(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識5-17

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識5-17:育児休業期間」

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一般常識(5)-17

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

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◆育児休業期間 (法9条)

 


□育児休業申出をした労働者がその期間中は育児休業をすることができる期間(以下「育児休業期間」という)は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日)までの間とする(1項)。

 

□次に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、育児休業期間は、当該事情が生じた日(ハに掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する(2項)。

 

イ) 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 

ロ) 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、育児休業申出に係る子が1歳(後期の育児休業の申出により育児休業をしている場合にあっては、1歳6か月)に達したこと。

 

ハ) 育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法の規定による産前産後休業期間、介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。

 

 

◆不利益取扱いの禁止 (法10条)

 


□事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

 ↓ なお…

 

□“労働者の責めに帰すべき事由その他の合理的な理由”がある場合には、育児休業期間中の労働者であっても、解雇することはできる。(平9択)

 

4  介護休業の申出等 (法11条、法12条)              重要度 ●    

 

◆介護休業の申出 (法11条)

 


□労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。
ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる(1項)。

 

イ) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者

 

ロ) 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日(以下「93日経過日」という)を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(93日経過日から1年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く)

 

□前項の規定にかかわらず、介護休業をしたことがある労働者は、当該介護休業に係る対象家族が次のいずれかに該当する場合には、当該対象家族については、前項の規定による申出をすることができない(2項)。

 

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イ) 当該対象家族が、当該介護休業を開始した日から引き続き要介護状態にある場合(厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除く)

 

ロ) 当該対象家族について次に掲げる日数を合算した日数(「介護休業等日数*1」という)が93日に達している場合

 

a) 介護休業をした日数(介護休業を開始した日から介護休業を終了した日までの日数とし、2以上の介護休業をした場合にあっては、介護休業ごとに、介護休業を開始した日から介護休業を終了した日までの日数を合算して得た日数とする)

 

 

b) 勤務時間の短縮その他の措置であって厚生労働省令で定めるものが講じられた日数(当該措置のうち最初に講じられた措置が開始された日から最後に講じられた措置が終了した日までの日数(その間に介護休業をした期間があるときは、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を差し引いた日数)とし、2以上の要介護状態について当該措置が講じられた場合にあっては、要介護状態ごとに、当該措置のうち最初に講じられた措置が開始された日から最後に講じられた措置が終了した日までの日数(その間に介護休業をした期間があるときは、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を差し引いた日数)を合算して得た日数とする)

 

 

【具体例】

 

 

□介護休業申出は、厚生労働省令で定めるところにより、介護休業申出に係る対象家族が要介護状態にあることを明らかにし、かつ、その期間中は当該対象家族に係る介護休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「介護休業開始予定日」という)及び末日(以下「介護休業終了予定日」という)とする日を明らかにして、しなければならない(3項)。

 

 

↓ なお…

 

□*1 「介護休業等日数」は、個々の労働者について、対象家族ごとに計算される。例えば、その事業主の下でした介護休業の日数が、実父のために93日、実母のために30日である労働者は、実父のための新たな介護休業申出をすることはできないが、実母のための新たな介護休業申出をすることは、要介護状態が異なる場合には可能である(平16.12.28職発1228001号・雇児発1228002号)。

 

↓ まとめると…

 

ちょっとアドバイス

 

□介護休業申出は、原則として、同一の対象家族について、一の要介護状態ごとに1回に限り行うことができる(再度の申出は、原則NG)。

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□同一の対象家族であっても、以前と異なる要介護状態の場合は再度の申出をすることができる(ただし、介護休業等日数が通算して93日に達しているときはNG)。

 

□介護休業等日数は、介護休業をした日数と勤務時間の短縮措置等が講じられた日数を合算した日数である。

 

◆介護休業申出があった場合における事業主の義務等 (法12条、則23条)

 


□事業主は、労働者からの介護休業申出があったときは、当該介護休業申出を拒むことができない(1項)。

 

↓ ただし…

 

□当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の過半数労働組合又は過半数代表者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち介護休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの当該休業の申出があった場合は、拒むことができる*2。

 


a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

 

b) 介護休業申出があった日から起算して93日以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者

 

c) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

 

□事業主は、労働者からの介護休業申出があった場合において、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日が当該介護休業申出があった日の翌日から起算して2週間を経過する日(以下「2週間経過日」という)前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該介護休業開始予定日とされた日から当該2週間経過日までの間のいずれかの日を当該介護休業開始予定日として指定することができる(3項)。

