社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「国民年金法7-7:基金の種類及び組織等」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
-----------------(169ページ目ここから)------------------
2 基金の種類及び組織等 (法115条の2~法118条の2) 重要度 ●●
◆種類 (法115条の2) (平11択)
|
◆組織等 (法116条~118条の2)
|
【地域型基金】 (平8択)(平9択)(平10択) |
【職能型基金】 (平8択)(平9択)(平10択)
|
組織
|
第1号被保険者*1であって、基金の地区内に住所を有する者をもって組織する。
|
第1号被保険者であって、基金の地区内において同種の事業又は業務に従事する者をもって組織する。 |
地区 |
一の都道府県の区域の全部であり、都道府県につき1個とする。 |
全国であり、同種の事業又は業務につき全国を通じて1個とする。
|
法人格 |
1) 基金は、法人とする。
2) 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
|
|
名称 |
1) 基金は、その名称中に国民年金基金という文字を用いなければならない。
2) 基金でない者は、国民年金基金という名称を用いてはならない。
|
□*1 「第1号被保険者」からは、法定免除、申請全額免除、学生の保険料の納付特例又は30歳未満の保険料納付猶予制度の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、申請一部免除の規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び農業者年金の被保険者を除く。
□加入申請時において、保険料の免除期間を有する者又は現に免除されている者は、その免除期間について保険料を追納しても、遡って国民年金基金に加入することはできない。(平3択)(平15択)
-----------------(170ページ目ここから)------------------
1 設立ほか (法119条~法119条の5) 重要度 ●
◆設立委員等 (法119条)
|
【地域型基金】
|
【職能型基金】 |
設立準備 |
加入員たる資格を有する者及び年金に関する学識経験を有する者のうちから厚生労働大臣が任命した者が設立委員とならなければならない(1項)。
|
その加入員となろうとする15人以上の者が発起人とならなければならない(3項)。(平3択) |
任命 |
300人以上の加入員たる資格を有する者が厚生労働大臣に地域型基金の設立を希望する旨の申出を行った場合に行うものとする(2項)。
|
ー |
規模 |
1,000人以上の加入員がなければ設立することができない(4項)。
|
3,000人以上の加入員がなければ設立することができない(5項)。(平7択)
|
◆創立総会 (法119条の2)
□前項の公告は、会日の2週間前までにしなければならない(2項)。
□設立委員等が作成した規約の承認その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない(3項)。
□創立総会においては、前項の規約を修正することができる。ただし、地区及び加入員に関する規定については、この限りでない(4項)。
□創立総会の議事は、加入員たる資格を有する者であってその会日までに設立委員等に対し設立の同意を申し出たものの「半数以上」が出席して、その「出席者の3分の2以上」で決する(5項)。(平13択)(平16択)
|
◆設立の認可 (法119条の3)
|
-----------------(171ページ目ここから)------------------
◆成立の時期 (法119条の4)
□設立の同意を申し出た者は、基金が成立したときは、その成立の日に加入員の資格を取得するものとする(2項)。(平7択)
|
↓ なお…
□基金が設立されたときは、4週間以内に、次に掲げる事項を公告しなければならない(基金令6条)。
d) 地域型基金にあってはその地区、職能型基金にあってはその設立に係る事業又は業務の種類 e) 設立の認可の年月日
|
↓ また…
□基金は、前条a)又はb)に掲げる事項に変更を生じたときは、2週間以内に、当該変更を生じた事項を公告しなければならない(基金令7条)。
◆理事長への事務引継 (法119条の5)
|
2 管理 (法120条~法126条) 重要度 ●
◆規約 (法120条)
□職能型基金の規約には、前項に掲げる事項のほか、その設立に係る事業又は業務の種類を定めなければならない(2項)。
□前2項の規約の変更(政令で定める事項に係るものを除く)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない(3項)。
□基金は、前項の政令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない(4項)。
|
-----------------(172ページ目ここから)------------------
◆公告 (法121条)
|
◆代議員会 (法122条)
□代議員会は、代議員をもって組織する(2項)。
□代議員は、規約の定めるところにより、加入員のうちから選任する(3項)。
□設立当時の代議員は、創立総会において、設立の同意を申し出た者のうちから選挙する(4項)。
□代議員の任期は、3年を超えない範囲内で規約で定める期間とする。ただし、補欠の代議員の任期は、前任者の残任期間とする。
