(2010年度版)社労士初級インプット講座/労働基準法7-12

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法7-12:時季変更権行使の妥当性 」

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労働基準法(7)-12

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

↓ 一方で…


◇年休闘争◇


年休取得日における自己の事業場での争議行為に積極的に参加した場合は、結果的には時季指定の事後に設定された争議であって、労働組合の指令に基づく参加ではない場合であったとしても、正当な時季指定権の行使とは認められない(国鉄津田沼電車区事件・最高裁第三小法廷判決 平3.11.19)。

 

◇時季変更権行使の妥当性◇


「事業の正常な運営を妨げる場合」か否かの判断に当たって、特に、勤務割による勤務体制がとられている事業場の場合には、重要な判断要素であることは明らかである。


↓ そして…


年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところであるから、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが可能な状況にあるにもかかわらず、休暇の利用目的のいかんによってそのための配慮をせずに時季変更権を行使することは、利用目的を考慮して年次休暇を与えないことに等しく許されないものであり、このような場合の時季変更権の行使は、結局、事業の正常な運営を妨げる場合に当たらないものとして、無効といわなければならない(弘前電報電話局事件・最高裁第二小法廷判決 昭62.7.10)。
(平20択)