(2010年度版)社労士初級インプット講座/労働基準法8-9

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法8-9:就業規則の作成-2 」

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労働基準法(8)-9

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

□法41条(労働時間、休憩及び休日に関する適用除外)の規定に該当する者であっても、法89条は適用されるから、これらの者の「始業及び終業の時刻」を記載する必要がある(昭23.12.25基収4281号)。(平6択)



□「休暇」には、育児介護休業法に規定する育児休業・介護休業及び子の看護休暇制度が含まれるから、これらの事項については、就業規則に記載する必要がある(平11.3.31基発168号)。(平8択)



□退職手当について不支給事由又は減額事由を設ける場合には、これらは退職手当の決定及び計算の方法に関する事項に該当するため、就業規則に記載する必要がある(平11.3.31基発168号)。(平8択)

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判例チェック/社労士テキスト8

 

◇作成・変更時の「合理性」の基準◇


「就業規則の合理的理由」とは、必要性(使用者の利益)VS変更内容(労働者の不利益)を比較して、労働者の不利益を考慮してもなお、就業規則の法的規範性を是認し得るだけの合理性があるとき


↓ たとえ…


賃金・退職金等労働者について重要な権利であっても、労働者にとって実質的に不利益を及ぼす就業規則の作成・変更も、高度の必要性に基づいた合理的な内容である場合には、その効力を生ずる(大曲市農業協同組合事件・最高裁第三小法廷判決 昭63.2.16)。


↓ また…

 

◇絶対的・相対的必要記載事項を欠いた就業規則の効力◇


a) 原則的には、届出の受理はされない。


b) 使用者は作成義務違反で処罰される(法120条1号)。


↓ ただし…


こうした就業規則の効力については、効力発生についての他の要件を満たしている限り、その他の部分に関しては「有効」と認められる。(行政解釈)


↓ また…


就業規則の届出義務については、“行政監督的”な目的から設定されたものである。


↓ したがって…


効力の発生要件ではない=届出がなくても無効とはならない。


↓ ただし…


「届出義務」の違反責任は問われる。