(2010年度版)社労士初級インプット講座/厚生年金保険法7-6

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「厚生年金保険法7-6:財務大臣への権限の委任」

前のページへ |  次のページへ | 目次へ 

厚生年金保険法7(補講)-6

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

4  財務大臣への権限の委任ほか (法100条の5~100条の7) 重要度 ●   

 

条文

 

新設

 

◆財務大臣への権限の委任 (法100条の5)

 


□厚生労働大臣は、滞納処分等その他の処分に係る納付義務者が滞納処分等その他の処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため保険料その他この法律の規定による徴収金の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、財務大臣に、当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる(1項)。

 

□財務大臣は、前項の委任に基づき、滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を行ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、滞納処分等その他の処分の執行の状況及びその結果を厚生労働大臣に報告するものとする(2項)。

 

□財務大臣は、第1項の規定により委任された権限、第2項の規定による権限等を国税庁長官に委任する(5項)。

 

□国税庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を納付義務者の事業所又は事務所の所在地を管轄する国税局長に委任することができ、また、国税局長は、当該委任された権限の全部又は一部を同管轄税務署長に委任することができる(6項・7項)。

 

 

 

-----------------(194ページ目ここから)------------------

 

 

◆機構が行う滞納処分等に係る認可等 (法100条の6)

 


□機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない(1項)。

 

□徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する機構の職員のうちから、厚生労働大臣の認可を受けて、機構の理事長が任命する(2項)。

 

□機構は、滞納処分等をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、速やかに、その結果を厚生労働大臣に報告しなければならない(3項)。

 

↓ なお…

 

□機構は、滞納処分等の実施に関する規程(「滞納処分等実施規程」という)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする(法100条の7第1項)。

 

 

 

5 地方厚生局長等への権限の委任 (法100条の9)       重要度 ● 

 

条文

 

改正

 

1) この法律に規定する厚生労働大臣の権限(第100条の5第1項及び第2項(財務大臣への権限の委任)並びに第8章(法106条~法188条・厚生年金基金及び企業年金連合会)に規定する厚生労働大臣の権限を除く)は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。

 

2) 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

 

ちょっとアドバイス

 

◆権限の委任 (法180条)

 


□厚生労働大臣の権限のうち厚生年金基金に係るものは、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を地方厚生局長に委任することができる(1項)。(平17択)

 

□前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令の定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる(2項)。

 

 

 

-----------------(195ページ目ここから)------------------

 

 

6 機構への事務の委託ほか (法100条の10~100条の12) 重要度 ● 

 

条文

 

新設

 

厚生労働大臣は、機構に、次に掲げる事務を行わせるものとする*1。

 


a) 現物給付の価額決定に係る事務(当該決定を除く)

 

b) 原簿の記録に係る事務(当該記録を除く)

 

c) 被保険者に対する情報の通知に係る事務(当該通知を除く)

 

d) 裁定に係る事務(前記3に掲げる裁定請求の受理及び当該裁定を除く)

 

e) 未支給年金の請求内容の確認に係る事務

 

f) 併給調整の規定による年金給付の支給停止に係る事務(前記3に掲げる申請の受理及び当該支給停止に係る決定を除く)

 

g) 受給権者からの申出による年金給付の支給停止に係る事務(前記3に掲げる支給停止に係る申出の受理及び当該支給停止に係る決定を除く)

 

h) 不正利得の徴収に係る事務(前記3に掲げる権限を行使する事務及び機構が行う収納、督促その他の一定の権限を行使する事務等を除く)

 

i) 老齢厚生年金、障害基礎年金、障害手当金、遺族厚生年金の支給に係る事務(前記3に掲げる事務、裁定、支給停止に係る決定及び額の改定に係る決定を除く)

 

j) 合意分割の規定による記録に係る事務(当該記録を除く)、合意分割の規定による老齢厚生年金及び障害厚生年金の額の改定に係る事務(当該改定に係る決定を除く)

 

k) 3号分割の規定による記録に係る事務(当該記録を除く)、3号分割の規定による老齢厚生年金及び障害厚生年金の額の改定に係る事務(当該改定に係る決定を除く)

 

l) 保険料、育児休業等期間中の保険料免除、保険料の繰上徴収の規定に係る保険料の徴収事務(前記3に掲げる権限を行使する事務並びに機構が行う収納、督促等一定の事務を除く)

 

m) 督促に係る事務(当該督促及び督促状を発すること(督促状の発送に係る事務を除く)を除く)

 

n) 延滞金の徴収に係る事務(前記3に掲げる権限を行使する事務及び機構が行う収納、督促等一定の事務を除く)

 

o) 厚生労働大臣が厚生年金基金又は企業年金連合会に対して行う老齢年金給付に関して必要な情報の提供に係る事務(当該情報の提供を除く)

 

p) 特例老齢年金及び遺族年金の支給に係る事務(当該年金の裁定を除く)

 

q) 脱退一時金の支給に係る事務(当該脱退一時金の裁定を除く)

 

r) 介護保険法203条その他の厚生労働省令で定める法律の規定による求めに応じた厚生年金保険法の実施に関し厚生労働大臣が保有する情報の提供に係る事務(当該情報の提供及び厚生労働省令で定める事務を除く) etc.

