(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識6-9

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識6-9:賃金の支払の確保等に関する法律」

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一般常識(6)-9

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

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第2節  賃金の支払の確保等に関する法律

1  目的 (法1条)                                   重要度 ●   

 

条文

 

この法律は、景気の変動、産業構造の変化その他の事情により企業経営が安定を欠くに至った場合及び労働者*1が事業を退職する場合における賃金*2の支払等の適正化を図るため、貯蓄金の保全措置及び事業活動に著しい支障を生じたことにより賃金の支払を受けることが困難となった労働者に対する保護措置その他賃金の支払の確保に関する措置を講じ、もって労働者の生活の安定に資することを目的とする。

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 *2 この法律において「労働者」とは、労働基準法9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)を、「賃金」とは、同法11条に規定する賃金をいう(法2条)。

 

2  貯蓄金及び賃金に係る保全措置等 (法3条~法6条)  重要度 ●●●

 

◆貯蓄金の保全措置 (法3条)

 


□事業主(国及び地方公共団体を除く、以下同じ)は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるときは、厚生労働省令で定める場合を除き、毎年3月31日における受入預金額(当該事業主が受け入れている預金の額をいう)について、同日後1年間を通ずる貯蓄金の保全措置*1を講じなければならない。(平4択)

 

 

↓ なお…

 

□*1 「貯蓄金の保全措置」とは、具体的には、労働者ごとの同日における受入預金額につき、その払戻しに係る債務を銀行その他の金融機関において保証することを約する契約の締結その他の当該受入預金額の払戻しの確保に関する措置であって、次に定めるものをいう(則2条)。

 


a) 事業主の労働者に対する預金の払戻しに係る債務を銀行その他の金融機関において保証することを約する契約を締結すること。

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b) 事業主の労働者に対する預金の払戻しに係る債務の額に相当する額につき、預金を行う労働者を受益者とする信託契約を信託会社又は信託業務を営む金融機関(「信託会社等」という)と締結すること。

 

c) 労働者の事業主に対する預金の払戻しに係る債権を被担保債権とする質権又は抵当権を設定すること。

 

d) 預金保全委員会を設置し、かつ、労働者の預金を貯蓄金管理勘定として経理することその他適当な措置を講ずること。

 

 

◆貯蓄金の保全措置に係る命令 (法4条)

 


□労働基準監督署長は、前条の規定に違反して事業主が貯蓄金の保全措置を講じていないときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に対して、期限を指定して、その是正を命ずることができる。(平9択)

 

 

◆退職手当の保全措置 (法5条)

 

条文

 

事業主は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにおいて労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、当該退職手当の支払に充てるべき額として厚生労働省令で定める額について、法3条(貯蓄金の保全措置)の厚生労働省令で定める措置に準ずる措置を講ずるように努めなければならない*2。
(平3択)(平17択)

 

ちょっとアドバイス

 

□*2 「退職手当の保全措置を講ずることを要しない事業主」は、次のとおりである(則4条1項)。(平13択)

 


イ) 次に掲げるいずれかの契約を締結した事業主

 

a) 中小企業退職金共済法に規定する退職金共済契約

 

b) 法人税法に規定する適格退職年金契約 etc.

 

ロ) その使用する労働者が厚生年金保険法に規定する厚生年金基金の加入員である事業主

 

ハ) その使用する労働者が確定給付企業年金法に規定する加入者である事業主

 

ニ) 法律により直接に設立された法人又は特殊法人等である事業主であって、退職手当の保全措置を講ずることを要しない旨の厚生労働大臣の指定を受けたもの

 

ホ) 過半数労働組合又は過半数代表者と退職手当の保全措置について一定の措置によらない旨の書面による協定をした事業主

 

 

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◆退職労働者の賃金に係る遅延利息 (法6条)

 

条文

 

事業主は、その事業を「退職した労働者」に係る賃金(退職手当を除く)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあっては、当該支払期日)までに支払わなかった場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6%の率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。(平2択)(平4択)(平8択)