社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労災保険法2-17:年金の内払」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
4 年金の内払-1 (法12条1項) 重要度●
年金たる保険給付の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われた場合における当該年金たる保険給付の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。
□“内払制度”の原則は?
a)支給を停止すべき事由が生じた!
↓ にもかかわらず…
停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われてしまった。
b)減額して改定すべき事由が生じた!
↓ にもかかわらず…
減額しない額の年金たる保険給付が支払われてしまった。
↓ こんなとき…
□あえて、その時点において支払い過ぎの分を返還させるのではなく、その後に支払うべき保険給付分を支払ったものとして処理する制度。
↓ したがって…
その後に支払うこととなった保険給付額と調整することとなる。
↓ このとき…
□余分に受け取った者と返還すべき者が同一人である場合に「内払」は行われる。
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5 年金の内払-2 (法12条2項・3項) 重要度●
2) 同一の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病(以下「同一の傷病」という)に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金(遺族年金)を除く、「乙年金」という)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金(遺族年金)を除く、「甲年金」という)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。同一の傷病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金(遺族年金)を除く)を受ける権利を有する労働者が休業補償給付(休業給付)又は障害補償一時金(障害一時金)を受ける権利を有することとなり、かつ、当該年金たる保険給付を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付が支払われたときも、同様とする。(平16択)
3) 同一の傷病に関し、休業補償給付(休業給付)を受けている労働者が障害補償給付(障害給付)若しくは傷病補償年金(傷病年金)を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付(休業給付)を行わないこととなった場合において、その後も休業補償給付(休業給付)が支払われたときは、その支払われた休業補償給付(休業給付)は、当該障害補償給付(障害給付)若しくは傷病補償年金(傷病年金)の内払とみなす。(平19択)
□ “同一の傷病”に関し、保険給付の種類が変更されたにもかかわらず、変更前の保険給付が引き続き行われたときは、その額相当分について、変更後の保険給付が行われたものとみなす。
↓ なお…
この規定は、遺族補償年金(遺族年金)については、適用されない。(平5択)
□休業補償給付を受給中の労働者の傷病が治ゆしていたにもかかわらず、障害状態の確認が遅れたことにより、権利が消滅したはずの「休業補償給付」が支払われ、支給されるべき「障害補償年金」が支払われていなかった場合。
↓ 内払処理!…
休業補償給付として支給された保険給付額は、障害補償年金の内払とみなされる。