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*2 育児休業の場合と異なり、「配偶者が常態として対象家族を介護することができる労働者」は、労使協定により介護休業をすることができないものとして定めることができる範囲に含まれていない。これは、子を養育すべき者は第一義的にその父又は母であることが明らかであり、かつ、子の養育は基本的には1人で対応が可能であるのに対し、対象家族を第一義的に介護すべき者が誰であるかは決め付けられないこと、1人では対象家族を介護できない場合があること等による(平16.12.28職発1228001号・雇児発1228002号)。

 

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5  変更の申出等 (法13条~法16条)                  重要度 ●   

 

◆介護休業終了予定日の変更の申出 (法13条、則26条)

 


【終了予定日の先送り】

 

□介護休業申出をした労働者は、介護休業申出において介護休業終了予定日とされた日の2週間前の日までにその事業主に申し出ることにより、当該介護休業申出に係る介護休業終了予定日を1回に限り当該介護休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる。

 

 

 ↓ なお…

 

□介護休業「開始予定日」の変更の申出については、認められない。

 

◆介護休業申出の撤回等 (法14条)

 


□介護休業申出をした労働者は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日の前日までは、当該介護休業申出を撤回することができる(1項)。

 

□前項の規定による介護休業申出の撤回がなされた場合において、当該撤回に係る対象家族についての介護休業申出については、当該撤回後になされる最初の介護休業申出を除き、事業主は、これを拒むことができる(2項)。

 

□介護休業申出がされた後介護休業開始予定日とされた日の前日までに、対象家族の死亡その他の労働者が当該介護休業申出に係る対象家族を介護しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたときは、当該介護休業申出は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない(3項)。

 

 

◆介護休業期間 (法15条)

 


□介護休業申出をした労働者がその期間中は介護休業をすることができる期間(以下「介護休業期間」という)は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日から介護休業終了予定日とされた日(その日が当該介護休業開始予定日とされた日から起算して93日から当該労働者の当該介護休業申出に係る対象家族についての介護休業等日数を差し引いた日数を経過する日より後の日であるときは、当該経過する日)までの間とする(1項)。

 

□次に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、介護休業期間は、当該事情が生じた日(ロに掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する(3項)。

 

イ) 介護休業終了予定日とされた日の前日までに、対象家族の死亡その他の労働者が介護休業申出に係る対象家族を介護しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

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ロ) 介護休業終了予定日とされた日までに、介護休業申出をした労働者について、労働基準法の産前産後休業期間、育児休業期間又は新たな介護休業期間が始まったこと。

 

 

◆不利益取扱いの禁止 (法16条)

 


□事業主は、労働者が介護休業申出をし、又は介護休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

↓ なお…

 

□“労働者の責めに帰すべき事由その他の合理的な理由”がある場合には、介護休業期間中の労働者であっても、解雇することはできる。

 

6  子の看護休暇 (法16条の2~法16条の4)            重要度 ●   

 

◆子の看護休暇の申出 (法16条の2)

 


□小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(日々雇用される者を除く)は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において5労働日を限度として、負傷し、又は疾病にかかったその子の世話を行うための休暇(以下「子の看護休暇」という)を取得することができる(1項)。

 

□前項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、子の看護休暇を取得する日を明らかにして、しなければならない(2項)。

 

□第1項の年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする(3項)。

 

 

◆子の看護休暇の申出があった場合における事業主の義務等 (法16条の3)

 


□事業主は、労働者からの子の看護休暇の申出があったときは、当該申出を拒むことができない(1項)。

 

□当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の過半数労働組合又は過半数代表者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち子の看護休暇をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの当該休暇の申出があった場合は、拒むことができる(2項)。

 


a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が6月に満たない労働者

 

b) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

 

 

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↓ なお…

 

□育児休業の場合と異なり、「配偶者が常態として子の養育をすることができる労働者」は、労使協定により子の看護休暇を取得することができないものとして定めることができる範囲に含まれていない。これは、子の看護休暇は、その子の看護を行う必要がある日に1日単位で取得する休暇であり、常態としてその子を養育することができる配偶者がいる場合であっても、その日に当該配偶者が子の看護を行うことができるとは限らないことによる(平16.12.28職発1228001号等)。

 

ちょっとアドバイス

 

□期間を定めて雇用される者であっても、労使協定により「子の看護休暇をすることができない者」に該当しない限り、取得日までに当該事業主に引き続き雇用された期間及び取得日後引き続き雇用されると見込まれる期間を問わず、子の看護休暇を取得することができる。

 

□事業主は、労使協定により「子の看護休暇をすることができない者」に該当しない限り、労働者からの子の看護休暇の申出を拒むことはできないが、当該子の看護休暇中の賃金の取扱いについては、労使間の話し合いの上で決められるべきものであり、有給とすることを義務づけるものではない(平16.12.28職発1228001号等)。

