1「厚生労働省令で定める業務」とは、次に掲げる業務とする(則17条の3)。

 


1) 事業所の労働者に係る賃金の計算に関する事務(その事務を行うことが他の法律において制限されているものを除く)を業として行う業務

 

2) 労働者派遣法に規定する労働者派遣事業(その事業を行おうとする社会保険労務士法人が許可を受け、又は届出書を厚生労働大臣に提出して行うものであって、当該社会保険労務士法人の使用人である社会保険労務士が労働者派遣の対象となり、かつ、派遣先が開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人(紛争解決手続代理業務の制限の対象となる場合を除く)であるものに限る

 

 

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※テキスト131~136ページは、過去問のページになっております。

 

 

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第 8 章

社会保険審査官
及び
社会保険審査会法

第1節  社会保険審査官・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・138 
第2節  社会保険審査会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・141 

 

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第1節  社会保険審査官

1  設置等 (法1条、法2条)                               重要度 ●● 

 

条文

 

改正

 

前年改正

 

(1) 設置 (法1条)

 


1) 健康保険法189条、船員保険法138条、厚生年金保険法90条及び石炭鉱業年金基金法33条1項、国民年金法101条並びに年金給付遅延加算金支給法8条の規定による審査請求の事件を取り扱わせるため、各地方厚生局(地方厚生支局を含む)に社会保険審査官(以下「審査官」という)を置く。(平4択)(平14択)(平21択)

 

2) 審査官の定数は、政令で定める*1。

 

 

(2) 任命 (法2条)

 


審査官は、厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が命ずる。
(平17択)(平21択)

 

 

advance

 

□*1 社会保険審査官の「定数」は、102人とする(令1条)。

 

 

2  審査請求の手続 (法3条~法5条の2ほか)               重要度 ●●●

 

(1) 管轄審査官 (法3条)

 

条文

 

改正

 

前年改正

 


健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法若しくは石炭鉱業年金基金法、国民年金法又は年金給付遅延加算金支給法の規定による審査請求は、次に掲げる審査官に対してするものとする。

 

 

イ) 日本年金機構(以下「機構」という)がした処分(ニに規定する処分を除く)に対する審査請求

 

 

その処分に関する事務を処理した機構の事務所*1の所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

ロ) 全国健康保険協会、健康保険組合、厚生年金基金若しくは企業年金連合会、石炭鉱業年金基金又は国民年金基金(以下「健康保険組合等」という)がした処分*2に対する審査請求

 

 

その処分に関する事務を処理した健康保険組合等の事務所の所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

ハ) 厚生労働大臣がした処分(ニに規定する処分を除く)に対する審査請求

 

審査請求人が当該処分につき経由した地方厚生局又は機構の事務所*3若しくは国民年金法3条2項に規定する共済組合等の事務所の所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

 

ニ) 国民年金の保険料その他国民年金法の規定による徴収金の賦課若しくは徴収若しくは滞納処分又は年金給付遅延加算金支給法の規定による徴収金*4の賦課若しくは徴収若しくは年金給付遅延加算金支給法の規定によりその例によるものとされる処分に対する審査請求

 

 

その処分をした者の所属する機関の事務所として厚生労働省令で定めるものの所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

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advance

 

□*1 機構の事務所につき、年金事務所が当該事務を処理した場合にあっては、当該年金事務所がその業務の一部を分掌する従たる事務所とし、審査請求人が当該処分につき経由した機構の事務所がある場合にあっては、当該経由した機構の事務所(年金事務所を経由した場合にあっては、当該年金事務所がその業務の一部を分掌する従たる事務所)とする。

 

□*2 企業年金連合会がした処分にあっては、厚生年金保険法の規定に基づくものに限る。

 

□*3 機構の事務所につき、従たる事務所を経由した場合にあっては、その従たる事務所(年金事務所を経由した場合にあっては、当該年金事務所がその業務の一部を分掌する従たる事務所)とする。

 

□*4 この徴収金は、給付遅延特別加算金(国民年金法の規定による脱退一時金に係るものを除く)に係るものに限る。

 

 

(2) 審査請求の期間 (法4条)

 

条文

 

改正

 


1) 審査請求は、被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬若しくは保険給付国民年金法による給付並びに年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金(厚生年金保険法の規定による脱退一時金に係るものを除く)及び給付遅延特別加算金含む)、標準給与、年金たる給付若しくは一時金たる給付又は国民年金の保険料その他国民年金法の規定による徴収金若しくは年金給付遅延加算金支給法の規定による徴収金(給付遅延特別加算金に係るものに限る)に関する処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内にしなければならない。ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。(平8択)

 

2) 被保険者若しくは加入員の資格標準報酬又は標準給与に関する処分に対する審査請求は、原処分があった日の翌日から起算して2年を経過したときは、することができない。
(平14択)(平18択)

 

 

(3) 審査請求の方式 (法5条)

 

条文

 


1) 審査請求は、政令の定めるところにより、文書又は口頭ですることができる。
(平8択)(平14択)