 

 

 

-----------------(196ページ目ここから)------------------

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 「事務を行わせる」とは、“国(厚生労働大臣)”の名で機構が実施する事務(委託事務)をいう。

 

◆機構が行う収納 (法100条の11) 新設

 


□厚生労働大臣は、会計法の規定にかかわらず、政令で定める場合における保険料その他この法律の規定による徴収金、年金たる保険給付の過誤払による返還金その他の厚生労働省令で定めるもの(以下「保険料等」という)の収納を、政令で定めるところにより、機構に行わせることができる(1項)。

 

□収納を行う機構の職員は、収納に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する機構の職員のうちから、厚生労働大臣の認可を受けて、機構の理事長が任命する(2項)。

 

□機構は、保険料等の収納をしたときは、遅滞なく、これを日本銀行に送付しなければならない(3項)。

 

□機構は、厚生労働省令で定めるところにより、収納に係る事務の実施状況及びその結果を厚生労働大臣に報告するものとする(4項)。

 

□機構は、厚生労働大臣が定める収納に係る事務の実施に関する規程に従って収納を行わなければならない(5項)。

 

 

◆情報の提供等 (法100条の12) 新設

 


□機構は、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格に関する事項、標準報酬に関する事項その他厚生労働大臣の権限の行使に関して必要な情報の提供を行うものとする(1項)。

 

□厚生労働大臣及び機構は、厚生年金保険事業が、適正かつ円滑に行われるよう、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする(2項)。

 

 

 

-----------------(197ページ目ここから)------------------

第3節  罰則

 

1 罰則 (法102条~法105条)           重要度 ●● 

 

◆6月以下の懲役又は50万円以下の罰金 (法102条、102条の2)

 


□事業主が、正当な理由がなくて次の一に該当するとき。

 

a) 第27条(事業主の届出)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。(平10択)(平13択)

 

b) 第29条第2項(任意適用の取消認可、任意単独被保険者の資格の得喪認可、被保険者資格の得喪確認又は標準報酬の決定若しくは改定)の規定に違反して、通知をしないとき。

 

c) 第81条の3第7項(免除保険料率の加入員への通知)の規定に違反して、通知をしないとき。(平13択)

 

d) 第82条第2項(督促保険料)の規定に違反して、督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき。(平9択)(平20択)

 

e) 第100条第1項(立入検査等)の規定に違反して、文書その他の物件を提出せず、又は当該職員(機構の職員を含む)の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

 

 

□解散した企業年金連合会が、正当な理由がなくて、第85条の2(企業年金連合会の解散に伴う責任準備金相当額の徴収)の規定により負担すべき徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないとき及び厚生年金基金又は企業年金連合会が、正当な理由がなくて、第85条の3(第1号改定者等の標準報酬の改定に伴う現価相当額の徴収)の規定により負担すべき徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないとき。

 

 

□第81条の3第3項又は第4項(厚生年金基金の代行保険料率及びその算定の基礎となる事項)の規定に違反して、当該規定する厚生労働省令で定める事項につき、届出をせず、又は虚偽の届出をした者であるとき。

 

□第81条の3第6項(厚生年金基金に係る適用事業所の事業主への免除保険料率の通知)の規定に違反して、通知をしなかった者であるとき。

 

 

◆6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 (法103条)

 


□事業主以外の者が、第100条第1項(立入検査等)の規定に違反して、当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。(平13択)

 

 

 

-----------------(198ページ目ここから)------------------

 

◆50万円以下の罰金 (法103条の2)

 

□次のいずれかに該当するとき。

 


a) 第89条(保険料その他の徴収金)の規定によりその例によるものとされる国税徴収法の規定による徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をした者。

 

b) 第89条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は当該検査に関し偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類を提示した者。

 

 

◆両罰規定 (法104条1項)

 


□法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下「人格のない社団等」という)を含む)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、第102条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

 

 

◆20万円以下の過料 (法104条の2) 新設

 

□機構の役員が、次のいずれかに該当する場合。

 


a) 第100条の6第1項及び第2項(機構が行う滞納処分等に係る認可等)その他の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。

 

b) 第100条の7第3項(滞納処分等実施規程の認可等)の規定による命令に違反したとき。

 

 

◆10万円以下の過料 (法105条)

 

□次のいずれかに該当する場合。

 


a) 第98条第1項(届出等)の規定に違反して、事業主が届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 

b) 第98条第2項の規定に違反して、被保険者が届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、又は申出をせず、若しくは虚偽の申出をしたとき。(平10択)(平18択)

 

c) 第98条第4項の規定に違反して、戸籍法の規定による死亡の届出義務者が、届出をしないとき。(平18択)