社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法1-11:男女同一賃金の原則」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
-----------------(12ページ目ここから)------------------
5 男女同一賃金の原則 (法4条) 重要度 ●
使用者は、労働者が女性であることを理由として*1、賃金*2について、男性と差別的取扱い*3をしてはならない。(平20択)
□*1 「女性であることを理由として」とは、労働者が女性であることのみを理由とすること、あるいは、社会通念として又は当該事業場において女性労働者が一般的又は平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いこと、主たる生計の維持者でないこと等を理由とすることをいう。したがって、労働者の職務、能率、技能等によって、賃金に個人的差異のあることは、本条の差別的取扱いではない(平9.9.25基発648号)。
□*2 「賃金」については、限定的列挙であり、また、賃金の額そのものについて差別的取扱いをすることだけでなく、賃金体系、賃金形態等について差別的取扱いをすることも含まれる。
□*3 「差別的取扱い」には、女性であることを理由として、“賃金”について有利な取扱い(「逆差別」という)をする場合も含まれる(平9.9.25基発648号)。
(例) 労働者が結婚のため退職する場合、女性には男性に比べ2倍の退職手当を支給することが定められているとき →その定めは労働基準法第4条に反し無効であり、行政官庁は使用者にその変更を命ずることができる。
(平5択)(平10択)(平12択)
□賃金以外の労働条件(配置、昇進等)についての差別的取扱いは、本条違反とはならないが、男女雇用機会均等法において抵触する可能性がある。
□職務、能率、技能、年齢、勤続年数等が同一である場合において、男性はすべて月給制、女性はすべて日給制とし、男性は労働日数の如何にかかわらず月の賃金が一定額であるのに対し、女性は労働日数の多寡によって賃金が男性の一定額と異なる場合は、本条違反となる(平9.9.25基発648号)。
-----------------(13ページ目ここから)------------------
□就業規則に労働者が女性であることを理由として、“賃金”について男性と差別的取扱いをする趣旨の規定があっても、現実に男女差別待遇の事実がない場合には、その規定そのものは無効となるが、本条違反とはされない(平9.9.25基発648号)。