□代議員会は、理事長が招集する。代議員の定数の3分の1以上の者が会議に付議すべき事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して代議員会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあった日から20日以内に代議員会を招集しなければならない(6項)。
□代議員会に議長を置く。議長は、理事長をもって充てる(7項)。
|
◆代議員会の議決 (法123条)
□理事長は、代議員会が成立しないとき、又は理事長において代議員会を招集する暇がないと認めるときは、代議員会の議決を経なければならない事項で臨時急施を要するものを処分することができる(2項)。
□理事長は、前項の規定による処置については、次の代議員会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない(3項)。
□代議員会は、監事に対し、基金の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる(4項)。
|
◆役員 (法124条)
□理事は、代議員において互選する。ただし、理事の定数の3分の1を超えない範囲内については、代議員会において、年金に関する学識経験を有する者のうちから選挙することができる(2項)。
-----------------(173ページ目ここから)------------------
□設立当時の理事は、創立総会において、設立の同意を申し出た者のうちから選挙する。ただし、理事の定数の3分の1を超えない範囲内については、年金に関する学識経験を有する者のうちから選挙することができる(3項)。
□理事のうち1人を理事長とし、理事が選挙する(4項)。
□監事は、代議員会において、学識経験を有する者及び代議員のうちから、それぞれ1人を選挙する(5項)。(平18択)
□設立当時の監事は、創立総会において、学識経験を有する者及び設立の同意を申し出た者のうちから、それぞれ1人を選挙する(6項)。
□役員の任期は、3年を超えない範囲内で規約で定める期間とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする(7項)。
□役員は、その任期が満了しても、後任の役員が就任するまでの間は、なお、その職務を行う(8項)。
□監事は、理事又は基金の職員と兼ねることができない(9項)。
|
◆役員の職務 (法125条)
□基金の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる(2項)。
□理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、年金及び一時金に充てるべき積立金(以下「積立金」という)の管理及び運用に関する基金の業務を執行することができる(3項)。
□監事は、基金の業務を監査する(4項)。
□監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる(5項)。
|
◆理事の義務及び損害賠償責任 (法125条の2)
□理事が前条第3項に規定する基金の業務についてその任務を怠ったときは、その理事は、基金に対し連帯して損害賠償の責めに任ずる(2項)。
|
-----------------(174ページ目ここから)------------------
◆理事の禁止行為等 (法125条の3)
□基金は、前項の規定に違反した理事を、規約の定めるところにより、代議員会の議決を経て、交代させることができる(2項)。
|
◆理事長の代表権の制限 (法125条の4)
|
◆基金の役員及び職員の公務員たる性質 (法126条) (平19択)
|
3 加入員 (法127条) 重要度 ●●●
1) 第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。
(平5択)(平8択)(平15択)(平20択)
2) 前項の申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得するものとする。
3) 加入員は、次のいずれかに該当するときに、加入員の資格を喪失する。
-----------------(175ページ目ここから)------------------
|
どんなとき? |
いつ?
|
イ) |
a) 被保険者の資格を喪失したとき。
b) 第2号被保険者若しくは第3号被保険者となったとき。
c) 農業者年金の被保険者となったとき。
|
該当するに至った「その日」 |
ロ) |
a) 地域型基金の加入員にあっては、当該基金の地区内に住所を有する者でなくなったとき。(平3択)
b) 職能型基金の加入員にあっては、当該事業又は業務に従事する者でなくなったとき。(平6択)
c) 当該基金が解散したとき。(平7択)
|
該当するに至った日の「翌日」 |
ハ) |
a) 法定免除、申請全額免除、学生の保険料の納付特例又は30歳未満の保険料納付猶予制度の規定により保険料を納付することを要しないものとされたとき。
b) 申請一部免除の規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされたとき。
|
当該保険料を納付することを要しないものとされた「月の初日」 |
4) 加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、加入員でなかったものとみなす。(平7択)(平12択)
□イ~ハ以外の事由(例えば、加入員の申出による任意脱退等)は、認められない。
◆届出 (法127条の2)
□加入員の属する世帯の世帯主は、加入員に代って、前項の届出をすることができる(2項)。
|
↓ なお…
□当該事項以外の事項(加入員又は受給権者の死亡等)についても、基金に届け出なければならない(法138条)。