社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法8-6:災害補償 」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
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第2節 災害補償
1 労働基準法と災害補償責任 重要度 ●
業務上の事故であるか? →→ No→→ 使用者の補償責任なし(通勤災害も同様)
↓
↓ Yes
↓
使用者に補償義務あり →事故の発生につき、原則的として、過失責任は不問
↓ 補償方法として…
a)「労働基準法」による災害補償
b)「労働者災害補償保険法」による災害補償 →こちらが一般的
↓ なお…
補償対象となる事故は、“負傷、疾病、障害または死亡”についてである。
2 療養補償 (法75条1項) 重要度 ●
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
3 休業補償 (法76条1項) 重要度 ●
労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない。
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4 障害補償 (法77条) 重要度 ●
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治った場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて、平均賃金に別表第2に定める日数(1,340日分~50日分)を乗じて得た金額の障害補償を行わなければならない。
5 休業補償及び障害補償の例外 (法78条) 重要度 ●
労働者が重大な過失によって業務上負傷し、又は疾病にかかり、かつ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合においては、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい。
6 遺族補償 (法79条) 重要度 ●
労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の1,000日分の遺族補償を行わなければならない。
7 葬祭料 (法80条) 重要度 ●
労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、葬祭を行う者に対して、平均賃金の60日分の葬祭料を支払わなければならない。
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8 打切補償 (法81条) 重要度 ●
療養補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病が治らない場合においては、使用者は、平均賃金の1,200日分の打切補償を行い、その後は労働基準法の規定による補償を行わなくてもよい。
9 分割補償 (法82条) 重要度 ●
使用者は、支払能力のあることを証明し、補償を受けるべき者の同意を得た場合においては、障害補償又は遺族補償に替え、平均賃金に別表第3に定める日数(障害補償はその障害の程度に応じて240日分~9日分、遺族補償は180日分)を乗じて得た金額を、6年にわたり毎年補償することができる。
10 補償を受ける権利 (法83条) 重要度 ●
1) 補償を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。
2) 補償を受ける権利は、これを譲渡し、又は差し押えてはならない。
11 他の法律との関係 (法84条1項) 重要度 ●
労働基準法に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法又は厚生労働省令で指定する法令に基づいて労働基準法の災害補償に相当する給付が行われるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる。