社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法8-11:制裁規定の制限-1 」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
◇意見聴取と就業規則の効力◇
意見聴取の有無は、就業規則の効力とは無関係とされる(通説)。
↓ なぜならば…
a) 使用者には就業規則についての一方的制定権が認められること。
b) 法90条1項は取締規定にすぎないこと。
↓ したがって…
就業規則において、「その作成及び変更には労働組合の同意又は協議を経る」旨の規定がある場合、その規定に違反して作成・変更された就業規則の効力について、就業規則の制定権は事業主にあることから、使用者に協議義務を負担させるにとどまり、就業規則そのものの失効には至らない(三井造船玉野分会事件・最判昭27.7.4)。
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第2節 制裁規定の制限
1 制裁規定の制限 (法91条) 重要度●●●
就業規則*1で、労働者に対して減給の制裁*2を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額*3を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1*4を超えてはならない。
(平4択)(平6択)(平20択)(平7記)
□*1 本条の「就業規則」とは、法89条、法90条と異なり、“就業規則一般”をいう。
↓ したがって…
常時10人未満の労働者を使用する使用者が作成した社内規定についても、本条は適用される。(平2択)(平16択)
□*2 「減給の制裁」とは、労働者に対する懲戒処分(戒告、譴責、出勤停止etc.)のうち、制裁として、本来であればその労働者が受けるべき賃金の額から一定額を差し引くことをいう。
□*3 「1回の額が平均賃金の1日分の半額」とは、1回の事案に対する減給総額が、平均賃金の1日分の半額以内でなければならないということである(昭23.9.20基収1789号)。(平2択)