(2010年度版)社労士初級インプット講座/労働基準法3-8

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法3-8:賃金の支払の5原則-5」

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労働基準法(3)-8

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始


◇使用者の債権vs労働者の債権◇


労働者がその自由な意思に基づき賃金債権と使用者が労働者に対して有する債権との相殺に同意した場合においては、右同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、右同意を得てした相殺は全額払の原則に違反するものとはいえない(日新製鋼事件・最高裁第二小法廷判決 平2.11.26)。(平18択)

 

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2  賃金の支払の5原則-2 (法24条2項)          重要度 ●●

 

条文/社労士テキスト5

 

2) 賃金は、毎月1回以上*1、一定の期日を定めて*2支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。

 

ここをチェック/社労士テキスト7

 

  原  則

例  外


□*1
【毎月1回以上払】
賃金は、毎月1回*3以上支払わなければならない。

 

イ) 臨時に支払われる賃金*5
(例)就業規則の定めにより支給される私傷病手当、病気休職中の月給者に支給される見舞金、退職金etc.(平19択)


ロ) 賞与*6


ハ) 厚生労働省令で定める賃金(則8条)
(例)“1箇月を超える期間”の出勤成績等により評価して支給される精勤手当、勤続手当、奨励加給又は能率手当
(平20択)

 


□*2
【一定期日払】
賃金は、一定の期日*4を定めて支払わなければならない。

 

ここで具体例!/社労士テキスト9

 

□月給制において「月の末日」は可。(平13択)


□毎月「第4金曜日」は不可。(平13択)


□所定支払日が休日にあたる場合に、支払日を繰り上げる(又は繰り下げる)は可。
(平2択)(平13択)


□週給制において「毎週水曜日」は可。

 

ちょっとアドバイス/社労士テキスト1

 

□*3 「毎月」とは、暦月をいうため、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回は賃金を支払わなければならない。


□*4 「一定の期日」とは、期日が特定されるとともに、その期日が周期的に到来するものでなければならず、たとえ年俸制においても、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。(平2択)(平21択)

 

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□*5 「臨時に支払われる賃金」とは、臨時的、突発的事由に基づいて支払われるもの、結婚手当等支給条件はあらかじめ確定されているが、支給事由の発生が不確定であり、かつ、非常に稀に発生するものをいう(昭22.9.13発基17号)。


□*6 「賞与」とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額があらかじめ定められていないものをいう。


↓ したがって…


定期的に支給され、かつ、その支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず賞与とはされない(昭22.9.13発基17号)。