 

2) 審査請求は、原処分に関する事務を処理した地方厚生局、機構の従たる事務所、年金事務所若しくは健康保険組合等又は審査請求人の居住地を管轄する地方厚生局、機構の従たる事務所、年金事務所若しくは当該地方厚生局に置かれた審査官を経由してすることができる。

 

3) 前項の場合における審査請求期間の計算については、その経由した機関に審査請求書を提出し、又は口頭で陳述した時に審査請求があったものとみなす。

 

 

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(4) 代理人による審査請求 (法5条の2)

 

条文

 


1) 審査請求は、代理人によってすることができる。(平14択)

 

2) 代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。(平8択)

 

 

(5) 審査請求の取下げ (法12条の2)

 

条文

 


1) 審査請求人は、決定があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。

 

2) 審査請求の取下げは、文書でしなければならない。(平14択)

 

 

 

(6) 不服申立ての制限(法17条の2)

 

条文

 


この節(審査請求の手続)の規定に基づいて審査官がした処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

 

 

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第2節  社会保険審査会

1  設置及び組織 (法19条~法24条ほか)                   重要度 ●● 

 

条文

 

改正

 


健康保険法189条、船員保険法138条、厚生年金保険法90条、石炭鉱業年金基金法33条1項、国民年金法101条及び年金給付遅延加算金支給法8条の規定による再審査請求並びに健康保険法190条、船員保険法139条、厚生年金保険法91条、石炭鉱業年金基金法33条2項及び年金給付遅延加算金支給法9条の規定による審査請求(年金給付遅延加算金支給法の規定による厚生年金保険法附則の規定による脱退一時金に係る保険給付遅延特別加算金に係るもの及び国民年金法附則の規定による脱退一時金に係る給付遅延特別加算金に係るものを除く)の事件を取り扱わせるため、厚生労働大臣の所轄の下に、社会保険審査会(以下「審査会」という)を置く。(平7択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

(1) 職権の行使 (法20条)

 


審査会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。

 

 

(2) 組織 (法21条)

 


審査会は、委員長及び委員5人をもって組織する。(平17択)(平21択)

 

 

(3) 委員長及び委員の任命 (法22条)

 


1) 委員長及び委員は、人格が高潔であって、社会保障に関する識見を有し、かつ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、厚生労働大臣が任命する。
(平21択)

 

2) 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために、両議院の同意を得ることができないときは、厚生労働大臣は、前項の規定にかかわらず、人格が高潔であって、社会保障に関する識見を有し、かつ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。

 

3) 前項の場合においては、任命後最初の国会で、両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、厚生労働大臣は、この委員長又は委員を罷免しなければならない。

 

 

(4) 任期 (法23条)

 


1) 委員長及び委員の任期は、3年とする。但し、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。(平17択)

 

2) 委員長及び委員は、再任されることができる。

 

 

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(5) 身分保障 (法24条)

 


委員長及び委員は、次のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。

 


a) 破産手続開始の決定を受けたとき。

 

b) 禁錮以上の刑に処せられたとき。

 

c) 審査会により、心身の故障のため、職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。

 

 

(6) 合議体 (法27条)

 


1) 審査会は、委員長及び委員のうちから、審査会が指名する者3人をもって構成する合議体で、再審査請求又は審査請求の事件を取り扱う。

 

2) 前項の規定にかかわらず、審査会が定める場合においては、委員長及び委員の全員をもって構成する合議体で、再審査請求又は審査請求の事件を取り扱う。

 

 

(7) 委員会議 (法27条の4)

 


1) 審査会の会務の処理(再審査請求又は審査請求の事件の取扱いを除く)は、委員長及び委員の全員の会議(以下「委員会議」という)の議決によるものとする。(平17択)(平21択)

 

2) 委員会議は、委員長及び過半数の委員の出席がなければ、これを開き、議決をすることができない。

 

3) 委員会議の議事は、出席した委員長及び委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

 

4) 審査会が第24条cの規定による認定をするには、前項の規定にかかわらず、出席した委員長及び委員のうちの本人を除く全員の一致がなければならない。

 

 

(8) 特定行為の禁止 (法29条)

 


委員長及び委員は、在任中、次の一に該当する行為をしてはならない。

 


a) 国会若しくは地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となり、又は積極的に政治活動をすること。

 

b) 厚生労働大臣の許可のある場合を除くほか、報酬のある他の職務に従事すること。

 

c) 営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。

 

 

(9) 利益を代表する者の指名 (法30条)

 


1) 厚生労働大臣は、健康保険、船員保険及び厚生年金保険(厚生年金基金及び企業年金連合会並びに石炭鉱業年金基金の行う事業を含む)ごとに被保険者(厚生年金基金の加入員並びに坑内員等)の利益を代表する者及び事業主(船員保険にあっては、船舶所有者)の利益を代表する者各2名を、関係団体の推薦により指名するものとする。

 

2) 厚生労働大臣は、国民年金の被保険者及び受給権者の利益を代表する者4名を指名するものとする。