(2010年度版)社労士初級インプット講座/国民年金法7-9

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「国民年金法7-9:解散」

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国民年金法7(補講)-9

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

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テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

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第4節  解散及び清算

1  解散 (法135条)                                  重要度 ●   

 

条文

 

1) 基金は、次に掲げる理由により解散する。

 


a) 代議員の定数の4分の3以上の多数による代議員会の議決

 

b) 基金の事業の継続の不能

 

c) 厚生労働大臣による解散の命令

 

 

2) 基金は、前項a)又はb)に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。(平17択)

 

ちょっとアドバイス

 

◆基金の解散による年金等の支給に関する義務の消滅 (法136条) (平16択)

 


□基金は、解散したときは、当該基金の加入員であった者に係る年金及び一時金の支給に関する義務を免れる。ただし、解散した日までに支給すべきであった年金又は一時金でまだ支給していないものの支給に関する義務については、免れない。

 

 

 

2 基金又は連合会の解散の場合の取扱い (法45条)    重要度 ● 

 

条文

 

1) 基金又は国民年金基金連合会(以下「連合会」という)が解散したときは、次に掲げる期間は、それぞれ、第87条の2第1項の規定による保険料(付加保険料)に係る保険料納付済期間とみなして、付加年金を支給する。(平15択)

 


a) その解散前に納付された掛金に係る基金の加入員であった期間であって、連合会がその支給に関する義務を負っている年金の額の計算の基礎となる期間を除いたもの(第87条の規定による保険料に係る保険料納付済期間である期間に限る、第2項も同じ)

 

b) その解散に係る連合会がその支給に関する義務を負っていた年金の額の計算の基礎となる基金の加入員であった期間であって、納付された掛金に係るもの

 

 

 

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advance

 

□第1項の場合において、基金の加入員であった者が付加年金の受給権を取得した後に当該国民年金基金又はその者に対し年金の支給に関する義務を負っていた連合会が解散したものであるときは、その基金又は連合会が解散した月の翌月から、当該付加年金の額を改定する(2項)。

 

 

3 清算 (法136条の2ほか)         重要度 ● 

 

◆清算中の基金の能力 (法136条の2)

 


解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

 

 

◆清算人等 (法137条)

 


□基金が第135条第1項a)又はb)の規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、代議員会において他人を選任したときは、この限りでない(1項)。

 

□清算人となる者がないとき、基金が厚生労働大臣による解散の命令により解散したとき、清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときには、厚生労働大臣が清算人を選任する(2項)。

 

□清算人の職務の執行に要する費用は、基金が負担する(3項)。

 

□解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金の支給に関する義務を負っていた者(以下「解散基金加入員」という)に分配しなければならない(4項)。

 

 

◆債権の申出の催告等 (法137条の2の2)

 


□清算人は、その就職の日から2箇月以内に、少なくとも3回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない(1項)。

 

□前項の公告(公告は、官報に掲載してする)には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥(じょせき:権利行使の期間が限定され、その期間内に権利行使をしないと権利が消滅する(法律上当然に職務の執行から除外される)こと)されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない(2項)。

 

 

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第5節 国民年金基金連合会

 

1 通則及び設立 (法137条の2の5ほか)        重要度 ● 

 

◆連合会 (法137条の2の5) (平17択)

 


□基金は、中途脱退者*1及び解散基金加入員に係る年金及び一時金の支給を共同して行うため、国民年金基金連合会(以下「連合会」という)を設立することができる。

 

 

↓ なお…

 

 

□*1 「中途脱退者」とは、基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く)であって、その者の当該基金の加入員期間が政令で定める期間(15年)に満たないものをいう(法137条の17第1項ほか)。(平17択)(平20択)

 

◆法人格及び名称 (法137条の3、法137条の4)

 


□連合会は、法人とする。

 

□連合会は、その名称中に国民年金基金連合会という文字を用いなければならない。

 

□連合会でない者は、国民年金基金連合会という名称を用いてはならない。

 

 

◆発起人 (法137条の5) (平6択)

 


□連合会を設立するには、その会員となろうとする2以上の基金が発起人とならなければならない。

 

 

◆創立総会 (法137条の6)

 


□発起人は、規約を作成し、創立総会の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない(1項)。

 

□前項の公告は、会日の2週間前までにしなければならない(2項)。(平6択)

 

□発起人が作成した規約の承認その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない(3項)。

 

□創立総会においては、前項の規約を修正することができる。ただし、会員の資格に関する規定については、この限りでない(4項)。

 

□創立総会の議事は、その会日までに発起人に対し設立の同意を申し出た基金の理事長の「半数以上」が出席して、その出席者の「3分の2以上」で決する。(平6択)

 

 

 

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◆設立の認可等 (法137条の7)