 

◆不利益取扱いの禁止 (法16条の4)

 


□事業主は、労働者が子の看護休暇の申出をし、又は子の看護休暇をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

7  業務の制限 (法17条ほか)                        重要度 ●   

 

◆時間外労働の制限 (法17条、法18条、則31条の3、則31条の7)

 


□事業主は、労働基準法第36条第1項本文の規定により労働時間を延長することができる場合において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者(日々雇用される者を除く)であって、次のいずれにも該当しないものが当該子を養育する又は当該対象家族を介護するために請求したときは、制限時間(1月について24時間、1年について150時間をいう)を超えて労働時間を延長してはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。

 

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a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

 

b) 労働者の配偶者で当該請求に係る子の親であるものが、常態として当該子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者(職業に就いていない者等)に該当する場合における当該労働者(子の養育の場合のみ)

 

c) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

□前項の請求は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は制限時間を超えて労働時間を延長してはならないこととなる一の期間(1月以上1年以内の期間に限る、「制限期間」という)について、その初日(「制限開始予定日」という)及び末日(「制限終了予定日」という)とする日を明らかにして、制限開始予定日の1月前までにしなければならない(2項)。

 

□第1項の請求がされた後制限開始予定日とされた日の前日までに、子(対象家族)の死亡その他の労働者が当該請求に係る子の養育(対象家族の介護)をしないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたときは、当該請求は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない(3項)。

 

□次に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、制限期間は、当該事情が生じた日(ハに掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する(4項)。

 

イ) 制限終了予定日とされた日の前日までに、子(対象家族)の死亡その他の労働者が請求に係る子を養育(対象家族を介護)しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 

ロ) 制限終了予定日とされた日の前日までに、請求に係る子が小学校就学の始期に達したこと。(子の養育の場合のみ)

 

ハ) 制限終了予定日とされた日までに、請求をした労働者について、労働基準法による産前産後休業期間、育児休業期間又は介護休業期間が始まったこと。

 

 

 ↓ なお…

 

□期間を定めて雇用される者についても適用される。

 

◆深夜業の制限 (法19条、法20条、則31条の11、則31条の12)

 


□事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者(日々雇用される者を除く)であって次のいずれにも該当しないものが当該子を養育する又は当該対象家族を介護するために請求した場合においては、午後10時から午前5時までの間(以下「深夜」という)において労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない(1項)。

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イ) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

 

ロ) 当該請求に係る深夜において、常態として当該子を保育(対象家族を介護)することができる当該子(対象家族)の同居の家族その他の厚生労働省令で定める者がいる場合における当該労働者

 

ハ) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

ニ) 所定労働時間の全部が深夜にある労働者

 

□前項の請求は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は深夜において労働させてはならないこととなる一の期間(1月以上6月以内の期間に限る、以下「制限期間」という)について、制限開始予定日及び制限終了予定日とする日を明らかにして、制限開始予定日の1月前までにしなければならない(2項)。

 

□第1項の規定による請求がされた後制限開始予定日とされた日の前日までに、子(対象家族)の死亡その他の労働者が当該請求に係る子の養育(対象家族の介護)をしないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたときは、当該請求は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない(3項)。

 

□次に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、制限期間は、当該事情が生じた日(ハに掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する(4項)。

 

イ) 制限終了予定日とされた日の前日までに、子(対象家族)の死亡その他の労働者が請求に係る子を養育(対象家族を介護)しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 

ロ) 制限終了予定日とされた日の前日までに、請求に係る子が小学校就学の始期に達したこと。(子の養育の場合のみ)

 

ハ) 制限終了予定日とされた日までに、請求をした労働者について、労働基準法による産前産後休業期間、育児休業期間又は介護休業期間が始まったこと。

 

 

↓ なお…

 

□期間を定めて雇用される者についても適用される。

 

8  事業主が講ずべき措置 (法21条~法29条)          重要度 ●   

 

◆育児休業等に関する定めの周知等の措置 (法21条)

 


□事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置を講ずるよう努めなければならない(1項)。

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a) 労働者の育児休業及び介護休業中における待遇に関すること

 

b) 育児休業及び介護休業後における賃金、配置その他の労働条件に関すること

 

c) 一定の事情が生じたことにより、本来の休業終了予定日前に育児休業期間及び介護休業期間が終了した労働者の労務の提供の開始時期に関すること

 

d) 労働者が休業期間について負担すべき社会保険料を事業主に支払う方法に関すること

 

