(2010年度版)社労士初級インプット講座/労働基準法3-7

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法3-7:賃金の支払の5原則-4」

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労働基準法(3)-7

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

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判例チェック/社労士テキスト8

 

◇賃金控除の協定(24協定)の効力◇


□労働基準法24条1項ただし書の要件を具備するチェック・オフ協定の締結は、これにより、右協定に基づく使用者のチェック・オフが同項本文所定の賃金全額払の原則の例外とされ、同法120条1号所定の罰則の適用を受けないという効力を有するに過ぎない。


↓ したがって…


当然に使用者がチェック・オフをする権限を取得するものではないことはもとより、組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うものではない(エッソ石油事件・最高裁第一小法定判決 平5.3.25)。(平17択)


↓ ちょっと解説…


□24協定が締結された場合において、チェック・オフ制度(賃金からの労働組合費の控除)の導入は可能となる。


↓ ところで、この場合…


個々の労働者の同意はいらないのだろうか? →包括的同意だけでよいのか?


↓ そこで判例は…


□24協定の締結による効力は、使用者が当然にチェック・オフを行う権限を取得し、労働者がこれを受忍する義務を負うわけではなく、罰則(法120条1号)の適用を排除するにとどまる(免罰的効力を認めるに過ぎない)。したがって、個々の労働者の同意が必要となる!

 

◇過払い調整のための相殺◇


適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、労働基準法24 条1項ただし書によって除外される場合にあたらなくとも、その行使の時期(前月分を翌月分で調整する程度)、方法(賃金からの控除)、金額(日常生活に支障をきたさない程度)等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば同項の禁止するところではない(福島県教組事件・最高裁第一小法廷判決 昭44.12.18ほか)。
(平12択)(平17択)(平21選)