 


□発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、規約その他必要な事項を記載した書面を厚生労働大臣に提出して、設立の認可を受けなければならない(1項)。

 

□連合会は、設立の認可を受けた時に成立する(2項)。

 

□設立の同意を申し出た基金は、連合会が成立したときは、その成立の日に会員の資格を取得するものとする(3項)。

 

 

2  評議員会及び役員 (法137条の10ほか)              重要度 ●   

 

◆評議員会 (法137条の10)

 


□連合会に、評議員会を置く(1項)。

 

□評議員会は、評議員をもって組織する(2項)。

 

□評議員は、会員である基金の理事長において互選する(3項)。(平17択)

 

□設立当時の評議員は、創立総会において、設立の同意を申し出た基金の理事長のうちから選挙する(4項)。

 

□評議員の任期は、「2年」とする。ただし、補欠の評議員の任期は、前任者の残任期間とする(5項)。(平17択)

 

□評議員会は、理事長が招集する。評議員の定数の3分の1以上の者が会議に付議すべき事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して評議員会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあった日から20日以内に評議員会を招集しなければならない(6項)。

 

□評議員会に議長を置く。議長は、理事長をもって充てる(7項)。

 

 

◆評議員会の議決 (法137条の11)

 


□規約の変更、毎事業年度の予算、毎事業年度の事業報告及び決算、その他規約で定める事項は、評議員会の議決を経なければならない(1項)。

 

□理事長は、評議員会が成立しないとき、又は理事長において評議員会を招集する暇がないと認めるときは、評議員会の議決を経なければならない事項で臨時急施を要するものを処分することができる(2項)。

 

□理事長は、前項の規定による処置については、次の評議員会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない(3項)。

 

□評議員会は、監事に対し、連合会の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる(4項)。

 

 

 

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◆役員 (法137条の12)

 


□連合会に、役員として理事及び監事を置く(1項)。

 

□理事は、評議員において互選する。ただし、特別の事情があるときは、評議員会において、評議員以外の年金に関する学識経験を有する者のうちから選任することを妨げない(2項)。

 

□設立当時の理事は、創立総会において、設立の同意を申し出た基金の理事長のうちから選挙する。ただし、特別の事情があるときは、当該理事長以外の年金に関する学識経験を有する者のうちから選任することを妨げない(3項)。

 

□理事のうち1人を理事長とし、理事が選挙する(4項)。

 

□監事は、評議員において1人を互選し、評議員会において、学識経験を有する者のうちから1人を選任する(5項)。

 

□設立当時の監事は、創立総会において、設立の同意を申し出た基金の理事長のうちから1人を選挙し、学識経験を有する者のうちから1人を選任する(6項)。

 

□役員の任期は、2年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする(7項)。

 

□役員は、その任期が満了しても、後任の役員が就任するまでの間は、なお、その職務を行う(8項)。

 

□監事は、理事又は連合会の職員と兼ねることができない(9項)。

 

 

◆役員の職務等 (法137条の13)

 


□理事長は、連合会を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う(1項)。

 

□連合会の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる(2項)。

 

□理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、積立金の管理及び運用に関する連合会の業務を執行することができる(3項)。

 

□監事は、連合会の業務を監査する(4項)。

 

□監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は評議員会に意見を提出することができる(5項)。

 

□第126条(基金の役員及び職員の公務員たる性質)の規定は、連合会の役員及び連合会に使用され、その事務に従事する者について準用する(6項)。

 

 

 

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◆会員 (法137条の14)

 


□基金は、連合会に申し出て、その会員となることができる。ただし、他の連合会の会員であるときは、この限りでない(1項)。

 

□厚生労働大臣は、基金又は加入員の便宜を図るために必要があると認めるときは、基金に対し、いずれかの連合会に加入することを命ずることができる(2項)。

 

 

 

3 連合会の行う業務 (法137条の15ほか)      重要度 ● 

 

◆連合会の業務 (法137条の15)

 


□連合会は、年金又は一時金を支給するものとされている中途脱退者及びその会員である基金に係る解散基金加入員に対し、年金又は死亡を支給事由とする一時金の支給を行うものとする(1項)。

 

□連合会は、a)基金が支給する年金及び一時金につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、基金の積立金の額を付加する事業、b)基金の行う事業の健全な発展を図るために必要な事業であって政令で定めるものを行うことができる。ただし、a)に掲げる事業を行う場合には、厚生労働大臣の認可を受けなければならない(2項)。

 

□連合会は、基金の加入員及び加入員であった者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる(3項)。

 

□連合会は、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会若しくは共済水産業協同組合連合会又は金融商品取引業者と、当該連合会が支給する年金又は一時金に要する費用に関して信託、保険若しくは共済の契約又は投資一任契約を締結するときは、政令の定めるところによらなければならない(4項)。