□事業主は、労働者が育児休業申出又は介護休業申出をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対し、前項a)~d)に掲げる事項に関する当該労働者に係る取扱いを明示するよう努めなければならない(2項)。

 

 

◆雇用管理等に関する措置 (法22条)

 


□事業主は、育児休業申出及び介護休業申出並びに育児休業及び介護休業後における就業が円滑に行われるようにするため、育児休業又は介護休業をする労働者が雇用される事業所における労働者の配置その他の雇用管理、育児休業又は介護休業をしている労働者の職業能力の開発及び向上等に関して、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

 

◆勤務時間の短縮等の措置等 (法23条)

 


□事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する労働者(日々雇用される者を除く)のうち、その1歳(当該労働者が後期の育児休業の申出をすることができる場合にあっては、1歳6か月)に満たない子を養育する労働者で育児休業をしないものにあっては労働者の申出に基づく勤務時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(以下「勤務時間の短縮等の措置*1」という)を、その雇用する労働者のうち、その1歳から3歳に達するまでの子を養育する労働者にあっては育児休業の制度に準ずる措置又は勤務時間の短縮等の措置を講じなければならない(1項)。

 

□事業主は、その雇用する労働者(日々雇用される者を除く)のうち、その要介護状態にある対象家族を介護する労働者に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく連続する93日の期間*2以上の期間における勤務時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするための措置を講じなければならない(2項)。

 

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advance

 

□*1 「勤務時間の短縮等の措置」は、次に掲げるいずれかの方法により講じなければならない(則34条1項)。

 


イ) 労働者であって当該勤務に就くことを希望するものに適用される短時間勤務の制度を設けること(勤務時間の短縮)。

 

ロ) 当該制度の適用を受けることを希望する労働者に適用される次に掲げるいずれかの制度を設けること。

 

a) フレックスタイム制による労働時間の制度

 

b) 1日の所定労働時間を変更することなく始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤制度)

 

ハ) 所定労働時間を超えて労働しないことを希望する労働者について所定労働時間を超えて労働させない制度を設けること。

 

ニ) 労働者の3歳に満たない子に係る託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与を行うこと。

 

 

□*2 「連続する93日の期間」は、次の期間とする。

 


□当該労働者の雇入れの日から当該連続する期間の初日の前日までの期間における介護休業等日数が1以上である場合にあっては、93日から当該介護休業等日数を差し引いた日数の期間とし、当該労働者が当該対象家族の当該要介護状態について介護休業をしたことがある場合にあっては、当該連続する期間は、当該対象家族の当該要介護状態について開始された最初の介護休業に係る介護休業開始予定日とされた日から起算した連続する期間のうち当該労働者が介護休業をしない期間とする。

 

 

◆3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置 (法24条)

 


□事業主は、その雇用する労働者(日々雇用される者を除く)のうち、その3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない(1項)。

 

□事業主は、その雇用する労働者(日々雇用される者を除く)のうち、その家族を介護する労働者に関して、介護休業の制度又は前条第2項に定める措置に準じて、その介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずるように努めなければならない(2項)。

 

 

◆労働者の配置に関する配慮 (法26条)

 


□事業主は、その雇用する労働者(日々雇用される者を除く)の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。 (平16択)

 

 

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◆再雇用特別措置等 (法27条)

 


□事業主は、妊娠、出産若しくは育児又は介護を理由として退職した者(以下「育児等退職者」という)について、必要に応じ、再雇用特別措置*3その他これに準ずる措置を実施するよう努めなければならない。

 

 

 ↓ なお…

 

□*3 「再雇用特別措置」とは、育児等退職者であって、その退職の際に、その就業が可能となったときに当該退職に係る事業の事業主に再び雇用されることの希望を有する旨の申出をしていたものについて、当該事業主が、労働者の募集又は採用に当たって特別の配慮をする措置をいう。

 

◆職業家庭両立推進者 (法29条)

 


□事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、第21条から第27条までに定める措置及び子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために講ずべきその他の措置の適切かつ有効な実施を図るための業務を担当する者(「職業家庭両立推進者」という)を選任するように努めなければならない。

 

 

9 紛争の解決の援助及び調停 (法52条の2ほか)        重要度 ●

  

新設

 

◆苦情の自主的解決 (法52条の2)

 


□事業主は、育児休業、介護休業、子の看護休暇、時間外労働の制限及び深夜業の制限に規定する制度、勤務時間の短縮等の措置等及び労働者の配置に関する配慮に定める事項に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者を構成員とする当該事業所の労働者の苦情を処理するための機関をいう)に対し当該苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。