 

□第128条第4項の規定は、前項の信託の契約(運用方法を特定する信託の契約であって、政令で定めるものを除く)、保険若しくは共済の契約又は投資一任契約について準用する(5項)。

 

□連合会は、厚生労働大臣の認可を受けて、その業務の一部を信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会その他政令で定める法人に委託することができる(6項)。

 

 

◆解散基金加入員に係る措置 (法137条の19)

 


□連合会は、その会員である基金が解散したときは、当該基金の解散基金加入員に係る責任準備金に相当する額を当該解散した基金から徴収する(1項)。

 

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□連合会は、前項の規定により責任準備金に相当する額を徴収した基金に係る解散基金加入員が老齢基礎年金の受給権を取得したとき又は当該基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が老齢基礎年金の受給権を有していたときは、当該解散基金加入員に年金を支給し、当該解散基金加入員が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときは、その遺族に一時金を支給するものとする(2項)。

 

 

□年金の額は、200円に当該解散した基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額とし、一時金の額は、8,500円とする(3項)。

 

□解散した基金は、規約の定めるところにより、解散基金加入員に分配すべき残余財産の交付を責任準備金に相当する額を徴収した連合会に申し出ることができる(4項)。

 

□連合会は、前項の規定による申出に従い解散基金加入員に分配すべき残余財産の交付を受けたときは、当該交付金を原資として、政令の定めるところにより、当該解散基金加入員に係る年金又は一時金の額を加算するものとする(5項)。

 

□連合会が前項に規定する残余財産の交付を受けたときは、当該残余財産は、当該解散基金加入員に分配されたものとみなす(6項)。

 

□連合会は、第5項の規定により解散基金加入員に係る年金又は一時金の額を加算することとなったときは、その旨を当該解散基金加入員に通知しなければならない(7項)。

 

 

 

4 連合会の解散 (法137条の22)       重要度 ● 

 

条文

 

1) 連合会は、次に掲げる理由により解散する。

 


a) 評議員の定数の4分の3以上の多数による評議員会の議決

 

b) 厚生労働大臣による解散の命令

 

 

 

2) 連合会は、前項a)に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 

ちょっとアドバイス

 

◆連合会の解散による年金及び一時金の支給に関する義務の消滅 (法137条の23)

 


□連合会は、解散したときは、当該連合会が支給するものとされている年金及び一時金の支給に関する義務を免れる。ただし、解散した日までに支給すべきであった年金又は一時金でまだ支給していないものの支給に関する義務については、この限りでない。

 

 

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第6節 罰則

 

1 罰則 (法143条~148条)         重要度 ● 

 

◆6月以下の懲役又は50万円以下の罰金 (法143条)

 


□第141条第1項(報告の徴収等)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者。

 

□解散した基金が、正当な理由がなくて、第137条の19第1項(解散基金加入員に係る措置)の規定により負担すべき徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないときは、その代表者、代理人又は使用人その他の従業者でその違反行為をした者。

 

 

◆両罰規定 (法144条)

 


□法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対しても、同条の罰金刑を科する。

 

 

◆20万円以下の過料 (法145条、法146条)

 


□基金若しくは連合会又は解散した基金若しくは連合会が、次のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした基金若しくは連合会の役員、代理人若しくは使用人その他の従業者又は解散した基金若しくは連合会の清算人を処する。

 

a) 第120条第4項(規約の届出)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 

b) 第139条(基金の届出)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 

c) 第140条(報告書の提出)の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 

d) 第142条第1項(基金等に対する監督)の規定による命令に違反したとき。

 

e) この章の規定により基金又は連合会が行うものとされた事業以外の事業を行ったとき。

 

 

□基金又は連合会が、次のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした基金又は連合会の役員を処する。

 

a) 第121条(公告)の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。

 

b) 第137条の17第7項(中途脱退者に係る措置)又は第137条の19第7項(解散基金加入員に係る措置)の規定に違反して、通知をしないとき。

 

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c) 第137条の17第8項(所在不明者への公告)の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。

 

 

◆10万円以下の過料 (法147条、法148条)

 


□次に掲げる場合。

 

a) 加入員が、届出の規定に違反して、届出をしなかったとき。ただし、世帯主から届出がなされたときを除く。

 

b) 加入員が、届出の規定に違反して、虚偽の届出をしたとき。

 

c) 加入員の属する世帯の世帯主が届出をする場合に虚偽の届出をしたとき。

 

d) 戸籍法の規定による死亡の届出義務者が届出をしなかったとき。

 

 

□第118条第2項又は第137条の4第2項(名称)の規定に違反して、国民年金基金という名称又は国民年金基金連合会という名称を用いた者。